■忘れものひとつ。そこからうまれる想像力!

英語絵本

こんにちは、ブッククラブの早崎です。

「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から
3月の英語絵本「P1コース」と「P3コース」のご紹介です。

まずは「P1コース」、今月は2冊です。

★だれかの忘れものの帽子、そこから広がる想像の世界★
◆『Hat
Paul Hoppe/作
Bloomsbury/刊
1,512円(税込)

ある日、ヘンリーは公園で大きな帽子を拾います。
その帽子がとても気に入ったヘンリーは、
帽子の活用法を想像しはじめます。

ネズミとりやマジックの仕掛けにもうってつけだし、
逆さにすればボードやそり滑りにも使えると、
つぎつぎ想像を広げるヘンリーにおかあさんがひとこと。
「でも、帽子をなくしたひとは困るよね」

そこで、こんどは帽子をなくした持ち主に
起こりうることを想像しはじめたヘンリーは……。

ヘンリーの想像力の豊かさにも驚かされますが、
帽子があった場合となくした場合の対照的な想像もコミカルで笑えます。

そしてもう1冊は『Richard Scarry’s Cars and Trucks from A to Z』。

★リンゴ型が目を引く、アルファベット絵本★
◆『Richard Scarry’s Cars and Trucks from A to Z
Richard Scarry/作
Random House/刊
403円(税込)
※ボードブック版

てのひらサイズのリンゴ型が目を引く、
クレヨンハウス店頭でも人気のアルファベット絵本です。

「Apple car」「Bananamobile」「Crayon car」など、
アルファベット順に愉快なかたちの車がたくさん登場します。
なかには、クスッと笑ってしまうヘンテコな車も……。
乗りもの好きの子どもはもちろん、
アルファベットにはじめてふれる子どもにもオススメです。
そして「P3コース」。

★「古きよき時代」の真空パック、『サリーのこけももつみ』を原書で★
◆『Blueberries for Sal
Robert McCloskey/作
Viking Press/刊
1,814円(税込)

翻訳版:『サリーのこけももつみ』
石井桃子/訳
岩波書店/刊
1,785円(税込)

作者McCloskeyの娘Sally と妻をモデルにした本作。
作者いわく「クマ以外はほとんど本当」の物語です。
濃紺1色で描かれるペン画がなんとも魅力的です。

人間の親子とクマの親子が丘をはさんで、
それぞれブルーベリー摘みにいそしみます。
ところがそのうち、人間の子とクマの子が入れちがいに。
ママのうしろにクマの子、クマのうしろにサリーが……、
あれあれ、どうなる?

ある写真家の方の本に書かれていたことですが、
アラスカのクマは冬眠に備えブルーベリーを食べるらしく、
ブルーベリー摘みの途中で人間とクマが
ばったり遭遇することが実際にあるそうです。
サリーのように気づいたらクマのうしろに……なんてことも、
本当にあるかもしれませんね!