30年前の「ドレス」!

絵本つれづれ

編集部の天田です。
GWまっただ中ですね! みなさんいかがお過ごしですか?

ただいま編集作業をすすめている「月刊クーヨン」7月号(6/3発売)では、
読者のみなさまの声を集めた石井桃子さんの翻訳・創作絵本の小特集を予定しています。

クーヨン読者のみなさまから
「親子2代で同じ絵本を一緒にたのしんでいます!」などのお声をいただいています。
このブログを読んだ方もぜひ、石井さんの絵本にまつわるエピソードをお聞かせください。
cooyon@crayonhouse.co.jp

さて、70年代生まれのわたしも、石井さんが携わられたたくさんの本を読んで育ちました。
そして、数ある作品のなかでも「これは読まなくては!」と思って読み逃していたのが、
50年ぶりに石井さんが改訳された『百まいのドレス』(2006年)です。

もとは『百まいのきもの』というタイトルでした。
写真の左は子どもの頃に読んでいたもので、1975年4月25日発行の12刷、380円!

百まいのドレス 『百まいのドレス』(写真右)
エレナー・エスティス/作
石井桃子/訳
岩波書店/刊
1,680円(税込)

このお話を読むたびに、ワンダをからかっていた少女たちのこころの変化にすなおに気持ちを重ね、その後のワンダがきっとすばらしい才能のつぼみを大事に育てたのではないかなぁなどと想像します。
改訳版もそれは変わりませんでした。

2冊を比べると、改訳の『百枚のドレス』は章立てがされていて、
ページ数も厚く装丁も異なります(表紙をはじめ絵が逆版になっているところがあります)。

出だしの文章も、言い回しや表現が違っていて、
百歳を目前にした石井さんが、すべての文章にあらたな息吹を吹き込まれたことに感銘を受けました。
改訳版のみに掲載の訳者のあとがきも必読です。

この連休中に旧訳、改訳両方を読み比べてみたいと思っています。