2007/11/1 木曜日
近藤 :東京店
絵本作家さん
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みなさんエクトル・シエラさんをご存知でしょうか?
コロンビア生まれの作家・詩人。
旧ソ連で映画を研究され、94年から来日し、日大の芸術学部で研究をされた方です。
シエラさんは、ユーゴスラビア・コソボ自治州を訪れた際にNATO空爆に遭遇。
「一介の芸術家でもできることがあるはずだ」と、NGO「国境なきアーティストたち」を設立されました。
シエラさんのはじめての絵本は、『あの日のことをかきました』です。
この作品でシエラさんはニューヨークとアフガニスタンの子どもたちの
こころがそのまま反映されたような絵を一冊の絵本としてまとめ、
日本のわたしたちに届けてくれました。
それは、まさしく子どもたちに人為的な国境はなく、
ただただ生まれた土地を愛したい、平和に生きたいということが伝わってくる絵本で
した。
あたりまえすぎて忘れそうになってしまいそうなことだけど、
こんな大切なことを声高にではなく静かに伝えてくれる大切な絵本をシエラさんは作ってくれたなぁと思いました。
そんなシエラさんですが、お店にときどき遊びに来てくれます。
先日にご来店された際は、この夏に出された絵本『だっこして』について話をしてくれました。
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『だっこして』
エクトラ・シエラ/文
村上康成/絵
佼成出版/刊 1,365円(税込) |
あかちゃんたこが、おかあさんたこに、「だっこしてだっこして」とねだるのですが
おかあさんはいつでもそれにこたえてだっこしてあげます。
「あとで」とか「いまはちょっと」とか「ふぅ」とかいいません。
だって足が8本もあるから便利なんです!
村上康成さんの絵とあいまってあかちゃんたこの愛らしさが格別な絵本です。
「すてきな絵本ですね」と伝えたところ、
「本当はもっともっとたくさん絵本がつくりたいなぁ。でもなかなか難しいよ!いろいろアイディアはあるけど。もっと営業活動しないとねっ!」
と茶目っ気たっぷりな表情で話してくれました。
その平和を尊ぶ視点で、さまざまな分野で活躍されるシエラさん。
またまた素敵な絵本を作ってくれることをこころより待っていますよー
と、応援のエールをおくりたい気持ちでいっぱいです。
こちらもシエラさんのすばらしい作品です。
↓
なかなかうまく鳴けないカエルは、考えすぎてしまってみんなのまえで鳴けません。
でもね、だいじょうぶ。自分の声でそのまま鳴けば伝わるんだよ!
はじめて日本きたとき、まったく日本語がはなせなかったシエラさんの実体験が
もとになっているそうです
2007/10/30 火曜日
山本 :子どもの本売り場
絵本作家さん, イベント
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賑やかな大阪店の秋の一日をご紹介します。
この日は、『あっちゃんあがつく』の作者・さいとうしのぶさんの「絵本づくり講座」を行いました。
今回で3度めになるのですが、毎回思うことは、さいとうさんがキュートな笑顔で話しなじめると、穏やかな時間が流れ始め、いつのまにかみんなが楽しい気分になっちゃう!?そんな気がします。
今回はちょっと不思議なしかけ絵本をつくりました。
色がついていない絵が、紙でつくった枠から引っ張り出すと、色がついちゃうという手品のような絵本。さいとうさんの指導のもと、おとなも子どもも関係なく、みんな真剣でした。
読む楽しさ、見る楽しさ、つくる楽しさ、ひとりでも楽しめるし、大人数でも楽しめる、絵本の楽しみってかぎりないなーとつくづく思います。
* * *
ちょうど講座が行われているときに、恐竜絵本でご活躍の黒川みつひろさんがふらりと立ち寄ってくださいました。(ご自身のブログの「書店訪問」のところに大阪店のことを書いてくださるとか。)
絵本の売り場をご覧になられていたかと思えば、足を止めてじっくり眺めておられたのが、パペットコーナーの「ティラノサウルス」。
なんだかうれしくなって、思わず「写真を撮らせていただいていもいいですか?」とお願いしてしまいました。
その後も、常に読者のことを頭に置きながら、決して手を抜かない絵本づくりへの熱い思いを聞かせていただきました。
この日は、お店でもかぼちゃのパンをたくさん販売したり、麩(ふ)菓子を試食販売したり、たのしさてんこもりの一日でした。
2007/10/29 月曜日
近藤 :東京店
絵本つれづれ, 絵本作家さん
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先日、お店に遊びに来てくれたのはtuperatuperaさんのおふたりです!
(写真をぱちりととらせてもらいました)
おふたりのことは、いろんな雑誌で目にすることも多いのではないでしょうか?
いま絵本をはじめ、雑貨や、立体作品などなど、多方面で活躍するユニットです。
tuperatuperaさんにはじめてお会いしたのは、おそらく3年前の
「夏の学校」のときだったと思います。
そのときの講師の五味太郎さんワークショップのお手伝いとして来てくれた二人は、
そのあとに立て続けに独特の色彩とユーモアにあふれる作品を出して、
わたしたちを喜ばしてくれました。
その色や形が、きれいでかわいいのは彼らの第一の特徴なのですが、
なんといってもぼくはそのユーモアに味があって惹かれてしまいます。
tuperatuperaさんのユーモアの質は、おふたりの性格そのまま反映されているのか、
とてもあかるくて、からりとしているようなんです。
風通しがいいというか、湿気がないというか。
だから読んでいるとこころも一緒に軽くなって、笑いたくなってしまいます。
お店に遊びに来るたびに、楽しそうに、今作っている作品のことや
興味をもっていることを話してくれるtuperatuperaさん。
次の作品が店頭に届く日をたのしみに待っていますね!
tuperatuperaさんの絵本です。
↓
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『12の星のものがたり』
tuperatupera/作
ソニー・マガジンズ/刊
1,470円(税込) |
登場するのは12星座。12のギリシャ神話をかんたんなテンポの
いい語り口でかたります。あざやかな色彩は迫力満点で、古代の神々が
まるで動いているかのよう。 |
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『つくってみよう!へんてこピープル』
tuperatupera/作
理論社/刊
1,680円(税込) |
こんなへんてこな工作本はみたことがなかったです!
新聞紙やあきびんやビニール袋など身近なものをつかって
できあがるのは、「へんてこピープル」。
世界でいちばんへんてこなお人形を作ってくださいね! |
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『しましまじま』
tuperatupera/作
ブロンズ新社/刊
1,575円(税込) |
しましまじまは、なにもかもが、しましまの島です。
草も、木も、花も。人びとも。そんな島でひらかれたのは
「しましまじまんたいかい」です!tuperatuperaさんが描くしましまは
眺めているだけで楽しい気持ちになってきます。 |
tuperatuperaさんのHPです。
http://www.tupera-tupera.com/
2007/9/29 土曜日
近藤 :東京店
絵本つれづれ, 絵本作家さん
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『ぷかぷか』
石井聖岳/作
ゴブリン書房/刊
1,470円(税込) |
この本で、読者をかならず脱力させてしまうという、ただならぬ「のんびり感」を描いた石井聖岳さん。
先日、近くで新作の打ち合わせがあるらしく、そのさいにお店にふらりと寄ってくださいました。
ちょっと立ち話をしていたのですが、それにしても絵本と同様ご本人にも、とてものんびりした雰囲気が漂っているのを感じて、おもわず
「石井さんって普段はどんな生活をおくっているんですか?」と聞いてみたところ、なんだか照れたように
「・・・起きてからぼんやりして・・・すこし・・・3時間ぐらい絵を描いて、・・・あとはパソコンしたり、ゲームをしたり、散歩をしたり、ぼんやりしたり・・・なんにもしていないんですよねぇ。だめですよねぇ」とおっしゃいました。
その答えに思わず笑ってしまったのですが、まさしくあの作品の雰囲気は、この力まない生活態度からうまれるのだ、と妙に納得してしまいました。
石井さん、新作も期待していますね!!
2007/9/28 金曜日
近藤 :東京店
絵本作家さん
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先日、ふらりとお店にやってきたのは小野明さん。
そのユーモアと知性と真剣さが同居した文章からにじみ出る絵本への熱烈な愛情。絵本の企画・編集・デザインなどで幅広く活躍され絵本ワークショップ「あとさき塾」などで多くの絵本作家を育てたり・・・その多岐に渡る活動などを尊敬してるので、小野さんがお店にいらっしゃるとうれしくなってしまいます。
小野さんの文章はとにかく絵本への愛情があふれているうえに刺激たっぷりなので本当に好きなのですが、とくに長新太さんに関する文章は大好きです。
もう去年の話ですが雑誌「飛ぶ教室2006年秋号」の中に書かれた小野明さんの文章
~「こんな」人の『そうげん』について~も本当にスリリングで面白かったです。
内容は、なんとあの長新太さんの『ちへいせんのみえるところ』と相似形の絵本『そうげん』が存在していた!!というお話です。(ページをめくるたびに添えられているのはあの『ちへいせん~』の逆で「でません」ということばらしいですよー。なんてすごい。)
『ちへいせん~』と同時発売される予定だったけど、結局出版に至らなかったのは、そのすばらしすぎるナンセンスさゆえでしょうか?
あまりにもこの原稿が好きだったので小野明さんがいらっしゃったときに、
「とてもたのしく読ませていただきました。いちどでもいいからみたかったです」
と伝えたところ、小野さんはいつもの穏かな笑顔で「すみません」とひとことおっしゃいました。不思議なトーンでひとこと「すみません」と。
いまあの「すみません」の意味をぼんやりと考えています。
あの 「すみません」の意味はなんだったんだのでしょうか?
(意味もなくとっさにでた挨拶的なことばとしての)「すみません」
(自分だけが長さんの未発表の絵本を楽しんで)「すみません」
いろいろ考えられるますが、おそらく長新太さんの絵本を愛してやまない小野明さんのことだから、あの「すみません」は「(このような絵本を出版できなくて編集者として)すみません・・・」だったような気がします。
「飛ぶ教室」の文章の最後を、
~『そうげん』だって、子どもに受け渡すことのできる、まぎれもない傑作であると、私はほんきで思う~
と、しめくるる小野さんのことですから。
ネット上で読める小野明さんの絵本紹介もありますよ!(世界各地の代表的な絵本を紹介しています)
http://www.bel-japon.com/library/book/vol09-prof.html
2007/9/27 木曜日
吉原 :編集部
絵本作家さん, クレヨンハウス出版の絵本
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久しぶりに谷川俊太郎さんの朗読を拝聴しました。
先週末、詩人のぱくきょんみさんが主催する絵本講座で、谷川さんが講師の回にお邪魔したのです。
会場は、四谷アート・ステュディウム。
ぱくさんのお連れ合いで、現代美術家の岡崎乾二郎さんが講師をされている学校です。
谷川さん&岡崎さんといえば……『ぽぱーぺぽぴぱっぷ』です。
クレヨンハウスの「あかちゃんから絵本」シリーズのなかでも、最近また人気上昇中。
アートディレクターの佐藤可士和さんご夫妻が、週刊誌でお子さんのお気に入り絵本として紹介くださったりと、そんな影響もあるのでしょうか。
ともあれ、「谷川先生」のもと、受講生の方がその『ぽぱーぺぽぴぱっぷ』を読んでくださいましたが、担当編集者のワタクシなどよりずっとお上手でした……。キャー。
谷川さんも、これを読むとつっかえるとおっしゃっていたので、まあいいか??
同じシリーズの『んぐまーま』を谷川俊太郎さんが読んでくださったのも、すばらしかったです。
あかちゃんの喃語のような、音としてのことば。
気持ちいいんですよ、これが。
『ぽぱーぺぽぴぱっぷ』
おかざきけんじろう/絵
谷川俊太郎/文
クレヨンハウス/刊
1,050円
2007/8/12 日曜日
絵本town
絵本作家さん, クレヨンハウス出版の絵本
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7月にオリジナルの絵本新刊がぞくぞく続いています。
これまでいろいろな絵本を刊行してきたクレヨンハウス。
でも今回の、谷川俊太郎さん”あかちゃんから絵本”シリーズ新作は、
「えっ?」
ハっとしてドキっとする、秀逸なコラボレーションなのです。
タイトル「すーびょーるーみゅー」。機械好き、工作好きという谷川俊太郎さんと、ナンセンスでアナログな電機製品アートを次々と生み出している「明和電機」の土佐信道さん。
(↑土佐さんが描いてくださいました)
・・この空気感。右下の「マル社」は土佐さん(明和電機社長)のサインですね。すてきですね。たまりませんね。(たんにファンなのです)
さらに・・この絵を模した「谷川さん(?)」に着て頂いているのが「すーびょーるーみゅー オリジナルTシャツ」。
これを着たなら、メカニック・ロマン(造語)な夢を見られそう、ではないですか?
おなじくオリジナルのバッチとともに、クレヨンハウス店頭で大好評なのです。
ちなみに、「クレヨンハウス夏の学校2007」では、土佐さんと受講生4人で絵本『すーびょーるーみゅー』ライブが実現!音楽と映像にあわせて絵本を朗読して摩訶不思議な世界が誕生しました。
★上でご紹介した「すーびょーるーみゅー」オリジナルTシャツは、
こちらからご購入いただけます>>