■M.W.ブラウンから時空を超えた贈りもの

英語絵本 No Comments

こんにちは。ブッククラブの早崎です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から
英語絵本P3コースで7月にお届けする絵本を紹介します。

「P3コース」
◆『Goodnight Songs
Margaret Wise Brown/文
Jonathan Bean、Renata Liwskaほか/絵
Sterling/刊
2,624円(税込)
*CD付き

★夜を主題にした詩を12編★

作者のM・W・ブラウンは米国を代表する国民的絵本作家です。
代表作のひとつ『Goodnight Moon』(邦題『おやすみなさいおつきさま』)は、
60年以上読み継がれ、いまでもたくさんの子どもたちに親しまれています。

1952年、42歳の若さで亡くなったブラウン、
作品はすでに出尽くしたと思われていました。
ところが1990年代、ブラウンの妹が保管していたトランクから、
未発表の原稿が編集者によって発見されます。
その多くは子ども向けの詩だったそうです。
まるで時空を超えたブラウンからの贈りものみたいですね。

本書ではその中から選りすぐった、夜を主題にした詩12編が収められています。
挿し絵は12人の人気イラストレーターが1編ごとに担当。
さらに付属のCDでは、詩に合わせてつくられた歌を収録。
男女ツインボーカルの紡ぎ出す美しいハーモニーが、
ブラウンの詩の世界をよりいっそう広げてくれます。

CDを聞きながら絵本を開けば、いつの間にか夢の中……
なんてこともありそうですね。
寝苦しい夏の夜のおともにいかがでしょうか。

■英語のお手紙から、読み取れる気持ち

英語絵本 No Comments

こんにちは。ブッククラブの早崎です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から
英語絵本P3コースで6月にお届けする絵本を紹介します。
今月は『リディアのガーデニング』で注目を集めた作者による、
日本未翻訳の絵本です。ファンの方必見ですよ!

「P3コース」
◆『The Quiet Place
Sarah Stewart/文
David Small /絵
Farrar Straus Girouxr/刊
2,479 円(税込)

★12通の手紙で綴る物語★

1957年のアメリカを舞台に、
メキシコから移住してきた主人公の半年間を追った一冊です。
物語は主人公から叔母さんに送った手紙だけで構成されています。

主人公のイザベルはアメリカへの引っ越しをきっかけに、
故郷に住むルピタ叔母さんと文通をはじめます。
母国のスペイン語を使わず英語を駆使して、
新しい国でのできごとや心境を書き綴るイザベル。
短い手紙ながらも期待と不安がひしひしと伝わってきます。
やがて、新しいことばが増えていくのと同時に、
イザベルにも新しい世界が少しずつ広がっていって……。

故郷を離れ一家でアメリカに移住することは、
並々ならぬ覚悟が必要だったことでしょう。
実際に1950年代はアメリカを目指す移民が多かったようです。
ことばも文化も違う環境の中で暮らしはじめたイザベルにとって、
叔母との文通はこころの支えであったに違いありません。
物語の最後に見せるイザベルの笑顔が、清々しい読後感もたらし
てくれます。

■やんちゃな愛犬、叱るときは何て呼ぶ?

英語絵本 No Comments

こんにちは、ブッククラブの横山です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
6月の英語絵本「P1コース」でお届けした絵本を紹介します。

◆『Good Boy, Fergus!
David Shannon/作
Blue Sky Press/刊
2,479円(税込)

翻訳版:『いいこだ、ファーガス!
小川仁央/訳
評論社/刊 
1,404円(税込)

★やんちゃな愛犬との楽しい毎日★

あなたは犬派ですか? それとも猫派?
今回は猫派のみなさんにも気に入っていただけそうな
やんちゃな子犬、ファーガスの絵本をご紹介します。

ホワイトテリアの子犬、ファーガスはやんちゃ盛り。
猫を見つけては飛び出し、オートバイを見つけては吠えかかり、
植木鉢をひっくり返して泥だらけになって人間の食事をねだる。
そのたびに、ファーガスと暮らす男性は、怒ったりなだめたりと大忙しです。

よく、猫は気まぐれで犬は従順なんて言いますが、
いたずらばかりでやりたい放題のファーガスは、
ひとを振りまわすだけ振りまわして素知らぬ顔です。
それでも不思議とこの絵本の男性、まんざらではないようす。
たしかに、あんなにキラキラした無邪気な瞳で期待を向けられては、
甘やかしてはいけないと思いつつも、
ついなんでも言うことを聞いてあげたくなってしまいますね。

さて、その「Fergus」ですが、
作中では場面によって「Fergie」「Ferg」「Mr.F」などと呼ばれています。
翻訳版「いいこだ、ファーガス!」を見てみると、
それぞれ「ファーくん」「ファー」などと訳されています。
そんな呼び方ひとつとっても深い愛情を感じますね。
原書版を読む時には、甘やかしたりなだめたり、ときには本気で怒ったり、
それぞれの調子をつけて愛犬ファーガスに呼びかけてみてください。

ぜひ、ファーガスとの楽しい毎日を絵本の中で満喫してくださいね。

■恐竜をお茶会に招待すると……?

英語絵本 No Comments

こんにちは。ブッククラブの高橋です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
英語絵本P2コースで6月にお届けする絵本を紹介します。
今月は、ある特別なゲストを招いたお茶会のお話です。

★お茶会に招かれた特別なゲストとは?★

◆『Tea Rex
Molly Idle/作
Viking/刊
2,479円(税込)

コーデリアは、特別な友人をお茶会に招待しました。
そのゲストとは、なんと恐竜。
大きなからだを応接室へ招き入れるだけでもひと苦労。
着席してもらうと、世間話をたのしみます。
でも、興奮すると吠えてしまうこともあるので、ご用心。
軽食を出すときには、好みを配慮しないと
ほかのゲストを食べかねません。
そして、いよいよお待ちかねのお茶。
ここでも、恐竜のマナーには目を見張るものがあり……。
さて、主催者のコーデリアがとった対応は?

封印の押された招待状に、ドレスアップしたゲスト。
決められたルールのなかで進められていく、優雅なお茶会。
フォーマルなお茶会を舞台にしながらも、古めかしさを感じないのは
テンポのよいユーモアあふれるストーリー展開と
恐竜と友達になってしまうほど、自由闊達な少女
コーデリアが主人公だからでしょうか。

作者のIdleさんは、
『シュレック』などの映画製作会社・ドリームワークスのアニメスタジオ勤務のあと、
絵本作家になられたそう。
クラシカルな要素と、現代の要素がうまく融合しているのも、
なんだか納得してしまいます。
やわらかな色づかいと、動きのある絵でつづられた現代のファンタジー。
ぜひ、お茶とともにたのしんでくださいね。

■鳥たちと、Up,Tall,Highの違いをたのしんで!

英語絵本 No Comments

こんにちは、ブッククラブの横山です。

「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
5月の英語絵本「P1コース」でお届けした絵本を紹介します。

今回は、なんともユーモアいっぱいの鳥たちの絵本です。
実はこの絵本、ちょっとした仕掛けがあるのもうれしいところです。

◆『UP,TALL AND HIGH!
Ethan Long/作
Putnam/刊
2,333円(税込)★鳥たちのユーモラスな競い合い★

ひと口に「鳥」といっても、
手のひらに収まってしまうほどの小鳥からダチョウのような大きな鳥まで、
実にさまざまな種類がありますね。
空を高く飛んだり地面を走ったりと、その特徴もいろいろ。

そんな鳥たちが、
「わたしは背が高いよ!」「高くまで飛べるよ!」「高いところにいるよ!」
とそれぞれ自慢げに言い出します。
わたしのほうがもっと……と次々に新しい鳥が登場して
くらべあいっこになっていくのですが、
このやりとり、どこかで見覚えが……。

人間の子どもたちも、よくこんなやりとりをしていますね。
とくに、自分よりも大きな鳥がやってきたときに
いちばんちいさな鳥が言うひとことときたら!
ぜひ実物で読んでみてくださいね。
鳥たちのコミカルな表情に、ますます親近感が湧いてしまうはずです。

こちらの本は、いちばん初級向のP1コースなので
お話自体は短く、文章もすべてセリフです。
テンポよいセリフがぽんぽんと展開していくのも気持ちいいので、
英語絵本初心者やちいさな子にもたのしめそう。
そして、何か所かページにしかけがあり、
簡単なしかけながらもお話のアクセントとして盛り上げてくれます。

「Up」「Tall」「High」の三つの単語がテーマになったストーリーが3本。
それぞれ高さを表す単語ですが、英語ならではの表現の違いもおたのしみください。

■シルベスターはどうやって魔法を解いた?

英語絵本 No Comments

こんにちは、ブッククラブの早崎です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
英語絵本P3コースで5月にお届けする絵本を紹介します。

「P3コース」
◆『Sylvester and the Magic Pebble
William Steig/作
Simon & Schuster/刊
2,624円(税込)

翻訳版:『ロバのシルベスターとまほうの小石
せたていじ/訳
評論社/刊 
1,404円(税込)

★ロバにかかった魔法とは?★

ロバのシルベスターの趣味は、かわった形や色の小石を集めること。
ある日、シルベスターはひょんなことから魔法の小石を拾います。
ところが喜ぶのもつかの間、シルベスターに悲劇が襲います。
なんとその帰宅途中、ライオンに出会ってしまったのです!
思わずあわててしまったシルベスターは、
「I wish I were a rock(岩になりたい!)」と願ってしまい、
小石の魔法で岩に変身してしまいます。
ライオンから身を守ることはできたものの、元の姿に戻れなくなり……。

自分が岩になってしまうなんて、想像しただけでゾッとしませんか?
元に戻るには小石にさわって願いごとを唱えなければならないのに、
手も足も、声も出ないのですから!
はたしてシルベスターにかけられた魔法は解けるのでしょうか!?

魔法は使い方次第で、幸せにも不幸にもなります。
みなさんも魔法の小石を拾ったら、慎重に扱ってくださいね!

■朝がツライあなたへ!

英語絵本 No Comments

こんにちは。ブッククラブの高橋です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
英語絵本P2コースで5月にお届けする絵本を紹介します。

みなさんは、朝ちゃんと起きれていますか。
朝起きるのってホントにつらいですよね。
今月は、一日のはじまりを応援してくれる
そんな内容の絵本をお届けします。

★目覚めの一冊にぴったり!★

◆『Waking Up Is Hard to Do ※CD付き
Neil Sedaka/文
Daniel Miyares/絵
Imagine/刊
2,624円(税込)

朝がやってきた。
起きるのはつらいけど、嘆かないで、ヘコまないで
笑顔になろう。
起きるのは本当につらいけど、眠気をはらって、
からだを伸ばし、しゃんとしよう。
外では、鳥がさえずってるし、花も咲こうとしているよ。
さぁ、夢はそこまで。
起きて一日をはじめよう。作者は、歌手でピアニストで作曲家のNeil Sedakaさん。
自身のヒット曲『Breaking Up Is Hard to Do』を
お孫さんのために替え歌にアレンジし、本作が生まれたのだそうです。そしてイラストレーターのDaniel Miyaresさんの
ポップでヴィヴィッドな絵により
朝の日常が、たのしい絵本になりました。

Neilさん本人がうたう歌のCDもついています。
軽快な曲に合わせて一緒にうたえば
朝のユーウツも、吹き飛んでいってくれそうです。

■赤い帽子に青いコートのくまといえば……

英語絵本 No Comments

こんにちは、ブッククラブの早崎です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
英語絵本P3コースで4月にお届けする絵本を紹介します。

「P3コース」
◆『Paddington
Michael Bond/文
R.W. Alley/絵
HarperCollins/刊
2,624円(税込)

翻訳版:『クマのパディントン
木坂涼/訳
理論社/刊
1,296円(税込)

★人気の名作が、絵本になって登場!★

みなさんはクマのキャラクターと聞いて、真っ先に思い浮かぶのは何でしょうか。
くまモン? それともくまのプーさん?
わたしが真っ先に浮かぶのはパディントンです。
パディントンはイギリスの児童文学作品に登場するクマのキャラクターです。
本を読んだことのない方も、ブルーのダッフルコートを着たクマをご存じでは?
本書はその原作をもとにした絵本シリーズで、
クマのパディントンの魅力がたっぷり詰まった一冊です。

「このクマの面倒をみてください」と書かれた名札をさげ、
駅に座り込むクマを見つけたブラウン夫妻は、
ひょんなことからクマを家族として迎え入れることになります。
南米ペルーからやってきたそのクマにパディントンと名付け、自宅に連れ帰りますが、
おっちょこちょいなパディントンは行く先々で騒動を引き起してしまいます。

パディントンのユーモラスで大胆な失敗に、
ドキドキしながらも思わずふふっと笑わせられます。
失敗を叱らず、パディントンをあたかかく見守る
ブラウンさん一家の懐の深さにもぜひご注目を!

■今月は話題の1冊!

英語絵本 No Comments

こんにちは。ブッククラブの高橋です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
英語絵本P2コースで4月にお届けする絵本を紹介します。

今月は、作者のJon Klassenさんが、東京店にいらしてくださったことで話題の
I Want My Hat Back』をお届けします。

★クマの帽子を持ち去ったのはだれ?★

◆『I Want My Hat Back
Jon Klassen/作
Candlewick Press/刊
2,333円(税込)

<翻訳版>
どこいったん
長谷川義史/訳
クレヨンハウス/刊
1,620円(税込)

帽子をなくしたクマが、森の住人一人ひとりにたずねてまわります。
「ぼくの帽子、見なかった?」
でも、キツネもウサギもカメも、ほかの動物たちも
みんな「知らない」と、言います。
このまま見つからなかったらどうしよう……?
探し疲れて、落ち込むクマ。
ところが、ふとあることに思いあたります。
さぁ、大事な帽子は見つかるのでしょうか。

同じパターンのくり返しが続く静的な前半が、
クマの気付きを境目に一転。
そこから、動きのある後半へと、目まぐるしく変わります。
このテンポの切替えと、全編会話だけという構成は
アニメーション的なおもしろさにあふれています。
アニメーターとして活躍されていたJonさんならでは、ですね。

絵本の中では、ちょっととぼけた、かわいらしい存在に描かれることの多いクマ。
つい忘れがちですが、クマってじつは猛獣なんですよね。
この本には、そんな事実を思い起こさせてくれる要素も入っていますよ。

Jonさんが大好きだという“帽子”をめぐる、もうひとつのお話
This Is Not My Hat』(翻訳版『ちがうねん』)も
ゼヒあわせておたのしみくださいね。

■新生活でヘコんでいるだれかさんへ!

英語絵本 No Comments

こんにちは、ブッククラブの横山です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
4月の英語絵本「P1コース」でお届けする絵本を紹介します。

◆『Sing (CD付き)
Joe Raposo/詩
Tom Lichtenheld/絵
Henry Holt & Company/刊
2,479円(税込)

★きっと背中を押してくれる歌声が……★

春になると、ふと聞こえてくる小鳥のさえずりがうれしいものですね。
そんな季節にぴったりの絵本です。

日本では春のはじめに、さえずりを練習するうぐいすの声を聞くことも多いですが、
この絵本の主人公もまだじょうずにうたえない小鳥。
きょうだいたちは歌を覚えて次々に巣立っていきますが、
ひとりきり残された小鳥はしょんぼりと落ち込んでしまいます。
なんど試してもうまくいかず、声を出すこともいやになってしまったそのとき、歌声が……。

春はスタートの季節とも言いますが、新生活には不安はつきもの。
慣れない生活やうまくできないことに自信をなくし、
ときには絵本の小鳥のようにしょんぼりと動き出せなくなってしまうことも……。
それでも思いもよらぬ何かに背中を押されて、広い世界に飛び立つこともできるのです。
そんなポジティブなメッセージの込められたこの絵本、
新生活を迎えた方へのプレゼントとしてもよろこばれるのではないでしょうか。

また、作中に登場する歌がCDとして付属しています。
曲を手掛けたジョー・ラポソさんは、TV番組『セサミ・ストリート』のテーマソングでもおなじみの方。
ぜひ一緒にうたってみてくださいね。

« Previous Entries Next Entries »