■青い洪水と、一面の銀世界!?

英語絵本 No Comments

こんにちは、ブッククラブの早崎です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から1月の英語絵本「P1コース」と「P3コース」のご紹介です。

まずは「P1コース」。

★絵から飛び出したニワトリが、
自分が描かれていた絵に絵具をこぼしてしまった!★
◆『Blue Chicken
Deborah Freedman/作
Viking/刊
1,613円(税込)

あと少しで完成という絵の中から、1羽のニワトリが飛び出てきます。
画家に代わって絵の仕上げを手伝うつもりが、
そこにあった絵具の壺を倒してしまったから、さあ大変!
絵具は紙にどんどん広がって、絵はみるみる青一色に染まってしまいます。

一方、絵の中では突然起きた絵具の洪水に、
ウシやネコたちどうぶつが絵具まみれになってしまい大騒ぎに! 
はたして、ニワトリは色を元に戻せるのでしょうか……。

建築士から絵本作家に転身した作者。
絵本の中に描かれた「絵の絵」は平面的に、
そこから飛び出したニワトリなどは立体的にと、
一画面で絵の描き分けができる凄腕の持ち主です。
全ページ2行程度の英文で、絵からストーリーが理解できるので、
英語が苦手なひとにこそ読んでほしい一冊です。

そして「P3コース」。

★ちいさな町の詩情あふれる
雪景色を描いた古典的名作★
◆『White Snow, Bright Snow
Alvin Tresselt/文
Roger Duvoisin/絵
HarperCollins/刊
1,814円(税込)

翻訳版:『しろいゆきあかるいゆき』
えくにかおり/訳
BL出版/刊
1,323円(税込)

本書は1947年に刊行され、
その翌年にアメリカで最もすぐれた子どもの本に贈られるコルデコット大賞を受賞します。
本が子どもの理解力、能力、鑑賞力に敬意を払っているかといった、
厳しい選考基準のもとに選ばれただけあって、
65年たったいまも読み継がれる超ロングセラーです。

静かな夜にちいさな町でそっと雪が降りはじめます。
大人は雪に備え、子どもは雪に大はしゃぎ。
雪は降り積もり、夜が明けると一面に広がる銀世界!

雪の前ぶれから、雪が降るようす、そして雪解けまでを、
ひとびとの暮らしを通して描かれています。
詩情あふれる絵と文に読後は余韻に浸ってしまいます。
何度読んでも穏やかな気持ちになれる絵本です。

■『ひめねずみとガラスのストーブ』原画展

クレヨンハウス出版の新刊, イベント No Comments

東京でも初雪が降りました。
寒い日にはおうちで絵本を読む時間も、
いつもよりちょっとゆったり過ごせそうですね。

クレヨンハウス東京店で原画展を開催中(1月31日まで)の
『ひめねずみとガラスのストーブ』も寒い季節にぴったりの絵本。

ひめねずみとガラスのストーブ
安房直子/作 降矢なな/絵 小学館/刊
1,575円

安房直子さんの幻想的なお話に、降矢ななさんの絵がさらに奥行きを与えています。

今回は降矢さんに選んでいただいた8枚の原画を展示しています。
お話の世界の中に吸い込まれてしまいそうになる、
不思議な魅力あふれる絵をどうぞじっくりご覧ください。

himenezumi1.jpg

(↑クリックで拡大します)

そして絵本には、降矢さん直筆のかわいらしいねずみの
イラスト入りサインカードつきで販売中!
サインカードは数に限りがありますのでお早目にどうぞ。eショップでも販売中です!

>クレヨンハウスのeショップ
【降矢ななさんサインカード付き】ひめねずみとガラスのストーブ

■絵本はじめは『コルチャック先生』でした。

絵本つれづれ No Comments

こんにちは、編集部の吉原です。

原発問題をはじめ、大きな課題を抱えた2012年ですが、
あらためて、いま大人として生きる責任に背筋が伸びるこのごろです。

……と思うのも、柳田邦男さんにサインしていただいた
『コルチャック先生』を読み直したせいかもしれません。
ナチス占領下のポーランドで、ユダヤ人孤児たちを守ろうとしたコルチャック先生。
その物語が今年の「絵本はじめ」でした。
1年を占うようで(?)、ますます身の引き締まる思いです!

先日7日(土)、「原発とエネルギーを学ぶ朝の教室」の講師が柳田邦男さんでした。
福島原発事故について、政府の事故調査・検証委員会のメンバーでもある柳田さん。
「想定外」という無責任さを、さまざまな事実から伝えてくれました。

柳田さんのサインにはこんなことばが添えてあります。

「この大変な時代に すべての子らを
まるごと抱きしめる 大きな愛を!」

コルチャック先生の物語と「いま」を、強く結ぶことばです。


コルチャック先生 子どもの権利条約の父
トメク・ボガツキ/柵 柳田邦男/訳 講談社/刊 1,680円