■石でスープをつくるって!?

英語絵本

こんにちは、ブッククラブの横山です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
1月の英語絵本「P3コース」でお届けした絵本を紹介します。

◆『Stone Soup
Marcia Brown/作 
Atheneum Books for Young Readers/刊
2,624円(税込)

<翻訳版>
せかいいちおいしいスープ
こみやゆう/訳
岩波書店/刊
1,728円(税込)

★そのスープ、何のスープ?★

今回の絵本は民話を元にしたマーシャ・ブラウンの『Stone Soup』。
この民話はヨーロッパではメジャーな民話で、スープに入れるのは
石だったりクギだったり斧(!!)だったりとさまざまなレパートリーで
伝わっています。
ポルトガルの家庭料理には、この民話を元にしたスープもあるそう。
豆を小石に見立てた具だくさんのスープだそうですが、
それも気になるところですね。

さて物語は、故郷へ帰るため見知らぬ国をとぼとぼ歩く3人の兵士。
すっかり疲れておなかもすいているものの、頼みの村人たちは
警戒して3人を助けようとはしません。
そこで3人は、大きな鍋に水と石を入れて石のスープをつくることに。
興味深々の村人たちに3人が言うのは「塩とコショウがあったらなぁ~」。

ぐったりと疲れ果てていてもユーモアを忘れない3人の兵士や、
おいしそうなスープに警戒を解いていく村人たち、そして
恐がっていても好奇心にかられて覗き込む子どもたちが
マーシャ・ブラウンのあたたかなタッチでいきいきと描かれています。

いまがいちばん寒いこの季節にぴったりの
こころがあたたまるお話です。