■ひとりと1匹、おかしな画家コンビ
2015/11/19 木曜日 英語絵本こんにちは、ブッククラブの横山です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
11月の英語絵本「P3コース」でお届けした絵本を紹介します。
◆『Remy and Lulu』
Kevin Hawkes/作
Hannah E.Harrison/細密画
Alfred A.Knopf/刊
2,624円(税込)
ひとくちに絵画といっても、風景画や静物画、写真と見まちがうようなものから、
ひと目見ただけでは何が描いてあるのかわからないようなものまで
それぞれの魅力がありますよね。
独学で絵画を勉強した犬のルルが出会ったのは、
旅をしながら肖像画を描く画家のレミー。
「似せるのではなく、本質を描くんだ」と語る彼が描くのは
なんともワイルドな抽象画。
前衛的な作品はなかなか理解されず、毎日の食事にも困るありさまでしたが、
レミーの代わりにルルが描いた精密画が評判をよんで……。
レミーの大胆な絵画とルルの緻密な絵画。
まったくタイプの違う作品を描くふたりですが、
同じ画家としてお互いの作品を認め合う姿が
ちいさな仕草やかけることばからもひしひしと伝わってきます。
そんなレミーだからこそ、ルルの描く美しい色彩や精密なタッチに衝撃を受け
自信をなくしてしまいますが、
彼の絵がもつ魅力を思い出させるのもまたルルなのです!
アーティストらしく純粋で少し不器用なところも魅力的なレミーと
ちいさなからだでちょこちょこと筆を動かす犬のルル。
なんとも愛らしいひとりと1匹の画家コンビ、
彼らが描く作品も魅力的な一冊です。