糸巻きのスツールに、ティーバックのクッション!

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こんにちは。

12月に入り、日が暮れるのがいっそう早くなりましたね。
そのぶん、街のクリスマスイルミネーションがひときわ華やかに感じられます。

では「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から
12月の英語絵本「P2:じっくりコース」をご紹介します。

★少女とネズミの2世代にわたる平行世界を描く★

『Mary and the Mouse, the Mouse and Mary』
Beverly Donofrio/文
Barbara McClintock/絵
Random House/刊
1,696円(税込)

 翻訳版『ないしょのおともだち』
 福本友美子/訳
 ほるぷ出版/刊
 1,680円(税込)

マリーは大きな家で家族と暮らしています。
一方、マウスは大きな家の中のちいさな家で家族と暮らしています。

それぞれ自分たちの生活空間で、日々の生活を送っていましたが、
ある夜マリーはフォークを床に落としてしまいます。
同時にマウスはスプーンを落とし、拾おうとかがんだとき、
はじめてお互いの存在を知ることに……。

なんといっても印象的なのは、マリーの家の中と平行して描かれる
マウスの家の中のかわいらしさ。

広げたたまごケースに布を敷いたソファや、ティーバッグのクッション、
糸巻きのスツール、そしてびんの王冠や切手が壁に飾られていたりするのです!!

そして、表紙にも注目です。
翻訳版『ないしょのおともだち』とはカバー絵が異なるのです。

こんな発見も原書ならではのたのしみですね。

2010年も残すところあと2週間ほど。
私、ブッククラブ・高橋の担当記事は、本年中はこれが最後となりました。

今年1年間ブッククラブ・絵本の本棚をご愛顧いただきましてありがとうございました。
どうかたのしいクリスマスと、明るい新年をお迎えください。

今月は表紙インパクト大!の3冊です。

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「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
11月の英語絵本「P1:ようこそコース」と「P3:どきどきコース」のご紹介です。

まずは「P1:ようこそコース」。
今月は2冊のお届けです。

★ネコの「ニャオ」が「meow」、ここから英語をはじめられる一冊★

「P1:ようこそコース」
◆『Three Little Kittens』
Paul Galdone/作
Houghton Mifflin Harcourt/刊 
1,097円(税込)

  翻訳版『いたずらこねこ』
  中井貴惠/訳
  ほるぷ出版/刊
  1,470円(税込)

いたずらそうな子ネコが3匹、
ミトンをはめた両手をあげて「meow!」。

こんなインパクトの強い表紙絵の本書は、
1986年の刊行以来のロングセラーです。

お気に入りのミトンをなくしたり、汚したりと、
ページをめくるたびに一喜一憂する子ネコたちが愛らしく、
くり返し何度も読みたくなる一冊です。

有名なマザーグースをもとに書かれただけあって、
自然とリズムにのってたのしく音読できるのも魅力。
今回はCDがついているので、英語に親しむ初心者にもピッタリです。

★things(もの)を アートフルにおしえてくれるボードブック★

◆『Same Same』
Marthe Jocelyn/文
Tom Slaughter/絵
McClelland & Stewart Ltd/刊 
798円(税込)

連想あそびが綴られた、あかちゃんからたのしめるボードブックです。

最小限の語彙とイラストのみで展開されているので、
英語絵本であることを忘れちゃうくらい読みやすいです。

ふつうに読んでもたのしいですが、
絵本からさらに連想を広げるといっそうおもしろいです。
ちなみに、表紙の鳥と蜂の“Same”は何かわかりましたか?

正解はぜひ絵本で!

★迫力の構図! 野生動物への讃歌が聞こえる★

「P3:どきどきコース」
◆『In the Wild』
David Elliott/文
Holly Meade/絵
Candlewick Pr/刊 
1,696円(税込)

版画による動物イラストが、大判のページから迫力で迫り、
動物好きにはたまらない1冊です。

大胆な構図で描かれた動物たちは、
生命感、スピード感にあふれ、
大人も子どもも吸い寄せられてしまいます。

文は、詩の形式になっていて、
躍動感のあるくり返しや、押韻したことばに、
こころも弾みます。

おそらく、著者と画家は本作をつくるにあたって、
多くの時間を自然と動物の観察に費やしたのだろうと思います。

自然の中で力強く生きる野生動物たちの世界を、
絵本を通して、どうぞおたのしみください。

ちょっぴりせつない、おにいちゃんの気持ち!

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こんにちは。

11月にはいり、クレヨンハウス東京店そばの
表参道のケヤキ並木も少しずつ色づいてきました。

秋の深まりを感じます。

それでは「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から
11月の英語絵本「P2:じっくりコース」をご紹介します。

★ぼくの椅子がピンクになっちゃうよ!★
『Peter’s Chair』
Ezra Jack Keats/作
Penguin Group/刊
1,596円(税込)

  翻訳版『ピーターのいす』
  きじまはじめ/訳
  偕成社/刊
  1,260円(税込)

妹が生まれたピーターは、自分が使っていたゆりかごも、
ハイチェアもピンク色に塗られてしまい、憤慨します。

まだ、ピンクにされていない椅子をかかえ、
家の外に「家出」したピーター。

でも、その大事な椅子に腰かけようとしたとき……。

名実ともに、少年が「おにいちゃん」になった瞬間が、
ほほえましく描かれています。

レトロなコラージュのイラストも、やさしさにあふれていて魅力です。

寝てくれない子は恐竜だ!

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「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
10月の英語絵本「P1:ようこそコース」と「P3:どきどきコース」のご紹介です。

まずは「P1:ようこそコース」。

★うちの子は恐竜!? 
「恐竜」も恐竜ファンも、大人も大好きな名作★

P1:ようこそコース

◆『How Do Dinosaurs Say Good Night?』
Jane Yolen/文
Mark Teague/絵
Scholastic/刊 
1,821円(税込)

親は人間なのに、子どもは恐竜……!?
意外な組み合わせにも思えますが、
ダダをこねているときの子どもって、
ちょっと恐竜っぽくないですか?

夜になっても寝てくれない恐竜たちは、
両親の「もう寝なさい」のことばに猛反発!

ステゴザウルスは口をとがらせ、
プテラノドンはぬいぐるみのクマを投げ、
トラコドンは絵本を催促し、
コリトサウルスは泣きわめいて……。

登場するのは10頭の個性あふれる恐竜たち。
みなさんのお子様はどの恐竜タイプでしょうか?

★都会の犬が、田園のカエルと友だちに?!★

P3:どきどきコース

◆『City Dog, Country Frog』
Mo Willems/文
Jon J Muth/絵
Disney Pr/刊 
1,928円(税込)

春のある日、都会から1匹の犬が田園に越してきます。
そこに住むカエルと知り合った犬は、
その日から一緒にたのしくあそびながら過ごします。

秋になると、疲れ気味のカエルの提案で、
ふたりの思い出を語り合います。
しかし冬になると、カエルは姿を消してしまい……。

再び春が訪れ、
カエルを待ち続けるイヌの前に現れたのは……。

「出会い」と「別れ」を描いた、
こころにじんわりと響く感動作です。
読後は目頭が熱くなるので、
涙腺の弱い方はハンカチのご用意をお忘れなく!

自分らしく生きるヒントに

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こんにちは。

「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から
10月の英語絵本「P2:じっくりコース」のご紹介です。

★個性派子ネコ、ピッチ!★

『Pitschi』
Hans Fischer/作
Ingram Pub Services/刊
1,785円(税込)

  翻訳版『こねこのぴっち』
  石井桃子/訳
  岩波書店/刊
  1,575円(税込)

真っ黒を英語でPitch-blackと言うそうですが、
名前にそんな意味をかけたような
黒い子ネコのピッチが主人公です。

他の子ネコとは違うのよとばかりに、
ニワトリ、ヤギにアヒル、そしてウサギと
次々と別な動物になりたがり、そのまねをするピッチ。

そんなピッチのものまねぶりが、
リズムあふれる線で描かれていて
その愛きょうたっぷりのかわいさに思わず笑ってしまいます。

多少ワクからはみ出ていても、そこは個性。
自分らしく生きるピッチに元気をもらえます。

「ママ離れ」or「ふるさと恋し」?

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「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
9月の英語絵本「P1:ようこそコース」と「P3:どきどきコース」のご紹介です。

まずは「P1:ようこそコース」

★子カンガルー、ママの袋から飛び出す!★

「P1:ようこそコース」

◆『Pouch!』
David Ezra Stein/作
Penguin Group USA/刊 
1,714円(税込)

題意の「Pouch」とは、カンガルーの「おなかの袋」のこと。
ある日、子カンガルーのジョーイは、
ママカンガルーの袋からピョンと外へ飛び出します。

自分の足で踏み出す最初の1歩に満面の笑顔を浮かべるジョーイでしたが、
2歩目でハチとはち合わせをしてしまい、
あわててママの袋に飛び帰ります。

再び勇気を出して3歩離れてみますが、
こんどはウサギに遭遇して、また袋に逆戻り。

行ったり戻ったりしながらも、4歩、5歩と前へ踏み出すジョーイ。
少しずつ母離れしていくジョーイの姿に、胸がジーンとしてしまいます。

保育園に通いはじめの子どもたちにもオススメです。
 

★乗ってみようよ、世界が見える大観覧車★

「P3:どきどきコース」

◆『The Giant Wheel』
Andre Usatschow/文
Alexandra Junge/絵
Ingram Pub Services/刊 
1,821円(税込)

動物園の近所にやってきた移動遊園地。
そこには、大観覧車がそびえ立ちます。

それに魅せられた動物園の動物たちが、
ある日、大観覧車に乗ってみると……。

動物園育ちの白クマには北極が、
ワニにはアフリカの川が、トラには密林が……と、
動物たちのまぶたに浮かぶ故郷の情景が眼下に広がります。

大人も子どもも、あっと言う間に本書のファンタジーの世界に引き込まれます。

わたしたちだったら、この大観覧車から何が見えるでしょうか?
郷愁を誘うあたたかな絵本です。

ターシャ・テューダーのハロウィーンは……?

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こんにちは。

まだまだ暑い日が続いていますが、
ときどき吹くさわやかな風に
秋の気配を感じるようになりました。

さて、「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚
9月の英語絵本「P2:じっくりコース」では、
『Pumpkin Moonshine』をお届けします。

Moonshineとはjack-o-lantern、
カボチャでつくる顔型のぼんぼりの別名のこと。

ひと足早く、ハロウィーンのお話です。

★ニューイングランド地方の伝統の風景がよみがえる★

 『Pumpkin Moonshine』
 Tasha Tudor/作
 Simon & Schuster/刊
 1,607円(税込)

  翻訳版『パンプキン・ムーンシャイン』
  ないとうりえこ/訳
  メディアファクトリー/刊
  1,260円(税込)

ハロウィーンが近い秋の日、
シルビアはコネチカット州の祖父母のもとを訪れます。

カボチャのぼんぼりをつくろうと畑に出たシルビアは、
すばらしく大きなカボチャを見つけます。
しかし、あまりに大きすぎて…。

その後の「カボチャ事件」のてんまつはいかに?

ヨーロッパからアメリカに渡ったひとびとの
伝統が残るニューイングランド地方。

作者のターシャ・テューダーは、
この地方の歴史や風土を愛し
生涯その伝統的なライフスタイルを守り続けたといいます。

本書でも、その生活スタイルや風景をかいま見ることができます。

あの夏休みを絵本でもう一度。

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「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
8月の英語絵本「P1:ようこそコース」と「P3:どきどきコース」のご紹介です。

まずは「P1:ようこそコース」。

★もう戻らない……子ども時代の夏休みの空気がここに!★

「P1:ようこそコース」
◆『All the World』
Elizabeth Garton Scanlon/文
Marla Frazee/絵
Simon & Schuster/刊 
1,928円(税込)

休暇で海辺の地方にやってきた家族の、
夏のある一日を描いた詩画集的絵本です。

浜辺では砂あそびを、
畑では夏野菜の収穫を、
そして丘では木登り……と、
自然の中で過ごすことのたのしさと解放感が
ページからあふれるように伝わってきます。

伸びやかな曲線と大胆な構図も見応え充分ですが、
風のように流れる文章も心地よくて魅力的です。

夏休みのゆったりとした空気に包まれたいと思う、
大人の方にもおすすめです。

★ネコ好き人気作家が描く「うちのネコは世界一」物語★

「P3:どきどきコース」
◆『The Best Cat』
Valeri Gorbachev/作
Candlewick Pr/刊 
1,714円(税込)

昨年のP3コースで紹介をした
「Molly Who Flew Away」の作者による最新作です。

ブーティは家族みんなに愛されているネコ。
弟ジェフに言わせれば、世界一のピエロだったり、
フットボール選手だったり、バレリーナだったり。

そんなジェフに対して現実的な姉ジニーは、
ピエロだったら拍手にびっくりするだろうし、
フットボール選手なんて危険すぎると、
ことごとくジェフのファンタジーを壊します。

でも、ふたりがブーティのことで意見が一致することもあるんです。
それはブーティが世界一の○○だということ!

ブーティをめぐるジェフとジニーの微笑ましいやりとりに、
思わず笑みを浮かべてしまいます。
ブーティの七変化ぶりも必見です!

マーガレット・ワイズ・ブラウンが愛した島

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連日のことで、もう言うのも聞くのもイヤになるかとは思いますが
本当に暑い毎日が続いていますね。

さて、「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚
8月の英語絵本「P2:じっくりコース」は、
古典的名作『The Little Island』をお届けします。

★何度目の夏でも、夏がくれば思い出す名作★

The Little Island 『The Little Island』
Golden MacDonald (Margaret Wise Brown)/文
Leonard Weisgard/絵
Random House/刊
1,607円(税込)

 翻訳版『ちいさな島』
 谷川俊太郎/訳
 童話館出版/刊
 1,575円(税込)

1947年度のコルディコット大賞受賞作です。

海に浮かぶちいさな島の1年をめぐる情景が
リズミカルな文章と透明感あふれる絵で語られていきます。

作者のブラウンが夏になると訪れていたという
ニューイングランド沖の小島がモデルと言われています。

こと細かな観察眼に作者のこの島に対する深い愛情を感じます。

きっといまも変わらず、きらめく青い海に囲まれて
自身の大地の上に植物を茂らせ、
動物たちを迎え入れながら
き然として存在し続けているのでしょうね。

暑いですね! 絵本で舟あそび、しませんか?

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「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
7月の英語絵本「P1:ようこそコース」と「P3:どきどきコース」のご紹介です。

まずは「P1:ようこそコース」
今月は2冊のお届けです。

Little Boat ★広がる未来、小船に勇気をもらう★

P1:ようこそコース

『Little Boat』
Thomas Docherty/作
Candlewick Pr/刊 
1,747円(税込)

船窓を模して丸くくりぬかれた表紙を開くと、
まるで窓から覗いたような外洋が広がり、小船が航海するのが見えます。

そして次のページを開くと、見開きいっぱいに広がる海!
開放感あふれる画面に胸が高鳴ります。

大きな大きな海の上ではじまる小船の大冒険。
大波にもまれたり、海のモンスターに遭遇したり、
クジラやイルカとあそんだりと、ひと息つく間もなく冒険は続きます。

目指す先は海の端、そこにはいったい何があるのでしょうか!?

Curious George's Opposites ★ジョージとあそぶ“Opposites(=反対ことば)”★

『Curious George’s Opposites』H.A.Rey/作
Houghton Mifflin Harcourt/刊 
655円(税込)
※ボードブック版

 翻訳版:
 『ジョージとあそぼう はんたいことば』
 福本友美子/訳
 岩波書店/刊
 546円(税込)

「UP=DOWN」
「DRY=WET」
「CLOSE=OPEN」などの反対ことばを、
おさるのジョージと一緒にあそびながら覚えるたのしい一冊です。

2コマ漫画風の展開がおもしろく、何度見ても飽きないのが魅力。
持ち運びに便利な小型サイズなので、
いろんな場面で活躍してくれそうです。

Captain Small Pig ★子ブタくん、君が船長だ★

P3:どきどきコース

『Captain Small Pig』
Martin Waddell/文
Susan Varley/絵
Peachtree Pub Ltd/刊 
1,747円(税込)

『BADGER’S PARTING GIFT』(翻訳名『わすれられないおくりもの』
でおなじみ、Susan Varleyによる最新作です。
しかも、文章は
『Can’t You Sleep, Little Bear?』(翻訳名『ねむれないの? ちいくまくん』
で人気を博したMartin Waddellなんですから、
絵本好きにはたまらなくうれしい一冊です。

ヤギと七面鳥のおじさんたちとともに、湖へ舟あそびに出た子ブタくん。
湖で釣りたかったのはクジラ、でも釣ったのはクツ片方だけ。
それでも子ブタくんは大満足、何か釣れるだけでうれしいんです。

子ブタくん、船長にしてもらって舟を漕いだはいいけれど、
疲れて眠りに落ち……。

のんびりとした時間と安心感が漂うすてきな絵本です。

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