■同じだけど違う……だからおもしろい!

英語絵本

こんにちは、ブッククラブの早崎です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から
11月の英語絵本「P1コース」と「P3コース」のご紹介です。

まずは「P1コース」。今月は2冊です。

★多文化社会アメリカの空気漂う一冊と、
大人も本気で笑えるユーモア絵本★
◆『Two Eggs, Please.
Sarah Weeks/文
Betsy Lewin/絵
Aladdin Paperbacks/刊
798円(税込)
★Mo Willemsの「Cat the Cat」シリーズ第1作★
◆『Cat the Cat, Who Is That?

Mo Willems/作
HarperCollins/刊
ハードカバー
1,097円(税込)

まずは「Two Eggs, Please.」。
食堂に動物客たちが軽食を食べに来店します。
最初にやってきたサイは目玉焼きを、
次にやってきたネズミは両面焼きの目玉焼きを注文します。
ペリカンはスクランブルエッグを、イヌはゆでたまご……と、
同じたまご料理ですが、調理方法はそれぞれ異なります。

実は本書、“same”だけれど“different”なところ
を残す、多文化社会アメリカを背景に描いた意欲作。
絵本ならではの試みです。
使われている英語もsameやdifferentなど、
簡単な単語ばかりなので初心者でも無理なくたのしめます。

もう一冊『Cat the Cat, Who Is That?』は、
人気絵本作家Mo Willemsによるもの。

「Who Is That?(あれはだれ)」と尋ねるナレーターに、
「Let’s find out!(誰だか見ていきましょう)」とネコ。
見ての通り表紙からすでにお話がはじまります。
ネズミ、アヒル、サカナとあいさつを交わすネコでしたが、
最後に見たこともない動物が……Who Is That?

そして「P3コース」。

★チーズのことは、ネズミのアナトールに聞け!★
Anatole
Eve Titus/文
Paul Galdone/絵
Alfred A. Knopf/刊
1,496円(税込)

パリ近郊に住むネズミのアナトールは、
ある日、人間たちがいかにネズミをきらっているかを知り、
大きな衝撃を受けます。
仲間は「まあ仕方ないさ」と言いますが、
アナトールはそんな気になれません。

尊厳を傷つけられたアナトールは、
ネズミにできる「社会貢献」を考えます。
やがてアナトールのある働きが、
経営不振のチーズメーカーを立て直すことに。
出版から55年、古典名作のひとつに数えられる絵本です。