ブッククラブ 3月の洋書絵本
2008/3/14 金曜日 英語絵本「子どもの本の定期便」 ブッククラブ・絵本の本棚から
3月の洋書コースのご紹介です。
めっきり春めいてきました。ポカポカ陽気にウキウキ気分。
「新生活」という文字をあちらこちらで見かけます。
新しいことにチャレンジするにはぴったりのこの時期!
絵本で英語をはじめてみませんか?
P1コース:木の上にトラ発見!村人は、さあどうする?
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黒とオレンジの2色のインクをマットな白地に載せただけの、レトロなイラストが新鮮な、オリジナルはインドで出版された絵本です。遊びざかりのトラが木に登ったところを、村人たちが発見。「まさか!」と、祭りのような騒ぎになって……。ほのぼのした村人たちの様子に、「人間も捨てたもんじゃない」と思うのでは。音を意識して、大きさが変わったり、上がったり下がったり、意匠に工夫のある文字をたどれば、上手に読みこなせそうです。 | |
P2コース: 大切なこと、それはあなたがあなたらしくいること。
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この世界にある大切なことを、淡々とした口調で語りかけ、考えさせます。作者がとても大切に思っていることは、最後にあります。「You are you」、まるで回文のようにも、呪文のようにも聞こえますが、心の支えになるフレーズです。一見すると文字が多めで難しそうですが、くり返しのおかげで、だんだんとなじみます。子どもたちには、関係代名詞や重文も複文も関係ない。大切なこと-それは詳細ではなく、本の「声」を聞くことでしょう。 | |
P3コース:エマ・リーのはじめてのティーパーティー、わたしも「レディ」よ!
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めずらしく、コーヒーではなく紅茶好きのアメリカ人一家を描いた、一杯の甘いミルクティーのような味わいの物語です。ヒロイン、エマ・リーが、祖母の誕生日を祝う恒例の女性だけのお茶会にはじめて参加することになり、「レディ」として認められたと思いきや……。少女が「大人の女性」にあこがれ、背伸びをする姿に、読者はなつかしさを感じるでしょう。また特筆すべきは、祖母とはひと味ちがう祖父の愛。これがまた、あたたかく甘いなつかしさでいっぱいです。 |
さて、今回のP3コース『Emma Lea’s First Tea Party 』は、
なかなか長文の絵本です。
文章量が多いと、ウッ!とひるんでしまうわたしですが、
意を決して、読みはじめてみると、「あらあら、とってもいい話」。
ひきこまれて一気に読んでしまいました。
背伸びしたい年ごろの女の子の微妙な気持ちや、
祖母や祖父の孫への愛がていねいに描かれていて、
ほんのりあたたかい気持ちになれます。
作者はお茶のスペシャリストとしての認定も持っているかたなので、
「ティーパーティー」の描写も本格的で、たのしめます。
おいしい紅茶をいれて、ほっとしたくなりますよ。