金曜日は、大切なあのひとと……。
2008/2/20 水曜日 絵本つれづれ, クレヨンハウス出版の新刊絵本を読んでいて、ときどき驚くほど自分にピッタリ合う本が見つかることがある。
何気なく開いて読みはじめ、読み終えた瞬間、
きょうという日はこの絵本に出会うためにあったのかもしれない……と思うほど。
最近のそんな一冊がこの新刊。
この絵本は、実際にある親子がおこなっているちいさな行事をもとにつくられたものだそうです。
金曜日、いつもパパとぼくは一緒に、ふだんより早く家を出ます。
寒い日も、晴れの日も、雨の日でも。歩いているとお店が少しずつ開きはじめます。
周りのひとは急いでいるけれど、ふたりは決して急ぎません。
歩きながら、犬と何匹出会ったかなんて数えたりします。
そしてふたりが到着した場所は、カフェレストラン。
ここでゆっくり朝食を食べながらおしゃべりをするのです。いろいろなことを。
食べ終わるとそれぞれ会社と学校へ向い、そしてまた次の金曜日をこころ待ちにするのです。
一週間に一度の親子のちいさな行事。
おそらくこの時間だけは、親子だとか年齢の差だとか、そんなことは関係なく、
ふたりは友人として対等に向き合って話をしているのではないでしょうか。
なんて豊かな時間なのでしょう。
少しこころのゆとりと、少しの工夫とでこんなにすてきな時間をつくることができるのだということを、この絵本は教えてくれます。
親子だけではなく、友だちや恋人……
大切なひととの時間をこんなふうにつくってみてはいかがですか?
『きんようびはいつも』
ダン・ヤッカリーノ/作
青山南/訳
ほるぷ出版/刊
1,470円(税込)