2008/9/30 火曜日
吉原 :編集部
絵本つれづれ, 絵本作家さん
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渋谷区の松濤美術館で開催されていた展覧会に行って以来、
あらためて、大道あやさんの絵本に手が伸びるこの頃です。
いま手に入る大道さんの作品は少なめですが、
『あたごの浦』などは、何度読んでもフフッと笑ってしまいます。
展覧会ではその原画も展示されていましたが、
人間以外の生きものとも、まごころで通じ合っていた大道さんだからこそ、
あたたかいおかしみのある絵を描けたのだなあと、しみじみ思いました。
実は、会場で「あっ!」と声をあげそうになった絵がありました。
「ヘビのはなし」と題された3枚の絵。
これは、わたしたちクレヨンハウスの雑誌「月刊 音楽広場」(「クーヨン」の前身です)に掲載された作品でした。
以前、編集部に原画が保管されていた頃、拝見していたので、
こうしてたくさんのひとの目にふれること、うれしく思いました。
大道さんを訪ねて、広島のご自宅へ伺ったことがあります。
ちょうど『ヒロシマに原爆がおとされたとき』が出た頃で、
そのときにお聞きしたお話は、
『クレヨンハウス 絵本スクール』に掲載されています。
「わたしはね、子どもの本には、人間を出さないで、動物を出しとんの。
人間を描くのは難しいけど、犬や猫を描けば、それが人間にも通じるんですね。
動物をかわいがるこころは、平和に通じますよ」
そうおっしゃっていた、大道さん。
大道さんの絵にこころ震えたみなさんに、ぜひ読んでほしいなあと思って、
ご紹介させていただきます。
2008/8/19 火曜日
日景 :編集部
絵本つれづれ, 絵本作家さん
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今森光彦さんの写真展「里山」に出かけてきました。
ちょうど作品を前に、ご自身がお話されるギャラリートークがあり、
ちいさな子から、そのひいおばあちゃん・ひいおじいちゃんにあたる世代まで、
たくさんのひとが、今森さんのトークに、写真に、魅入られていました。
ご本人のお話を伺っていると、草も虫も、湖も森も、ひとも……
レンズを向ける対象への、あふれんばかりの愛情があるからこそ、
あのすごい写真が撮れるのだと、つくづく感じさせられます。
質問コーナーもあり、それに答えたことばが、強くこころに残りました。
里山を守るには、自然景観の保護というだけではない難しさがあるのだと。
いまは、里山に住む子どもも自然とあそぶことがなくなっている状況で、
その地に根ざしたひとびとの暮らしを守り、次世代に伝えていくことの難しさ。
でも、難しく、たいへんなことだと身構えるのではなく、
自分の身近にある、ちいさないのちに目を留めることからはじめよう、と
今森さんも、その写真も、教えてくれます。
この夏休み、東京では3つの写真展が重なり、大活躍の今森さん。
昆虫、里山、伊勢。3つのテーマで、それぞれ展開されています。
写真展「里山」は、大丸東京店・ミュージアムにて9/1まで。
次の週末(8/23・24)も、ギャラリートークがあるそうです。
お近くの方は、ぜひ。
行きたいけれど、行けないという方へ。
おうちにいながらにして、今森さんの仕事を堪能できるあれこれを
ピックアップしてみました!
どれでも、全部でも、ためしてみてください。
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1) 今森さんの写真絵本『わたしの庭』にひたる!
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目の前にあるのに、気づかずにいたことに、ハッとさせられます。
今回の「里山」写真展でも、先の「昆虫4億年の旅」(~8/17で終了)でも、
『わたしの庭』でおなじみの写真も、いくつかありましたよ。
▼『わたしの庭』

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2) クーヨン連載中「いきもの万華鏡」の切り絵にチャレンジ!
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はさみひとつで、摩訶不思議な自然のかたちが現れます。
9月号は「クズ」。花も、ツルに生えた微毛も、葉の虫食いまで表現。
本誌では写真で紹介している切り絵の型紙が、ダウンロードできます。
▼切り絵の型紙のダウンロード
http://www.crayonhouse.co.jp/home/cooyon/thiscooyon.htm
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3) 掲画家・熊田千佳慕さんとの対談から、今森さんの思いを知る!
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ふたりの「昆虫少年」の満面の笑顔に癒されます。
花や虫の生態画や絵本で知られる熊田さんは、今森さんの憧れ。
クーヨン9月号の[スペシャル対談]に登場しています。
▼クーヨン9月号

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4) 今森さんの世界を、もっともっと知る!
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里山塾や、昆虫ジャンボリーなど、参加・体験できるイベントも開催。
各地での展覧会の情報、絵本・写真集などのリストも。
▼今森光彦ワールド
http://www.imamori-world.jp/
2008/8/6 水曜日
面屋 :大阪店
絵本つれづれ
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夏休みに入って、早2週間が過ぎました。
予定表どおりに過ごせていますか?
夏休みに入ったらしたいこと「裏リスト」なるものがあれば、
まちがいなく第一位に輝くのは、やっぱり「朝ねぼう」ではないでしょうか?
この絵本の主人公スーザは、夏休みではなくても毎日おねぼうさんなのです。
なんてったって、一緒に住んでいるマリアおばさんに、
耳元でフライパンをガンガンガンと10回たたかれて、やっと起きるのですからね。
そんなねぼすけスーザがひとりで早起きをして向かった先は、丘を5つ越えたまち。
露店や商店街のお店を一つひとつ見て歩きます。
大好きなマリアおばさんの誕生日プレゼントに「とっておき」を見つけるために。
おばさんは何が似合うかな?
おばさんは何が好きかな?
おばさんは何をほしがっていたかな?
おこづかいの袋をにぎりしめ、それはそれは一生懸命にプレゼントを探すスーザがとってもかわいい一冊です。
読み終わったら、あなたもきっと、大好きなひとのために早起きをしたくなりますよ。
2008/5/3 土曜日
天田 :編集部
絵本つれづれ
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編集部の天田です。
GWまっただ中ですね! みなさんいかがお過ごしですか?
ただいま編集作業をすすめている「月刊クーヨン」7月号(6/3発売)では、
読者のみなさまの声を集めた石井桃子さんの翻訳・創作絵本の小特集を予定しています。
クーヨン読者のみなさまから
「親子2代で同じ絵本を一緒にたのしんでいます!」などのお声をいただいています。
このブログを読んだ方もぜひ、石井さんの絵本にまつわるエピソードをお聞かせください。
cooyon@crayonhouse.co.jp
さて、70年代生まれのわたしも、石井さんが携わられたたくさんの本を読んで育ちました。
そして、数ある作品のなかでも「これは読まなくては!」と思って読み逃していたのが、
50年ぶりに石井さんが改訳された『百まいのドレス』(2006年)です。
もとは『百まいのきもの』というタイトルでした。
写真の左は子どもの頃に読んでいたもので、1975年4月25日発行の12刷、380円!
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『百まいのドレス』(写真右)
エレナー・エスティス/作
石井桃子/訳
岩波書店/刊
1,680円(税込) |
このお話を読むたびに、ワンダをからかっていた少女たちのこころの変化にすなおに気持ちを重ね、その後のワンダがきっとすばらしい才能のつぼみを大事に育てたのではないかなぁなどと想像します。
改訳版もそれは変わりませんでした。
2冊を比べると、改訳の『百枚のドレス』は章立てがされていて、
ページ数も厚く装丁も異なります(表紙をはじめ絵が逆版になっているところがあります)。
出だしの文章も、言い回しや表現が違っていて、
百歳を目前にした石井さんが、すべての文章にあらたな息吹を吹き込まれたことに感銘を受けました。
改訳版のみに掲載の訳者のあとがきも必読です。
この連休中に旧訳、改訳両方を読み比べてみたいと思っています。
2008/4/29 火曜日
上田 :大阪店
絵本つれづれ
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こんにちは。大阪店の上田です。
春風が心地よい季節になりましたね。
毎朝通勤時に通り抜ける江坂公園の木々も、
つい先日までは幹と枝だけのはだかんぼうで寒そうにしていたのに、
今や枝という枝に明るいみどりの葉をつけて、
太陽の光を浴び、生き生きと輝いてとてもうれしそうに見えます。
そんなみどりのトンネルを毎日くぐり抜けてクレヨンハウスにやって来ると……
今、大阪店では木や草花の本を集めた「森の中で深呼吸」の絵本フェアを行っています。
フェア台に並んだ絵本は、どれもこれもみどり、みどり、みどり!
なんだかそれだけでマイナスイオンに包まれているような気持ちになります。
きょうはその中からおススメの1冊をご紹介。
『木はいいなあ』という、30年以上も前に出版され、
今も変わらず愛され続けている絵本です。
都市化が進むにつれ、子どもと自然との生活が失われていくのを嘆いた作者が、
幼い日に経験した木との素晴らしい生活をそのまま絵本にしたものです。
木に登ると遠くの方が見えます。枝に座ってじっと考えごとをすることもできます。
ことりや虫たちも棲む場所をつくります。
暑い日には木陰を作ってくれて、そこで休むこともできます。
木っていいなぁ……。心からそう思わせてくれる絵本なのです。
みなさんは木をじっくり見たことはありますか?
両手で幹を抱いたことがありますか?
木の名前を知っていますか?
木や草花のことをもう少しだけ知ってみることで、
毎日見る風景も少しだけ変わって見えてくるかも。
自然を楽しむ絵本を読んで、ぜひ本物の木や草花にも触れてみてください。

『木はいいなあ』
ジャニス=メイ=ユードリイ/作
マーク=シーモント/絵
西園寺祥子/訳
偕成社/刊
1,050円(税込)
2008/4/28 月曜日
大井 :東京店
絵本つれづれ
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クレヨンハウスでは毎月たくさんの新刊の中から、
おすすめしたい本やブッククラブでお届けする本を新刊会議で選んでいます。
いち早く読めるうれしさもあり、会議にむけて休憩時間や仕事後にみんなであれこれ言いながら楽しんで読んでいるのですが、宿題をかかえているような気もすこしあったり…。
なので会議が終わるとちょっとした開放感で、
「さあ、なに読もう!」となるのです。
先日その新刊会議があったので、さっそくもう一度読もうとずっと思っていた
『幼ものがたり』を本棚から引っ張りだしました。
今月初めに亡くなった石井桃子さんの幼い日々の回想記。
石井さんの世界をふたたび味わうのはこの本からにしようと決めていたのです。
お店で石井さんの本のコーナーを整理していると、いろんな声がきこえてきます。
「この本持ってる」「あの本すごく面白いよ」「これ好きだったなぁ」。
あなたの好きな1冊はなんですか?
今度おしえてくださいね。
2008/4/25 金曜日
揚石 :編集部
絵本つれづれ, おすすめ新刊
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こんにちは! 編集部の揚石です。
きょうは最近のおすすめをご紹介したいと思います。
わたしがゴッホの絵と出会ったのは小学生のとき。
分厚く塗られた絵の具と情熱的な筆の動きが印象的で、
「絵」を越えて、ゴッホのひととなりが気になったことを覚えています。
3月に発売された、いせひでこさんの絵本『にいさん』は、
画家ゴッホと弟テオの物語です。
「変わり者」で世間から冷ややかな目で見られていた不遇のゴッホを、
最期まで支え続けたのがテオでした。
この絵本は、ふたりの間にある深い絆を描き出しています。
ゴッホとテオが“生きていた”ぬくもりが、なぜかとても身近に感じられ、
思わず涙がにじみました。
もう一度ゴッホの絵に出会いたくなるような、そんな絵本です。

『にいさん』
いせひでこ/著
偕成社/刊
1.575円(税込)
ちなみに、原画展もあるそうですよ。
いせひでこが魂をこめて描く ゴッホとテオの物語
『にいさん』出版記念原画展
2008年4月30日(水)~5月6日(火・振)
場所:丸善丸の内本店ギャラリー
9:00~21:00(※最終日は16時閉場)
トーク&サイン会
5月3日(土・祝)
トークショー14:00~
サイン会14:30~
↓丸善のサイトです。
http://www.maruzen.co.jp/Blog/Blog/maruzen02/P/2366.aspx
2008/4/17 木曜日
上田 :大阪店
絵本つれづれ
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この季節、フェア台にこの絵本を置いていると、
必ず「あっ! いちごばたけのおばあさんだ!」と、
見つけた子どもたちのうれしそうな声が日に何度も聞こえてきます。
主人公のちいさなおばあさんは、タイトル通りいちごばたけの下に住んでいて、
いちごにあかい色をぬるのが仕事です。
ある年、小春日和のぽかぽか陽気に反応したのか、
いつもよりずーっと早くいちごがなりだしたから、さあ大変。
おばあさんは急いであかい色をつくり、
ちいさな手をせっせせっせと動かしていちごをぬり始めます。
冷たい風が吹いてくる日暮れまでに、
畑のいちごを全部ぬり終えることができるのでしょうか……?
「あと少し!」とおもわず声をかけたくなってしまいます。
只今、クレヨンハウス野菜市場に並んでいるいちごは、とてもすてきなあか色です。
ひょっとしたら、これもおばあさんがぬってくれたのかも……。
今年もおばあさんの仕事ぶりに拍手!

『いちごばたけのちいさなおばあさん』
わたりむつこ/作
中谷千代子/絵
福音館書店/刊
840円(税込)
2008/4/11 金曜日
吉原 :編集部
絵本つれづれ
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3月31日~4月3日まで開催されていたボローニャ国際児童図書展へ行ってきました。
翻訳出版できる作品を探すのがおもな目的で、
あらかじめアポイントを入れてもらっていた出版社のブースをたくさんまわりました。
一般書も含まれるフランクフルトのブックフェアほどではないまでも、
広い展示場で30分ごとのミーティングをこなしていくには、なかなかタフさが必要です。
とくに方向感覚に乏しいわたしなどは、会場案内を手に走りまわり、
トイレに行くならいましかない! みたいなことに。
でも、これだけたくさんの洋書を集中して見る機会はそうありません。
まだ本になる前の、ラフ段階のものなどを見せてもらえるのも、わくわくします。
同じ気持ちで子どもの本をつくっているひとたちと出会うと、
わたしもがんばろう、と思います。
ホテルからのシャトルバスが遠~いところに停まったり、
お昼に食べたいものが食べられなかったりしても(イタリア語だから!)、
なんとなしに平和な気持ちでいられるのは、チルドレンズブックの魔法かな?

2008/2/20 水曜日
上田 :大阪店
絵本つれづれ, おすすめ新刊
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絵本を読んでいて、ときどき驚くほど自分にピッタリ合う本が見つかることがある。
何気なく開いて読みはじめ、読み終えた瞬間、
きょうという日はこの絵本に出会うためにあったのかもしれない……と思うほど。
最近のそんな一冊がこの新刊。
この絵本は、実際にある親子がおこなっているちいさな行事をもとにつくられたものだそうです。
金曜日、いつもパパとぼくは一緒に、ふだんより早く家を出ます。
寒い日も、晴れの日も、雨の日でも。歩いているとお店が少しずつ開きはじめます。
周りのひとは急いでいるけれど、ふたりは決して急ぎません。
歩きながら、犬と何匹出会ったかなんて数えたりします。
そしてふたりが到着した場所は、カフェレストラン。
ここでゆっくり朝食を食べながらおしゃべりをするのです。いろいろなことを。
食べ終わるとそれぞれ会社と学校へ向い、そしてまた次の金曜日をこころ待ちにするのです。
一週間に一度の親子のちいさな行事。
おそらくこの時間だけは、親子だとか年齢の差だとか、そんなことは関係なく、
ふたりは友人として対等に向き合って話をしているのではないでしょうか。
なんて豊かな時間なのでしょう。
少しこころのゆとりと、少しの工夫とでこんなにすてきな時間をつくることができるのだということを、この絵本は教えてくれます。
親子だけではなく、友だちや恋人……
大切なひととの時間をこんなふうにつくってみてはいかがですか?

『きんようびはいつも』
ダン・ヤッカリーノ/作
青山南/訳
ほるぷ出版/刊
1,470円(税込)