ブッククラブ 2月の洋書絵本
2008/2/18 月曜日 英語絵本「子どもの本の定期便」 ブッククラブ・絵本の本棚から
2月の洋書コースのご紹介です。
まだまだ寒くて外に出るのもおっくうなこのごろ。
部屋のなかでぬくぬくしながら春を待ち、
辞書をひきひき、洋書絵本をたのしんでみるのも、
なかなかオツな過ごしかたかもしれません。
P1: 即興演奏(ビーバップ)をたのしむ虫たち Beetle Bop ◇Denise Fleming /作 Harcourt Childrens Books/刊 ◇2,016 円(税込) |
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タイトルの直訳は「甲虫(beetle)の即興演奏(bop)」で、ジャズのビーバップ(bebop)にかけたものでしょう。色や形、棲んでいるところもつくる音も様々な甲虫たちが、まるでジャズの楽譜の音符のように、画面をダイナミックに躍動します。 テキストは幼児向けに最小限に抑えたものですが、その活字も虫たちとコラボレートします。 色や模様が変わるだけでなく、飛び込み旋回し、光ったり震えたり。生の喜びが、文字通り飛び跳ねます。 |
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コルディコット大賞に輝いた本書は、「わたしたちは、いつだって何もないところから何かしら創り出すことができる」という「クリエーター魂」を、見せてくれる1冊。主人公の古くなったオーバーが上着に、ベスト、マフラー……へと、次々に再利用されていくさまを、簡単なしかけで見ていきます。お金で何でも買える時代にそれが許される国に生きているからこそ、呼び覚ましておきたい「魂」かもしれません。 舞台がユダヤ系の人々の村なので、ユダヤ文化を知るきっかけにもなるでしょう。 |
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笑みをなくしたトラがそれを探し歩き、ついに見つける。幸せでさえいれば、笑みはこぼれるものだと知る物語です。とはいえ、それはこのトラのオーガスタスの話で、読者の幸せ探しの直接の答えにはなりません。トラの幸せは、自然と戯れることでもたらされるのでしょうが……。子どもたちには、自分で探す時間がまだあるのがありがたい。 躍動感あふれる筆使いが、とても個性的。印象的な黒とだいだい色のコントラストとあいまって、のびやかな気分になります。 |
P2(じっくりコース)はロングセラー中心の選書です。
日本語の翻訳絵本が出版されているものを選んでいるので、
「じっくり」読みくらべもできます。
さて、今回のP2コース『Joseph Had a Little Overcoat』(和書は『ヨセフのだいじなコート』)は、
「エコ」への関心がますます高まるいま、「リサイクルってすてき!」と思える1冊。
ヨセフのコートがいろいろなものにつくりかえられていく様子を見るのもたのしいし、
そのほかにも小技がもりだくさん!
ヨセフの部屋の壁にかけられた額ぶち、床に置かれた手紙など、
ページのそこここに、ためになる名言やユーモアがちりばめられています。
文章が短いので、英語が苦手なひとにもオススメ。