■寮美千子さんが話してくださったこと。

クレヨンハウス出版の新刊, 絵本作家さん, イベント

21日(土)の「子どもの本の学校」のご報告、遅くなってしまいました!

今回は、小説、絵本……さまざまな作品を手がけられている、
作家・寮美千子さんにお越しいただきました。
テーマは、「詩が開いた心の扉 『空が青いから白をえらんだのです
奈良少年刑務所詩集』」。

お話は、奈良少年刑務所の更正教育の一環、社会性涵養プログラムにて、
詩と物語の授業をすることとなったきっかけからはじまりました。
奈良少年刑務所の建物に魅了され、訪れたその1年後、
受刑者である少年たちとの授業がはじまります。

どんなに「凶暴で悪いひと」たちがそこにいるのか……そして
どんな授業をしたらよいのか……と、あれこれ考えながら臨んだ授業。
詩を声に出して読み、歌い、物語の登場人物を演じ、詩を書く。
それが驚くほどに、少年たちのこころの扉を開いていったことを、
熱く語ってくださいました。

詩集の中の詩をいくつか読んでくださり、その詩の作者について、
そして、その詩を授業で発表したときのエピソードについて、
お話をしてくださったときは、会場の誰もが、
胸の奥からぐっと、込み上げてくるものがあったと思います。

詩との出会い、物語との出会い、そして、何よりも、寮さんと彼らの
出会いがもたらした変化。
出会いがもつ、力のすごさを感じました。

「彼らは、かならず変われます。そして、罪を償った彼らを受け入れる、
ひとと社会が必要なのです」
最後に、強くやさしい眼差しで、わたしたちに語りかけてくださいました。

空が青いから白をえらんだのです  奈良少年刑務所詩集
受刑者/詩
寮美千子/編
長崎出版/刊
1,575円(税込)

ぜひ、たくさんの方に手に取って読んでいただきたい一冊です。