大道あやさん展に感動したひとへ。

絵本つれづれ, 絵本作家さん No Comments

渋谷区の松濤美術館で開催されていた展覧会に行って以来、
あらためて、大道あやさんの絵本に手が伸びるこの頃です。

いま手に入る大道さんの作品は少なめですが、
『あたごの浦』などは、何度読んでもフフッと笑ってしまいます。
展覧会ではその原画も展示されていましたが、
人間以外の生きものとも、まごころで通じ合っていた大道さんだからこそ、
あたたかいおかしみのある絵を描けたのだなあと、しみじみ思いました。

あたごの浦 『あたごの浦-讃岐のおはなし』
脇和子・明子/再話
大道あや/画
福音館書店/刊
780円(税込)

実は、会場で「あっ!」と声をあげそうになった絵がありました。
「ヘビのはなし」と題された3枚の絵。
これは、わたしたちクレヨンハウスの雑誌「月刊 音楽広場」(「クーヨン」の前身です)に掲載された作品でした。

以前、編集部に原画が保管されていた頃、拝見していたので、
こうしてたくさんのひとの目にふれること、うれしく思いました。

大道さんを訪ねて、広島のご自宅へ伺ったことがあります。
ちょうど『ヒロシマに原爆がおとされたとき』が出た頃で、
そのときにお聞きしたお話は、
『クレヨンハウス 絵本スクール』に掲載されています。

ヒロシマに原爆がおとされたとき 『ヒロシマに原爆がおとされたとき』
大道あや/作
ポプラ社/刊
1,733円(税込)

「わたしはね、子どもの本には、人間を出さないで、動物を出しとんの。
人間を描くのは難しいけど、犬や猫を描けば、それが人間にも通じるんですね。
動物をかわいがるこころは、平和に通じますよ」

そうおっしゃっていた、大道さん。
大道さんの絵にこころ震えたみなさんに、ぜひ読んでほしいなあと思って、
ご紹介させていただきます。

クレヨンハウス 絵本スクール 『クレヨンハウス 絵本スクール』
クレヨンハウス/刊
1,300円(税込)

スズキコージさんがご来店しました!

絵本つれづれ, 絵本作家さん No Comments

先日このブログでもお知らせした、スズキコージさんのサイン会が
23日秋分の日にありました。

当日は、オレンジ色のツナギ姿で登場したスズキコージさん。
イベントがはじまるまでお店の外で休んでいた自然な雰囲気に、
通りがかったお客さまからは、
「似ているなぁと思っていたらご本人でびっくりした!」とのこと。

さて、サイン会ではおなじみの「ト音記号型蚊取り線香」のマークと
「コージズキン」のサインと、さらに腕に特製のハンコを押してもらって、
とてもよろこばれていました。
入口にいたわたしに、みなさん帰りがてら袖をまくりながら自慢してくださり、
こちらまでうれしくなりましたよ。

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もちろんブログをご覧のみなさまにも、
スズキコージさんサイン入りの本を、以下ご用意しました!
ご希望の方はどうぞお早めに。

<スズキコージさん サイン本一覧>
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左上から時計まわりに

『てのひらのほくろ村』
スズキコージ/著 架空社/刊 1,575円(税込)
『ぶたのぶたじろうさんは、クジラをたすけにいきました。』
内田麟太郎/文 スズキコージ/絵 クレヨンハウス/刊 998円(税込)
『大千世界の生き物たち』
スズキコージ/作 架空社/刊 1,995円(税込)
『WITCHEN』
スズキコージ/作 架空社/刊 2,500円(税込)
*在庫僅少本のため、多少汚れ、傷、湿気臭あり。ご了承ください。
『サルビルサ』
スズキコージ/著 架空社/刊 1,575円(税込)
『ガブリシ』
スズキコージ/作 ブッキング/刊 1,680円(税込)

そしていよいよ『ぶたのぶたじろうさん』表紙絵の原画展は30日(火)まで、
スズキコージさん特集の棚は10月3日までです。
ぜひ足をお運びください。お待ちしています!

菱木晃子さんの「子どもの本の学校」盛況でした!

イベント No Comments

9月20日(土)、前夜の台風を吹き飛ばし、カラリと晴れた青空のもと、
子どもの本の学校が開催されました。
講師は、翻訳家の菱木晃子さんです。

「翻訳あれこれこぼれ話」という題で、
お仕事の裏話、スウェーデンの出版事情などなど、
本当にいろんなお話をしていただき、あっという間の1時間半でした。

子どもの本の学校/菱木晃子さん
 

『ニルスのふしぎな旅』の原書は100年も前に書かれたもの。
当時と現代で科学的常識など食い違うところも、原文に忠実に、
菱木さんが翻訳にかけた歳月はなんと8年間!
 

ニルスのふしぎな旅 上巻 ニルスのふしぎな旅 下巻 『ニルスのふしぎな旅』上・下巻
セルマ・ラーゲルレーヴ/作
ベッティール・リーベック/画
菱木晃子/訳
福音館書店/刊
各2,415円(税込)

 
 
また、両親が離婚した少年のある一日を描いた
『パパはジョニーっていうんだ』は、
原文が三人称で書かれていたのをあえて一人称に変え、
少年の気持ちが読者にもっと伝わるようにしたとか。
 

パパはジョニーっていうんだ 『パパはジョニーっていうんだ』
ボー・R・ホルムベルイ/作
エヴァ・エリクソン/絵
ひしき あきらこ/訳
BL出版/刊
1,260円(税込)

 
 
翻訳にあたっての調査は綿密で、
ご自身を「粘着気質」とおっしゃっていましたが、
パワフルな探究心、ベストを尽くす行動力を垣間見るような思いでした。

講演会後もスタッフにいろんなお話をしてくださって、
その中でとくに印象的だったのは、長年翻訳を続けている中で、
最初は自分がたのしくてやっていたけれど、
いまはいい本を子どもたちに届けたい、
という思いがより強くなったとのことばです。

菱木さんの最新刊『おばけのめをみて おとうとうさぎ!』
ポップな絵と、大切なことを教えてくれる昔話のようなところとが共存する絵本。
原書は、スウェーデンの子どもたちが選ぶ本の人気投票の
0~6歳部門でベスト1になりました。

東京店で、菱木さんのサイン本を若干数ご用意しています。
当日、サイン会に参加できなかった方、お早めにどうぞ!
    *サイン本は終了しました。ありがとうございました* 

おばけのめをみておとうとうさぎ! スウェーデンの子どもたちによる本の人気投票
「BOKJURYN」で、2007年度の第1位!

『おばけのめをみておとうとうさぎ!』
ヨンナ・ビョルンシェーナ/作
菱木晃子/訳
クレヨンハウス/刊
1,470円(税込)

 
たくさんのすばらしい海外絵本を日本に届けてくださる菱木晃子さん。
これからもご活躍をたのしみにしています!

次回の「子どもの本の学校」講師は、石津ちひろさんです。
10月11日(土)16時~ 大阪店
10月18日(土)16時~ 東京店
*当日券は店頭にて当日11時から販売します。

『ピッツァぼうや』を英語であそぼう!

英語絵本 No Comments

「子どもの本の定期便」 ブッククラブ・絵本の本棚から
9月の洋書「P1:ようこそコース」のご紹介です。

Pete's a Pizza P1コース:
ピートがピザ!トッピングはママとパパのLOVE!
『Pete’s a Pizza』

◇William Steig/作
◇HarperCollins/刊
◇2,142 円(税込)

翻訳版:『ピッツァぼうや』
◇木坂 涼/訳
◇セーラー出版/刊
◇1,575円(税込)

滋味あふれる、とはこんな本のこと。
まだ家庭が世界のすべてのような、ちいさなピートのある日のできごとです。

たいくつしたピートをピザに見立てて、
おかあさんとおとうさんは、大まじめでシェフを演じます。
そう、「ピートのピザ」ではなく「ピートがピザ」。
こねて、広げて、宙に飛ばして円盤形にする。
くすぐったいやら、スリリングだわで、ピートのふきげんは吹っ飛びます。

大人たちの笑顔も本物。
しあわせは、こんなエピソードの積み重ねからにじんでくるのかな。

見事にピザ職人を演じるおとうさんと、ピザ生地になりきるピート。
ふたりの絶妙な演技がおかしくって最高です!
そして、ピートを見つめる両親のあたたかい眼差しに、こころがじんわりとします。

絵本の中だけではなく、実際に子どもたちを“ピッツァごっこあそび”に誘ってみてはいかがでしょうか?
きっと子どもたちのうれしい笑顔が見られるはず!

菱木晃子さん「子どもの本の学校」お聴き逃しなく!

イベント No Comments

先週末は大阪店、今週末は東京店で、「子ども本の学校」が開催です。

今回の講師は、クレヨンハウスから最近出版された
『おばけのめをみて おとうとうさぎ!』を翻訳をしてくださった・菱木晃子さん。
大阪店で行われた13日(土)は、蒸し暑い気候にもかかわらず、
明るくさわやかな笑顔でいらしてくださいました。

おばけのめをみて おとうとうさぎ! スウェーデンの子どもたちによる本の人気投票
「BOKJURYN」で、2007年度の第1位!

『おばけのめをみて おとうとうさぎ!』
ヨンナ・ビョルンシェーナ/作
菱木晃子/訳
クレヨンハウス/刊
1,470円(税込)

パパが宇宙をみせてくれた 『パパが宇宙をみせてくれた』
ウルフ・スタルク/作
エヴァ・エリクソン/絵
菱木晃子/訳
BL出版/刊
1,260円(税込)

講演会までに少し時間もあり、
いろいろと作家のことや作品のことなどのお話をお聞きしていました。

ウルフ・スタルクさんの家でごちそうになったときの話、
『セーラーとペッカ』シリーズ作品との出会いの話など、
作家の素顔に驚きつつも、わたしがいちばん驚いたのは、別のことでした。

「大阪は4回目です」とおっしゃる菱木さん。
最初は万博だったそうです。

なつかしそうにその当時のことを詳しくお話してくださるのですが、
そんな幼い頃の気持ちや情景をちゃんと覚えておられ、
しかもまるでこの前の話のように、ことばできちんと説明できることに、
ことばをお仕事にされている翻訳家の一面を見た気がして、
そんなことに感動しながら、いざ会場へ。

まずは、手元にある赤いバッグの紹介。
「これは、ウルフ・スタルクさんからもらったもので、ちょっと自慢したくて持ってきました」
などと、場を和ませながら翻訳の話へ入っていきました。

スウェーデン語から日本語へ、
それからさらにそれをかみ砕いて読者に伝えることばに訳することが翻訳の仕事だとおっしゃり、
ご自身の翻訳に対する思いなどを細かく語ってくださいました。

たとえば、翻訳することばの選び方などにも細心の注意をはらわれていること。
そのことばが、いまの子どもたちにきちんとわかることばなのか、
注釈をつけることでかえってストーリーの流れを邪魔しないか、などなど。

また、その場面を頭で描きながら、
はたしてこの状況説明はこの場面でありうるのか?
この人物に見えるはずのないものが、見えているような説明がされているときや、
話の流れからつじつまが合わないと思われることなどは、
いったん作者に質問をされるそうです。
ときには、作者でさえ気がつかなかった間違えまで、
見つけてしまうこともあるのだとか。

わたしたちが翻訳された物語をあたりまえに読んでいても、
その一つひとつのことばをていねいに選びながら日本語にしていくその作業は、
相当な時間と情熱をかけてなされている作業だということが
しっかり伝わってきました。

作品のどんなことばにどんな工夫をされたか……
そんなことをいろいろお聞きしてから作品を読むと、
その作品の魅力も広がります。

東京店の講演会がもう間近。
さあ、翻訳のおもしろさを知りたい方、ぜひご参加ください!

「子どもの本の学校」
講師:菱木晃子さん
2008年9月20日(土)16:00~
クレヨンハウス東京店 レストラン[広場]にて
当日券(2,500円)は、11:00開店と同時に子どもの本売り場レジにて販売します。

スズキコージさん原画展&サイン会のお知らせ

イベント, クレヨンハウス出版の絵本 No Comments

セミの声にかわって響く虫の音に、秋が来たのを感じられます。

先週より、スズキコージさんの「ぶたのぶたじろうさん」
原画展がはじまりました(~30日まで)。
1巻から8月末に出た新刊の6巻まで、表紙絵がずらりと並んでいます。

スズキコージさん原画展

原画を間近で見ると、一つひとつのパーツがはっきりわかり、
糊のあとや上からペンで描き加えられた線の筆圧まで、
じっくり見ることができます。
でこぼこと厚みのある絵が、色彩あふれ光っているのは本当にきれいです。

一緒に開催中のスズキコージさん特集の棚(これもきれい!必見です)
から原画の展示スペースまで、
昨年イベントでスズキコージさんと子どもたちがつくった、
切り紙のガーランドをつるしてにぎやかにお迎えしています。

そして秋分の日の23日15時には、
スズキコージさんがクレヨンハウスにやってきます!
今年生誕60年!のスズキコージさんに、
お気に入りの本にサインをもらって記念にしませんか。

ぜひ足をおはこびください。
お待ちしています。

洋書絵本の掘り出しもの!

英語絵本 No Comments

きょうは、いま店頭で、ひそかに売れている洋書絵本をご紹介します。

GOOD DOG 『GOOD DOG』
Maya Gottfried/詩
Robert Rahway Zakanitch/絵
Dragonfly Books/刊
ペーパーバック版
882円(税込)

表紙の、訴えかけてくるようなこの瞳に呼ばれ、手にとってページをめくると、
右ページには黒い背景に1匹ずつ、
パグ、チワワ、コーギ、ポメラニアン、マルチーズ、チャウチャウなど
いろんな種類の犬たちが登場。

左ページには、その犬の気持ちが代弁された詩と犬のスケッチ。
犬たちのなんとも言えぬ表情が愛らしく、
もう犬好きにはたまらないのではないでしょうか。

とりわけ犬が大好きというわけではないわたしも、
洗練されたつくりのこの本は、パラパラと眺めているだけで、こころがなごみます。

ペーパーバックだからお手頃価格なのも魅力。
よくプレゼントに添えて、よろこばれています。

クレヨンハウス東京店の洋書コーナーには、ほかにも掘り出し物がたくさん!
ぜひ、ご来店ください。
お待ちしています。

「いぬとくま」があなたのもとへ!

クレヨンハウス出版の新刊, クレヨンハウス出版の絵本 No Comments

こんにちは、編集部の吉原です。

きょう9月10日は、「いぬとくま」の発売日です!
あっ、この絵本のことをみなさんにお知らせするのは、
もしやはじめてですね!?

2冊同時発売のため、手に汗、額に汗の編集でここまできてしまいましたが、
やっとできました!
クレヨンハウスの翻訳絵本の、5作、6作目になるこちらもまた、
と~ってもかわいい子です。

いぬとくま いつもふたりは いぬとくま ずっとふたりは 左: 『いぬとくま いつもふたりは』
右: 『いぬとくま ずっとふたりは』
ともに
ローラ・ヴァッカロ・シーガー/作
落合恵子/訳
クレヨンハウス/刊 
1,575円(税込)

なかよしの「いぬ」と「くま」。
このふたり、お互いを「いぬ」「くま」と呼び合ってるんですね。
まずはそこが好きなんです、たまりません。

そして、ふたりのやりとりときたら、まるでショートコント。
けんかをして、「出ていく!」となっても、アイスクリームで仲直りしちゃったり、
看病していたほうが、相手のワガママにくたびれちゃったり。

1冊に3つのお話が入っていて、
読んだあとは、こころまで笑顔になっちゃう、そんな絵本です。

そして、いまならなんと、「いぬとくま」のペアぬいぐるみをプレゼント!
絵本についている応募券を2枚集めて、専用ハガキで送ると、
抽選で100名様に当たります。(応募期間12月31日消印有効)

これがなかなかよくできたぬいぐるみなんですよ。
お友だちにも、教えてあげてください!

いぬとくま パペット
くまの手足は動きます。手触りよしです。

いぬとくまパペットプレゼント
パペットとしてもあそべます。
「ねえ、くま」「なんだい、いぬ」

 

「Read Aloud!の会」で「大好き」を伝えよう!

英語絵本 No Comments

クレヨンハウス東京店では、毎月1回、
英語の絵本を1冊、声に出して読む、というワークショップ、
「Read Aloud!の会」を開いています。

講師はクレヨンハウスの洋書ディレクター、大島英美さんです。

大島さんの教え方はとってもユニーク!
それぞれの個性を引き出しながら、
棒読みではなく、感情を声に表すことをポイントにしています。
最初恥ずかしがっていたひともだんだんと、声に出して読むたのしさに夢中に!

回を重ねるごとに参加者も増え、熱気を帯びています。
「噂には聞いていたが、参加していなかったいままでの数回分、損した!」
とのうれしい歎きも。

英語が話せなくてももちろん大丈夫!勉強ではありません。
親子で絵本をたのしみたい方も、読み聞かせをしている方も、
発音を学びたい学生さんも、
いろいろな方が一緒に絵本をたのしんでいます。

次回9月28日(日)に読む絵本は、
大好きなひとが遠いところにいて、とってもさみしいから自分を包んで郵便で送ってしまおう!
という奇想天外な少女の物語。

会いたくて会いたくて会いたくて……。
主人公の気持ちを、みなさんはどんなふうに声に表して読んでみますか?

絵の中に、郵便を送るときに使う用語がたくさん出てくるところも、おもしろいですよ。
遠くにいる大切な方へのプレゼントにすれば、「大好き!」の気持ちが伝わる1冊です。

ぜひ、一緒にたのしみましょう!

【ご参加条件】
年齢は5歳から、どなたでも。
指定の絵本をクレヨンハウスでお求めください。

【9月の絵本】
『I miss you every day』
『I miss you every day』
Simms Tabbck/作
Viking/刊
1,785円(税込)

【日時】
9月28日(日)9:45~10:45

【場所】
クレヨンハウス東京店
レストラン「広場」

お申し込み、お問い合わせは、下記まで

クレヨンハウス子どもの本売り場
TEL 03(3406)6492

みなさまのご参加お待ちしています!