ブッククラブから「犬」をめぐる2冊をご紹介!
2009/1/23 金曜日 英語絵本「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
1月の洋書「P2:じっくりコース」のご紹介です。
今月は、お得なペーパーバック版で2冊のお届けです。
★「好きだよ」は、言葉にしようね!★
『I’ll Always Love You』 翻訳版『ずーっとずっとだいすきだよ』 |
好きな相手に「どんなときでも君のこと好きだから」と伝えている?
と、問いかけるようなこの絵本、どきっとする読者もいるのでは。
愛犬エルフィーとともに育った主人公の少年は、
老犬になったエルフィーを見送ることになり悲しみますが、
そのときの救いが、「愛しているよ」ということばかけを毎日していたことでした。
幼い子どもたちと、愛する誰かとの永遠の別離について、
避けたり隠したりせずに語り合うきっかけになるでしょう。
1985年に出版され、25回も版を重ねた作品です。
子どもの頃、動物と暮らした経験があるひとなら、
共感する部分が多いのではないでしょうか。
文章よりもイラストによってストーリーが展開していく、まさしく「絵本」。
エルフィーが子犬のときのやんちゃな表情に思わずほほえみ、
晩年の弱々しく太った姿には、胸が痛んでしまいます。
ラストはひとまわり成長した主人公の姿に、こころがほっこりあたたまります。
★マドレーヌが大変! 助けてくれたのは……★
『Madeline’s Rescue』 ◇翻訳版『マドレーヌといぬ』 |
先月、P3コースで、ベーメルマンスのお孫さんが描いた最新刊
『Madeline and the Cats of Rome』を紹介したMadelineシリーズ。
1939年に最初の『Madeline』(英語では、マデラインと発音)が出版され、
アメリカの絵本界にフランスのエスプリと、新しい元気な女の子像をもたらしました。
本書はその続編で、1954年のコルディコット大賞受賞作です。
川に落ちたマドレーヌがノラ犬に救われ、
「いのちの恩人」の犬は寄宿舎でマドレーヌたちと暮らしはじめますが、
そこにひと騒動が……。
大胆で伸びやか、そして表情豊かな描線は、元気な主人公たちさながらです。
ダイナミックな動きのある線画。
ところどころに出てくるパリの街並みは細かい部分まで描き込まれていて、
見ればみるほどたのしい発見があり、ゆかいになります。
そして、文章はきれいに韻が踏まれていてリズミカル。
大人もたのしめるどこまでもオシャレな一冊です。
今月は、奇しくも「犬」をめぐるお話が2冊でした。
それぞれの作品の犬たちを見比べてみるのもきっとたのしいですよ。