その本がプレゼントに選ばれた理由は…?

絵本つれづれ No Comments

子どもの本売り場では、毎日たくさんのお客さまから選書のご相談をいただきます。
先日は、お知り合いの5歳になるお子さんに絵本を贈りたい、
というお客さまがいらっしゃいました。

いくつかご紹介したなかから、「これにします」とレジにお持ちくださったのは、
『はちうえはぼくにまかせて』。

『はちうえはぼくにまかせて』
ジーン・ジオン/作
マーガレット・ブロイ・グレアム/絵
もり ひさし/訳
ペンギン社/刊
1,260円(税込)

決め手はなんだったのかというと、
なんとプレゼントするお子さんの名前が、
この本の作者と同じ、ジオンさんというのだそうです。

自分と同じ名前が表紙に書いてあったらきっとびっくりされるでしょう。
しかもこんなにおもしろくてすてきな絵本をつくったひとなんて知ったら、
うれしいでしょうし、愛着もきっとわくのではないでしょうか。

お客さまは、驚かすために何も言わずに渡すおつもりだと、
ちょっぴりいたずらっぽく、うれしそうに話してくださいました。
まだ見ぬ5歳のジオンさんの驚きとよろこびを想像して、
わたしまでなんだかわくわくしました。

贈る相手のことを想い、あれこれ考えて、
そしてそんな時間をたのしみながら、
毎日たくさんの方が絵本を選んでいると思うと、
あらためてこの仕事のやりがいを感じます。

わたしたちが手渡す絵本1冊1冊に、
それぞれのいくつもの想いがあり、エピソードがあるのですね。

そんなことを感じながら『はちうえはぼくにまかせて』を読み返していたら、
植物が芽吹く春が待ち遠しくなりました。

初天神へ出かけましたか?落語絵本15周年ページ新設

クレヨンハウス出版の絵本 No Comments

昨夜、香りに誘われて、いつもと違う道に入ったら、
白梅が咲いていました! 梅といえば、天神様。
新年はじめての天神様のおまつりが「初天神」。

今年の「初天神」は1月25日でした。
各地の天神様 天満宮では、縁日でにぎわったことでしょう。

「初天神」に出かけなかった~、残念という方も、
落語絵本『はつてんじん』を開けば、その気分が味わえますよ。

制作当時に、川端さん、亀戸天神と湯島天神の縁日を取材したそうです。
金坊ならずとも、縁日の味には、ひかれますよねえ。

落語絵本『はつてんじん』
川端誠/作
クレヨンハウス/刊
1,260円(税込)

先にもお知らせしたように、今年は落語絵本15周年!
記念ページが、クレヨンハウスサイトにできましたよ。
>>>こちらのページです

川端誠さんのメッセージや各巻への思いなども、紹介しています。
今後も、内容を充実させていきますので、よろしくご覧ください。

川端さんが自作を開き読む「絵本ライブ」や講演会も、続々!
今週末は、31(土)が三重県多気町、2/1(日)が三重県津市で開催。

多気町では、新作『ひとめあがり』の原画展もあり、見逃せませんよ。

そんな川端さん情報も、記念ページで、ご案内しています。
>>>川端さんイベント情報は、こちらのページです

ブッククラブから「犬」をめぐる2冊をご紹介!

英語絵本 No Comments

「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
1月の洋書「P2:じっくりコース」のご紹介です。

今月は、お得なペーパーバック版で2冊のお届けです。

I'll Always Love You ★「好きだよ」は、言葉にしようね!★

『I’ll Always Love You』
◇Hans Wilhelm/作
◇Random House/刊
◇809円(税込)

 翻訳版『ずーっとずっとだいすきだよ』
 ◇久山太一/訳
 ◇評論社/刊
 ◇1,050円(税込)

好きな相手に「どんなときでも君のこと好きだから」と伝えている?
と、問いかけるようなこの絵本、どきっとする読者もいるのでは。

愛犬エルフィーとともに育った主人公の少年は、
老犬になったエルフィーを見送ることになり悲しみますが、
そのときの救いが、「愛しているよ」ということばかけを毎日していたことでした。

幼い子どもたちと、愛する誰かとの永遠の別離について、
避けたり隠したりせずに語り合うきっかけになるでしょう。
1985年に出版され、25回も版を重ねた作品です。

子どもの頃、動物と暮らした経験があるひとなら、
共感する部分が多いのではないでしょうか。

文章よりもイラストによってストーリーが展開していく、まさしく「絵本」。

エルフィーが子犬のときのやんちゃな表情に思わずほほえみ、
晩年の弱々しく太った姿には、胸が痛んでしまいます。
ラストはひとまわり成長した主人公の姿に、こころがほっこりあたたまります。

Madeline's Rescue ★マドレーヌが大変! 助けてくれたのは……★

『Madeline’s Rescue』
◇Ludwig Bemelmans/作
◇Penguin Group USA/刊
◇924円(税込)

 ◇翻訳版『マドレーヌといぬ』
 ◇瀬田貞二/訳
 ◇福音館書店/刊
 ◇1,365円(税込)

先月、P3コースで、ベーメルマンスのお孫さんが描いた最新刊
『Madeline and the Cats of Rome』を紹介したMadelineシリーズ。

1939年に最初の『Madeline』(英語では、マデラインと発音)が出版され、
アメリカの絵本界にフランスのエスプリと、新しい元気な女の子像をもたらしました。

本書はその続編で、1954年のコルディコット大賞受賞作です。

川に落ちたマドレーヌがノラ犬に救われ、
「いのちの恩人」の犬は寄宿舎でマドレーヌたちと暮らしはじめますが、
そこにひと騒動が……。

大胆で伸びやか、そして表情豊かな描線は、元気な主人公たちさながらです。

ダイナミックな動きのある線画。
ところどころに出てくるパリの街並みは細かい部分まで描き込まれていて、
見ればみるほどたのしい発見があり、ゆかいになります。

そして、文章はきれいに韻が踏まれていてリズミカル。
大人もたのしめるどこまでもオシャレな一冊です。

今月は、奇しくも「犬」をめぐるお話が2冊でした。
それぞれの作品の犬たちを見比べてみるのもきっとたのしいですよ。

「子どもの本の学校」とよたかずひこさん

絵本作家さん, イベント No Comments

先日、月に1回の「子どもの本の学校」がありました。

1月の講師は、とよたかずひこさん。
『どんどこももんちゃん』『コトコトでんしゃ』など
あかちゃんからたのしめる絵本は、みなさんもご存じですよね!

ご自身の子育てを通して、絵本の創作の道に入られたという、とよたさん。
「あかちゃんと旅する」というタイトルでお話くださいました。
そのようすお知らせしますね。

当日は講演開始の1時間前にいらっしゃった、とよたさん。
準備に追われるわたしたちスタッフに、やさしく声をかけてくださいました。

紙芝居や絵本の「読み聞かせ」をしてくださるということで、舞台の準備。
お客さまにたのしんでいただけるようにと、とよたさんの細やかな配慮があり、
わたしたちと一緒に準備を進めてくださいました。

ご自身でつくられた大型絵本や紙芝居などを使っての講演会は、
とよたさんの声と心地よいリズムが一緒になって、
子ども時代に戻ったように聞き入ってしまいました。
「読み聞かせ」の合間には、絵本の誕生秘話、子育て中のエピソードも。

小学校で授業を行ったり、子どもたちとの交流を大切にしているとよたさん。
子どもたちとのたのしいやりとりも紹介くださり、あっという間の1時間半でした!

講演会終了後は、サイン会です。
みなさん、とよたさんのサインを見たことがありますか?
これはサインではなく、作品!! 
と思ってしまうほどていねいに1冊1冊に絵と色を入れてくださるんですよ!

その間もお客さまといろいろな会話をされて、
サイン会は終始あたたかな雰囲気で行われました。

とよたさん、ありがとうございました!

「子どもの本の学校」/とよたかずひこさん
撮影/宮津かなえ

おうちに来るのは「睡魔」それとも「おじゃま虫」?

英語絵本 No Comments

こんにちは。
きょうは暦のうえでは大寒です。寒さが1年のうちで最も厳しい日。
お店へいらっしゃる方は風邪をひかないよう、あたたかい服装でおでかけください♪

それでは、 「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
1月の洋書「P1:ようこそコース」「P3:どきどきコース」のご紹介です。

★ぐうすか、一軒まるごとお昼寝だ!★

「P1:ようこそコース」

『The Napping House』
◇Audrey Wood/文
◇Don Wood/絵
◇Harcourt/刊
◇2,079円(税込)

 日本語版:『おひるねのいえ』
  ◇江國香織/訳
  ◇BL出版/刊
  ◇1,529円(税込)

ある雨の日の午後、一軒の家がまるごと睡魔に襲われ、
おばあさん、孫、イヌやネコ、ネズミまでが、つぎつぎと文字通り折り重なるように、
ひとつのベッドでお昼寝タイムを迎えます。
そこにノミが1匹、さあたいへん。
たたみかける韻律とともに、読者に睡魔が忍び寄る……。

アメリカでは「ベッドタイムの本」として、20年以上読み継がれているロングセラー絵本です。
人気の秘密は、マザーグースなど伝統の童謡スタイルの現代風アレンジという点でしょうか。
江國香織さんが訳した日本語版も必見です。

★ひとりでいるのが好きなクマの家に「おじゃま虫」が★

「P3:どきどきコース」

『A Visitor for Bear』
◇Bonny Becker/文
◇Kady MacDonald Denton/絵
◇Candlewick Pr/刊
◇1,964円(税込)

絵本を見慣れた目にも「おや?」と思わせる、個性が光る作品。
セピアのアウトラインと、淡いが甘すぎない水彩、そしてセピアで書かれたテキストは、
端正さとウイットのほどほどのブレンドです。

「ひとぎらい」(他者ぎらい)のクマの家に、大胆で社交的なネズミが執拗に入り込み、
クマが根負けしてお茶をともにする。
するとどうでしょう、あれ? 何だかたのしいじゃない。
こんな「おじゃま虫」になるのも、おしかけられるのも悪くないかも。

クマが少しずつこころを開くようすに、読み手のこころもじんわりと温まります。
今年いちばんのおすすめ絵本です!(まだはじまったばかりですが…)

酒井駒子さん原画展開催中

イベント No Comments

年が明けてから寒い日が続くものの、
晴れているので毎日お店のエントランスでカレンダーバーゲンを開催中です。

先日おかあさんとふたりで来てくれた女の子が、
こっそりわたしの耳にささやいてくれたのは……
「あのね、おかあさんのおなかの中にあかちゃんがいるんだよ」

アンホルトの『おねえさんになるひ』(徳間書店)みたいだなぁと、
「わぁ、大事な秘密を教えてもらっちゃった!」と言ったら
本当にうれしそうな、でもちょっとくすぐったそうな笑顔。

あかちゃんが、新しいいのちが生まれるって、とても不思議で愛おしいことなんだと
あらためて実感したできごとでした。

その愛おしさは、生も死も、同じような気がします。

先週末より、酒井駒子さんの『くまとやまねこ』原画展を開催中です(~31日まで)。


『くまとやまねこ』

湯本香樹美/ぶん
酒井駒子/え
河出書房新社/刊
1,365円(税込)

大好きな友だちのことりを亡くしたくまの物語は、
年齢をこえて多くのひとに感動を届けています。
子どもたちにも、お店で棚から好きな絵本を出して読むように原画を見てもらえたらと
少し工夫も凝らした展示になりました。

子どもから大人まで、たくさんの方に見ていただけたらと思います。
ご来店をお待ちしています。

『くまとやまねこ』原画展

『くまとやまねこ』原画展

新作『ひとめあがり』発売! 落語絵本15周年! 

クレヨンハウス出版の新刊, クレヨンハウス出版の絵本 No Comments

あっという間に七草も過ぎましたが、どんなお正月をすごされましたか。
この絵本ブログを、今年もよろしくご覧ください。

さて2009年は、《落語絵本15周年》にあたります!
第1作「ばけものつかい」でスタートしたシリーズも、
新作の『ひとめあがり』(12/24発売)で13巻。
祝・15周年ということで、ギフト函入りの3巻選も登場しました!

ひとめあがり 『ひとめあがり』
川端誠/作
クレヨンハウス/刊
1,260円(税込)
090109hako.jpg 川端誠さんサイン入り落語絵本ギフトセット
(左)新春おめでた噺・3巻選
(右)おなじみの噺・3巻選
クレヨンハウス/刊
各3,780円(税込)

<<<詳しくは、こちらでご紹介しています。

『ひとめあがり』のスタンプ 川端さんのサインには、絵本ごとに、それぞれ手彫り印が押されます。
落語絵本の新作が刊行されるたびに、今度の印は……! と、
たのしみにされているファンも多いようです。
『ひとめあがり』は、これ!

 

『ひとめあがり』には、江戸の家々や町中のお正月を言祝ぐかたちが丹念に描かれています。
全点を展示した原画展が、三重県多気町立勢和図書館で開催中(~2/8)です。
詳細は、図書館サイトで
<<<http://www.ma.mctv.ne.jp/~seiwa-lb/

このあと、『ひとめあがり』の原画展は、尾鷲市立図書館(2/17~3/7)、
紀宝町立鵜殿図書館(3/8~3/22)と三重県を巡回します。
この機会に、ぜひご覧ください!