■シュルヴィッツさん戦渦の少年時代
2013/7/12 金曜日
早崎 :ブッククラブ
英語絵本
こんにちは、ブッククラブの早崎です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から
7月の英語絵本「P1コース」と「P3コース」のご紹介です。
まずは「P1コース」。
◆『Two Little Monkeys』
Mem Fox/文
Jill Barton/絵
Beach Lane/刊
1,964円(税込)
★子ザルを狙う天敵とは?★
草原で仲良くあそぶ子ザルのチーキーとチー。
そこに、何者かが草むらに身を隠し、
2匹のもとにひっそりと近づいてきた。
急いで古い大木にはい登り、ぶるぶる震える2匹。
葉の茂みに隠れ、そっと間から覗いてみると、
ある恐ろしい動物の姿が……。
子ザルのチーキーとチーを狙う動物の正体は、
物語の終盤で明らかになります。
二兎を追う者は一兎をも得ずと言いますが、
さあ、どうなることでしょうか?
かんたんな単語を並べたリズミカルな文章と、
わかりやすいストーリー展開は、
はじめての読み聞かせにもおすすめですよ。
そして「P3コース」。
◆『How I Learned Geography』
Uri Shulevitz/作
Farrar Straus Giroux/刊
1,964円(税込)
翻訳版:『おとうさんのちず』
さくまゆみこ/訳
あすなろ書房/刊
1,575円(税込)
★作者の子ども時代を描いた自伝的絵本★
戦火に焼け出され、異境に住みはじめた少年とその家族。
ちいさな部屋を見知らぬひとたちと住み分け、
食べものにも困る生活を送るなかで父が買ってきたのは、
空腹を満たすパンでなく一枚の地図だった。
父に怒りを覚えた少年だったが、
その地図は少年の生活に大きな変化をもたらすこととなる。
地図を見ながら異国情緒あふれる各地の名前を歌のように唱えると、
少年は世界のどこへでも飛んで行けるようになったのだ……。
空想によって生み出される夢や希望は、少年に生きる力を与えます。
父親にはそのことがわかっていたのでしょう。
やがて大人になった少年は、世界で活躍する絵本作家になります。
その少年こそが、作者ユリ・シュルヴィッツさんです。
戦争や平和について考えるときにぜひ読んでほしい一冊です。
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