<絵本town特集>今森光彦さんのデビュー作

絵本つれづれ

今森光彦さん
いまもり・みつひこ


『みつばち』
薩摩忠/文
1980年/世界文化社
*現在お取り扱いできません

●デビュー作の思い出
デビュー作は、『チョウとアリ ふしぎな約束』(平凡社/1984年)だと思われがちですが、実は、1980年に出版した写真絵本『みつばち』が最初です。シリーズそのものが絶版なので、今では手に入れることができません。文章は、詩人の薩摩忠さんによるものです。 内容は、学生時代とアルバイト時代に撮っていたミツバチの生態です。自宅の近くのお寺の境内に巣をつくったニホンミツバチと、知り合った養蜂家の飼っていたセイヨウミツバチの暮らしを丹念に追いかけました。少しの時間があれば、カメラをもって足しげく通いました。今から思うと、よくあんなに時間がかけられたものだと思います。大学生時代に自然を撮る写真家になりたいと決心し、数年撮りためた写真を出版社にもちこみました。幸運にも、絵本を作ってみないかというお話をいただいたときには、夢を見ているようにうれしかったのを思い出します。当時、私は25才で、この出版をかわきりに、プロの写真家であることを自覚しました。

●作家をめざすひとへのメッセージ
自分が好きなものがあれば、それを後悔することなくどこまでも追求することが、大切だと思います。絵本というかたちは、そのあとからついてくるのではないでしょうか。抽象的な言い方かもしれませんが、体験や知識が豊かな方がいいので、自分という建物の基礎を強くするために、細かなことにとらわれず、回り道だと感じても何事にも積極的に挑戦してほしいものです。

●今森光彦さんのページ
ホームページ http://www.imamori-world.jp
ツイッター https://twitter.com/Aurelian_STAFF

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