■わかってほしい!末っ子の気持ち
2012/3/1 木曜日 英語絵本こんにちは。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から
英語絵本「P1コース」「P3コース」2月のご本を紹介します。
まずは「P1コース」、今月は2冊ご紹介します。
★ちいさなTitchが手にした「大きなもの」とは……★ |
◆『Titch』 Pat Hutchins/作 Aladdin Paperbacks/刊 698円(税込)翻訳版:『ティッチ』 いしいももこ/訳 福音館書店/刊 1,155円(税込) |
3人きょうだいの末っ子Titchは、ちいさな男の子。
姉のMaryと兄のPeteの3人で一緒にあそびますが、
Titchはいつも浮かない表情。
自転車や楽器など兄姉の持ちものは大きいのに、
自分の持ちものはすべてちいさいことに不平不満のTitch。
ある日ちいさな種を植えたら……。
私自身もTitchと同じ3人きょうだいの末っ子で、
ちいさい頃は大きさにこだわったり、
自分だけ損をしているような気持ちになったものです。
でも、ちいさくてもいつかは大きく育つことを、
ラストで見せる満面の笑顔のTitchが証明してくれます。
もう1冊は、『In a People House』。
★家の中には何があるの?★ |
◆『In a People House』 Dr.Seuss & Theo LeSieg/文 Roy McKie/絵 Random House/刊 898円(税込) |
人間の家の中を知り尽くしたネズミが、
トリに家の中を案内するお話です。
ネズミはトリにものの使い方を実演しながら説明します。
紙と鉛筆のつかい方や電話機のかけ方など、
ありとあらゆるものを勝手に使って
家の中は大変なことに!
アメリカでBeginner Booksとして人気の本作。
clock、table、telephoneなど、身近な単語がたくさん登場するので、
子どもと一緒に実際の家の中から同じものを探しても盛り上がりそうですね。
そして「P3コース」。
★曾じいさんは、みどりがお好き★ |
◆『Grandpa Green』 Lane Smith/作 Roaring Brook Press/刊 1,696円(税込) |
ポップでユーモラスな作風が特徴の個性派ベテランの新作です。
初のコルデコット・オナー賞受賞時には若者でしたが、
すっかりその作品に円熟味を感じる年代に。
そして今年、本作で2度目のコルデコット・オナー賞を受賞!
直訳で『みどりじいちゃん』という題の本書。
思わずじっと見入ってしまうトピアリー作品がたくさん登場します。
トピアリーとは園芸用語で庭木を彫刻的に仕立てたもののこと。
表紙のゾウがそのひとつ。
園芸好きでとくにトピアリーに凝っている曾祖父、
その生い立ちを彼の作品を追いながらひ孫が語ります。
色は黒のライン以外ほぼ緑づくし。
目が自然界のありとあらゆる緑に洗われるよう。
曾祖父への、そして木々への愛が静かに伝わります。