■「足るを知る」って大事です。
2012/7/12 木曜日
早崎 :ブッククラブ
英語絵本
こんにちは、ブッククラブの早崎です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から
7月の英語絵本「P1コース」と「P3コース」のご紹介です。
まずは「P1コース」。
◆『More』
I.C. Springman /文
Brian Lies/絵
Houghton Mifflin Harcourt/刊
1,767円(税込)
★『More(もっと)』という表題の、
「enough(足る)を知る」本。★
巣をこしらえたばかりで、何も持たないカササギが、
友だちのネズミからもらったビー玉を皮切りに、
ひとつまたひとつとものを巣に集めていきます。
止めどもなくものが増えていき、しまいには……。
カササギはちいさな光るものを集める習性があるそうです。
英語ではカササギをmagpieと呼び、
「がらくたを集めるひと」という意味も持ちます。
必要を満たすのに「充分な量(enough)」を知ることが本
書のテーマ。
「lots(たくさんの)」「a few(すこしの)」
「less(より少なく)」など、
年少者が理解できるよう英文も最小限。
量を表す形容詞のバリエーションは知っておくと便利ですよ。
そして「P3コース」。
翻訳版:『もりのこびとたち』
おおつかゆうぞう/訳
福音館書店/刊
1,365円(税込)
★スウェーデンの森に住む
ちいさなひとびとの物語★
森の奥、古いマツの木の根元に暮らす、
ちいさな一家の一年を描いた物語です。
文の比重がやや高く、絵は挿絵的。
そこがまた古典絵本らしく、趣があります。
季節の移り変わりを告げる草花や菌類、生きものなど、
洞察と詩情に満ちた美しい絵は眺めるだけでも和みます。
原書は1910年にスウェーデンで出版され、
本作は1982年の英語翻訳版です。
作者のベスコフも100年後の現在まで読み継がれているとは、
思いもしなかったのではないでしょうか。
これから100年先も読み継がれる一冊になると思います。 |