今週の新着洋書から3冊をご紹介!
2007/11/29 木曜日 英語絵本ダンボールを開けて、その表紙を見た瞬間に
洋書担当の田村と近藤は衝撃をうけてしまいました。
すごい迫力のサルのアップです!!
『Ape』 Martin Jenkins/文 Vicky White/絵 Candlewick Press/刊 2,321円(税込) ハードカバー版 |
この絵本、とにかくイラストの迫力がすごいんです。
1ページあたり3~8行のシンプルな文章と
画面いっぱいに描かれたサルたち。
いきいきと、食べて、遊んで、吠えて、
飛び跳ねて、子どもをあやして、じっとしている様子が
ページの向こうの、すぐそこでおきているかのように感じてしまいます。
著者の方のサル類への愛情がひしひしと伝わってきます。
ゴリラ、ボノボ、オランウータンなどが、4~5ページごとに紹介されていますよ。
こんなシンプルだけど本当に迫力ある絵本は
子ども達って大好きだと思うんです。
『and the train goes・・・』 william bee/作 Candlewick Press/刊 2,184円(税込) ハードカバー版 |
なんともかわいらしい表紙です。
構図も色もなんだか素敵な予感がします。
ページをあけてみると・・・
汽車と駅の絵本です。
「Here is・・・」ではじまるリズミカルな文章とともに
駅や汽車のさまざまな場面が描かれています。
表紙もそうですがページをめくっていて感じるのは
その色と構図のかわいさです。
色は4~5色とおさえられているのですが
そのシンプルさが、とても心地よいようです。
「Hurry up! Hurry up!」
「All Avoard! All Avoard!」
など、文章の終わりには、その場面を象徴することばが連呼されているのが
リズムをさらに追加させて、まるで列車が走って行く臨場感がたっぷりです。
家族で声を出して読んだら楽しそうだナァと思いました。
『THE ALPHABET FROM A TO Y WITH BONUS LETTER Z!』 STEVE MARTIN and ROZ CHAST/作 FLYING DOLPHIN PRESS/刊 2,457円(税込) ハードカバー版 |
AからはじまってZまでアルファベット順にならんだページの数々。
これだけだとよくある「アルファベット絵本」という感じがしますが、
これが普通の展開じゃないのです。
たとえばAのページ
「A Amiable Amy,Alice,and Andie Ate all the anchovy sandwiches handy」
このことばとともに描かれたのは
3人の女の子がサンドウィッチをほおばるようす。
そう、ここまでは普通なんです(若干3人の表情がいたずらっこっぽいものの)。
さらにページの隅々まで眺めてみると・・・
壁に飾られた絵はなぜか
「アリクイ」と「天使の輪っかをつけたサル」と「戦士」、
テーブルの下にはなぜかワニ!!!!
部屋のかたすみにはなぜか大型の斧!!!!
ちょっと不気味な様子も漂っているのですが、
ウイリアム・スタイグにも似た飄々とした笑いを誘う絵が、
茶目っ気たっぷりで、思わず笑ってしまいます。
なんだかいたずらっ子の会心のいたずらを目撃したような感じです。
どのページもこんな調子で細部までたっぷり遊んであるので、
絵を眺めているだけでも、たっぷり楽しめる絵本ですよ!
あのいたずらが大好きな子や、やんちゃな子に贈ってみるのも
いいかもしれませんね!