絵本とクレヨンハウスについて

クレヨンハウスは、東京店(表参道)、大阪店(江坂)、それぞれに子どもの本の専門店があります。
子どもたち、絵本大好きな大人たちが、毎日たくさんやってきます。 「専門店」は、皆さまによい絵本を紹介することはもちろん、「読者と作家を結ぶこと」も大事な仕事であると、わたしたちは思っています。専門店として、作家と読者の距離をちぢめたいスタッフも「しっかり読んで知っている」ことが求められます。
毎月出版される絵本も、膨大です。
とくに最近は出版点数が増えています。
読んだ絵本は、毎月スタッフ集合して開かれる「新刊会議」で、自由に意見や感想を述べ合います。
たのしいけれど、きびしい会議。

「この絵本をロングセラーにしたい」「この絵本を気に入る読者がいます」といった意見が飛び交い、どの本に力を入れるか、ブッククラブ(絵本の定期お届け便)の新刊コースの本を何にするか、が決まります。

東京店も大阪店も、毎月「子どもの本の学校」を開いています。
1991年からスタートした、絵本作家や児童文学者をお呼びしての講演会です。
どんな方がこの絵本を描いているのだろう、どんなことを考えているのだろう、といったことを直接聞くことができるし、大好きな絵本にサインをもらえるのも好評です。

ちなみに日本では本屋が年々少なくなって(30年の間に、2万軒も減って、1万6千軒になってしまったんですよ!)、だれもが自由に絵本を入手できなくなっています。
とくに地方の方々は、地元の本屋さんがなくなったので、都会の大型書店チェーンへ出向かなければならないでしょう。
また、せっかく遠出をしたのに、その本屋さんに絵本が充分在庫していなかったり、絵本にくわしいスタッフがいない、ということもあります。
絵本は、やっぱり子どもの本の専門店(日本には200軒くらいあります)で求めるのがいちばん、とクレヨンハウスは自負しています。

絵本専門店はワンダーランド。


すわり読みOK! と31年前にスタートした絵本専門店は、まいにち色々な人が訪れ、まいにち色々なことが起き、まいにち意外なナゾがうまれるワンダーランドです。

東京店店長、吉村厚子。大阪店店長、山本能里子より。
「約5万冊の絵本を在庫しています。場所がら、ちいさな子から大人まで、そして若い方々も多いですね。ロングセラーや、作家のサイン本、しかけ絵本や紙芝居、それに子どもの音楽などもしっかり置くようにしています。作家や出版社の編集者が、絵本を探しに来られたり、海外からのお客さまも多いですね。絵本に関するあらゆる情報が集まるのが、いちばんの特徴だと思っています。それから、英語版の洋書絵本にも力を入れています。都内のどこの書店よりも安い値付けができるようにこころがけています」(吉村) 「東京店にくらべたらちいさいお店なので、スタンダードな絵本やロングセラーを、しっかり在庫するようにしています。東京店と連携して、早く入荷できるようにしたり、近くの幼稚園や保育園などのご要望に答えるなど、フットワークを軽くしています」(山本)最近増えている質問が、どんな本が読み聞かせにいいかというのと、上手な読み聞かせのコツについて。
「わたしは保育園に勤めていて、絵本をたくさん読んできました。しかし、おかあさんやおとうさんには、勝てないですね。どんなにトツトツと読まれても、ご家族が読んでくれるのが、子どもたちは大好きですからね。子どもは、うまいとか、へたとか、評価をしません。だれが読んでくれるかが大事なんです。大好きなひとが読んでくれることが、大事なんです」(吉村)絵本の定期便・ブッククラブ

「どんな絵本がいいかについては、ブッククラブのパンフレットや、『絵本town』をおすすめしています。パンフレットの選書は、わたしたちが、こころを込めて選んでいるからです。『絵本town』は、25年以上お送りしてきたブッククラブの、読者の声が載っています。一冊の絵本を、どんなふうにちいさな子が受け止めたか、よろこんだか、その姿を見ておかあさんがどんなに感動したかが25年分載っています。『クレヨンハウス通信』で発表してきた声を、30年分まとめたものです。あらためて読んでみて、わたしも感動し直しましたから」(吉村)

ブッククラブがはじまるきっかけは、表参道にクレヨンハウスが誕生して1年経った頃。
北海道から単身赴任されていたおとうさんの、「毎月娘に絵本を送っているんですが、絵本を選ぶのって、難しいですね」ということばから、選書のお手伝いがはじまりました。
「娘に電話をすると、もう絵本の話ばかりです。うれしいもんですねえ」
毎月1冊、絵本を贈る。なんてすばらしい仕事でしょう!ここから、わたしたち自慢のブッククラブがはじまりました。「どんなに子どもがよろこんだか」「1冊の絵本への子どもの反応」「何度も読まされて、読まされて」……、
絵本をお届けしたご家族から、はがきやお手紙が届きます。スタッフ一同感激です。

そうしたお客さまの声を『クレヨンハウス通信』として載せることにしました。
「プリントごっこ」でスタートした『クレヨンハウス通信』は、いまやオールカラー、ブッククラブの機関紙です。(税・送料込み 300円。ブッククラブの会員の方には絵本と一緒に無料でお届けしています)
新刊や季節のおすすめ絵本、おもちゃやお店の話題などを載せています。このクレヨンハウス通信の刊行が、月刊『音楽広場』(当時)、育児雑誌『月刊クーヨン』の創刊の原点ともいえます。絵本をたくさん読む、紹介する、作家とつなげる、届ける、そして刊行する。
「専門店」だからこそできることを、これからも続けてゆきます。

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