絵本がつくってくれた、父とわたしの「たのしい時間」
2008/6/11 水曜日 絵本つれづれ
こんにちは。大阪店子どもの本売場の面屋です。
今日は、パパとみんなで大笑いできる絵本
『じごくのそうべえ』をご紹介します。
『じごくのそうべえ』 たじまゆきひこ/作 童心社/刊 1,470円(税込) |
ふたごの甥っ子が4歳になった頃、あそびに来たわが家で、一緒にこの絵本を読んだ。
『じごくのそうべえ』では、鬼がおならをするページで笑いを爆発させるのを、いまかいまかと待ち、読み終わると、緊張の糸がほどけたようにフーッとため息をつく。
そんなようすを見ながら、
「どうしてあんなにも全身でお話に入っていけるのだろう?」
と聞いたわたしに、父が言った。「おまえもそうやった」と。
そうなのか……。
どんな本を読んでもらったかさっぱり覚えていないから、
そんなにお話に夢中になったことも覚えていない。
しかし、日常生活を絵本の一場面とリンクさせてみたり、
ものを擬人化して見てしまったりするわたしの習慣は、
もしかして昔読んでもらったお話が混ざり合い、
わたしの血となり肉となっているせいかもしれない。
かつての「たのしい時間」は、年月を経てなお、
数限りない余韻というおまけをくれる。
その種をまいてくれた「絵本」と「父」に、ありがとう!