2008/4/17 木曜日
上田 :大阪店
絵本つれづれ
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この季節、フェア台にこの絵本を置いていると、
必ず「あっ! いちごばたけのおばあさんだ!」と、
見つけた子どもたちのうれしそうな声が日に何度も聞こえてきます。
主人公のちいさなおばあさんは、タイトル通りいちごばたけの下に住んでいて、
いちごにあかい色をぬるのが仕事です。
ある年、小春日和のぽかぽか陽気に反応したのか、
いつもよりずーっと早くいちごがなりだしたから、さあ大変。
おばあさんは急いであかい色をつくり、
ちいさな手をせっせせっせと動かしていちごをぬり始めます。
冷たい風が吹いてくる日暮れまでに、
畑のいちごを全部ぬり終えることができるのでしょうか……?
「あと少し!」とおもわず声をかけたくなってしまいます。
只今、クレヨンハウス野菜市場に並んでいるいちごは、とてもすてきなあか色です。
ひょっとしたら、これもおばあさんがぬってくれたのかも……。
今年もおばあさんの仕事ぶりに拍手!
『いちごばたけのちいさなおばあさん』
わたりむつこ/作
中谷千代子/絵
福音館書店/刊
840円(税込)
2008/4/11 金曜日
吉原 :編集部
絵本つれづれ
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3月31日~4月3日まで開催されていたボローニャ国際児童図書展へ行ってきました。
翻訳出版できる作品を探すのがおもな目的で、
あらかじめアポイントを入れてもらっていた出版社のブースをたくさんまわりました。
一般書も含まれるフランクフルトのブックフェアほどではないまでも、
広い展示場で30分ごとのミーティングをこなしていくには、なかなかタフさが必要です。
とくに方向感覚に乏しいわたしなどは、会場案内を手に走りまわり、
トイレに行くならいましかない! みたいなことに。
でも、これだけたくさんの洋書を集中して見る機会はそうありません。
まだ本になる前の、ラフ段階のものなどを見せてもらえるのも、わくわくします。
同じ気持ちで子どもの本をつくっているひとたちと出会うと、
わたしもがんばろう、と思います。
ホテルからのシャトルバスが遠~いところに停まったり、
お昼に食べたいものが食べられなかったりしても(イタリア語だから!)、
なんとなしに平和な気持ちでいられるのは、チルドレンズブックの魔法かな?
2008/2/20 水曜日
上田 :大阪店
絵本つれづれ, クレヨンハウス出版の新刊
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絵本を読んでいて、ときどき驚くほど自分にピッタリ合う本が見つかることがある。
何気なく開いて読みはじめ、読み終えた瞬間、
きょうという日はこの絵本に出会うためにあったのかもしれない……と思うほど。
最近のそんな一冊がこの新刊。
この絵本は、実際にある親子がおこなっているちいさな行事をもとにつくられたものだそうです。
金曜日、いつもパパとぼくは一緒に、ふだんより早く家を出ます。
寒い日も、晴れの日も、雨の日でも。歩いているとお店が少しずつ開きはじめます。
周りのひとは急いでいるけれど、ふたりは決して急ぎません。
歩きながら、犬と何匹出会ったかなんて数えたりします。
そしてふたりが到着した場所は、カフェレストラン。
ここでゆっくり朝食を食べながらおしゃべりをするのです。いろいろなことを。
食べ終わるとそれぞれ会社と学校へ向い、そしてまた次の金曜日をこころ待ちにするのです。
一週間に一度の親子のちいさな行事。
おそらくこの時間だけは、親子だとか年齢の差だとか、そんなことは関係なく、
ふたりは友人として対等に向き合って話をしているのではないでしょうか。
なんて豊かな時間なのでしょう。
少しこころのゆとりと、少しの工夫とでこんなにすてきな時間をつくることができるのだということを、この絵本は教えてくれます。
親子だけではなく、友だちや恋人……
大切なひととの時間をこんなふうにつくってみてはいかがですか?
『きんようびはいつも』
ダン・ヤッカリーノ/作
青山南/訳
ほるぷ出版/刊
1,470円(税込)
2008/2/15 金曜日
吉原 :編集部
絵本つれづれ
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昨日までだったので、「行けなかった~」という方には悪いなァ、と思いつつ。
ビリケンギャラリーでやっていた、永島正人さん展にお邪魔しました。
何年か前、『きらい』を見たときには、「おっ」と思いました。
今回も、レモンをかじったような気持ちに。
永島さんの絵は、すべてクレパスで描かれたものなんだそうです。
いまは青に凝っていらして、青いクレパスばかり減るらしいと、
ギャラリーの方が教えてくださいました。
そうそう、それで『きらい』が好きだったことを思い出して、
また読み直しました。
右のくつが左のくつをきらいな理由とか、
すいかがフルーツキャンディーをきらいな理由とか、
アハハ、そうでした、そうでした。
「きらい」もいいじゃん。
……って、バレンタインデーに何かあったわけではないんですけども。
『きらい』
二宮由紀子/文 永島正人/絵
解放出版社/刊 1,470円(税込)
2008/1/29 火曜日
吉原 :編集部
絵本つれづれ
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ふと「絵本カレンダー」(『絵本town』付録)を見たら、
きょうは神沢利子さんのお誕生日でした。
何か神沢さんの本を読みたいなあとしばし考えて、
『いいことってどんなこと』に決めました。
外は寒いし! そろそろ春が待ち遠しいな、そんな気分なので。
雪解けの頃、たのしそうなようすの小鳥や小川や風に、女の子が聞きます。
「どうしてそんなにうれしいの」
「いいことがあるからよ」
「いいこと」を探して、女の子が雪の中で見つけたのが……
ウフフ。すてきなんですよ。
言っちゃうのはもったいないのですが、金色の福寿草なんです。
もやし育ちのわたしにとって、福寿草はあこがれです。
お恥ずかしいのですが、いまだに本物を見たことがありません。たぶん。
神沢さんは、子どもの頃、樺太で福寿草を探した思い出がおありとのこと。
そろそろ咲く頃ですよね?
福寿草を探しに行く春休みもいいな、なんて……
イケナイイケナイ、仕事中でした。
『いいことってどんなこと』
神沢利子/作
片山健/絵
福音館書店/刊 840円(税込)
2007/12/19 水曜日
吉原 :編集部
絵本つれづれ
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イタリア文化会館で開催中の展示「イタリアの絵本と子どもの本」を見てきました。
イタリアの作家による絵本・子どもの本の新作約250冊がそろうとのことで、
あわよくば、翻訳出版したい本に出会えたりして……の期待で、
はりきって初日に行ってみました。
出版社ごとの展示は、一冊ずつ手に取りやすく、
日本語のタイトルと簡単な説明がついていて、じっくり読むことができました。
展示本のリストをもらえるのもスバラシイ!
なんというか、こうしてほかの国の絵本を見るとあらためて思うのですが、
子どもの本には、その国の状況や世界情勢が表れますよね。
今回見た中には、ステップファミリーがテーマの本や、
フリーダ・カーロ、イサドラ・ダンカンなどの
「herstory」を描いた本があったのも印象的でした。
フランクフルトのブックフェアでもそうでしたが、
戦争を描いた絵本も目にとまります。
「過去の戦争」を伝えるものではなく、
「いまの戦争」を描いたものが新たに生まれざるを得ないこと、
大人として、とても責任を感じます。
今夜はJohn&Yokoの「Happy Xmas (War Is Over)」を聴こうかなと。
「イタリアの絵本と子どもの本」展は、
12月26日(水)までイタリア文化会館(九段下)にて開催中。
クレヨンハウスから地下鉄で10分くらいですので、
ご興味のある方は、ご来店のおついでに。
●「イタリアの絵本と子どもの本」展http://www.iictokyo.esteri.it/IIC_Tokyo/webform/SchedaEvento.aspx?id=237&citta=Tokyo
2007/12/12 水曜日
admin
絵本つれづれ
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12/5の創立記念日プレゼント企画に、予想以上のたくさんのご応募いただきました。みなさま、ありがとうございました!
また今回ブログや「クレヨンハウスとの思い出」についても、たくさんの暖かなコメントをいただきました。スタッフ一同うれしい限りです。
お誕生日がクレヨンハウスと一緒の方、親子2代で、という方、絵本やオーガニックへの興味で訪れてくださった方・・。本当にありがとうございます。
シカと、受け止めました!
さてさて当選された10名様のかたがたです。
あわせてコメントの一部だけ抜粋させていただきました。
○タイプA :絵本town+エコバック 5名様
高知県・Sさま /千葉県・Nさま /埼玉県・Wさま
福井県・Tさま /千葉県・Fさま
○タイプB:絵本スクール+エコバック 5名様
千葉県・Tさま /東京都・Mさま /北海道・Oさま
東京都・Kさま /長野県・Iさま
○コメント抜粋
はじめてクレヨンハウスに行ったのは学生時代。何よりも心に残っているのは、サマーカレッジに参加させていただいたこと。帰宅した私の顔をみて、母が、「こんなに晴れやかな活き活きとした貴方の顔を見るのは久しぶりだわ。」と言って笑ったのが、昨日のことのように思い出されます。
(福井県・Tさま)
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クレヨンハウスは10年位前から知っていましたが、ブログはつい先日知りました!
毎日チェックしてますよ。
(埼玉県・Wさま)
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約二十年前に親に買ってもらい、ずっと大事にしていた「ゆきのひ」(キーツ)を紛失してしまい、一年前のちょうどこの時期に買いなおしました。十何年ぶりにクレヨンハウスを訪れ、感動もひとしおだったのですが、ゆきのひを見つけた時の感動もひとしおでした。
(千葉県・Fさま)
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クレヨンハウスとは「ブッククラブ」の案内を見てからです。実家の母が娘の誕生に合わせて申し込みをしてくれました。それからもうすぐ三年がたちます。妊娠をきっかけに、ほぼ生活をオーガニックにしているので、楽しく安全なクレヨンハウスの製品は助かります。
(東京都・Mさま)
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3年程前、「まだまだ男社会が支配する社会」の中で消耗しきった私を救ってくれたのは、一冊の絵本でした。それから図書館で読み聞かせをする機会に恵まれ、絵本仲間が全国的に・・・と、絵本にどっぷり浸かっています。12月は、記念すべき私の50回目の誕生日を迎えます。
(北海道・Oさま)
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図書館の絵本の担当となってから試行錯誤の日々で、様々なHP、ブログを拝見させていただきおすすめ新刊や絵本つれづれなど、どれもこれも、たのしみによませていただいてます。
洋書も。更新の頻度をあげてくださると、もっと嬉しいです。
(東京都・Kさま)
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東京へ行くときは必ず寄り、欲しいものをまとめ買い(笑)。ネットでも購入できるけどやはりショップに行きたくて。子供はクレヨンハウスのパジャマを愛用中。ブログも楽しみにみています。
クレヨンハウスが32年・・と考えると、すごいですよね。老舗・・?!
100周年になる頃には生きていないけど、ずっと続いて欲しいです。
(長野県・Iさま)
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上記のかたに、絵本ガイドとオリジナルエコバック、送らせていただきます。
末長く、お願いしますね。
2007/11/20 火曜日
天田 :編集部
絵本つれづれ
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こんにちは。編集部の天田です。
ただいま発売中の[月刊クーヨン]12月号の付録は、
絵本作家のどいかやさんがクーヨンのために描きおろしてくれた、
とってもかわいいクリスマスカード「チプルとチポロのクリスマス」です。
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←画像をクリックすると拡大します |
雪の森を歩く女の子と男の子、木々の間からは森の動物たちが二人を見守って……
まるで1冊の絵本のように物語が広がります。
しかも、このカード、着せ替えができるんです!
変身したチプルとチポロは、ムクムクのこぐまのようにかわいいです。
これから森の動物たちとクリスマスを祝うのでしょうか?想像がふくらみます。
こんなカードをもらったら、みんな笑顔になってしまいますね!
どいさんはつねに自然や生きものたちにやさしい眼差しをそそいでいます。
そんなどいさんの絵本を1冊ご紹介。
『ハーニャの庭で』には、山の麓のうつくしい庭の1年が描かれています。
猫のハーニャとお家のひとのほかに、四季折々に庭を通り過ぎる小鳥や虫など、
人間よりもずっと前からそこに住み、そこを通り道としたちいさな生き物たちがていねいに描かれています。
春のむせるような土のにおいや、新緑を吹きぬける風、夏の朝もやのしっとりとやさしい感触……
ページをめくるごとに、まるでその庭にいるような感じがしてきて、自然とのつながりを感じます。
この魅力的な庭はどいさんの理想の庭なのだそうですよ。
2007/11/19 月曜日
admin
絵本つれづれ, クレヨンハウス出版の絵本
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1976年12月、32年前。
クレヨンハウスは表参道に子どもの本とレストランを併設して始まりました。
小さな絵本屋だったけれども、
カフェのある「座り読みOK」の書店は、ずいぶん話題になりました。
そして来たる2007年12月5日、32周年をむかえます。
32年間、変化したこと・変わらないこと、たくさんあります。
でもずーっと「絵本をよむこと」「絵本を作ること」に向かい合ってきました。
クレヨンハウスがそんな自負で刊行した書籍、
絵本ガイド『絵本town』と『絵本スクール』を、
ブログ限定企画として抽選で読者の方10名様(各5名様)にプレゼントいたします!
1冊1冊、クレヨンハウスオリジナルの「エコバック」に入れて。
ブログ読者様に感謝をこめて。
●32周年創立記念日プレゼント企画/プレゼントの種類 |
『絵本town』
(定価1,600円・06年10月刊)
+オリジナルエコバック |
『絵本スクール』
(定価1,200円・07年7月刊)
+オリジナルエコバック |
※「クレヨンハウス オリジナルエコバック」(定価840円トート型)
サイズは、縦41cm 横35cm マチ14cm。
素材はコットン100%(無漂白)で、ロゴのプリントは大豆油インキ使用。
たっぷり入り丈夫でスタイリッシュな、オリジナルのエコバックです。
↓↓商品についてはこちらからご覧いただけます(eショップへ)↓↓
『絵本town』 『絵本スクール』 「クレヨンハウスオリジナルエコバック」 |
●応募方法 |
Eメール(e-shop@crayonhouse.co.jp)に、タイトルを「プレゼント希望」とし、
[A・Bいずれか][お名前] [ご住所] [電話] [メールアドレス] をお送りください。
また、クレヨンハウスやこのブログへのご意見、クレヨンハウスとの思い出などもあれば、添えていただくと嬉しいです!
「タイプA」「タイプB」を抽選で各5名様、合計10名様にプレゼントします。※ご応募頂いたメールアドレスには、クレヨンハウスからのお知らせを配信させていただく場合があります。ご了承くださいませ。 |
●締め切り |
12月5日(水) |
※当選された方にはEメールにてご連絡いたします。 |
2007/11/5 月曜日
近藤 :東京店
絵本つれづれ, 絵本作家さん
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10月31日お店に遊びにいらっしゃったのは
ちばちかこさんと、たかどのほうこさんです!!
10月22日(月)~11月4日(日)にひらかれた
『とおいまちのこ』ちばちかこさん原画展に見に遊びに来てくださいました。
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『とおいまちのこ』
たかどのほうこ/文 ちばちかこ/絵
のら書店/刊 1,365円(税込)引越しをしてきた女の子。自分が住んでいたとおいまちのことをまわりの子どもたちに話しますが、話すうちに懐かしくなって悲しくなってしまいます・・・。
だけど、その話はまわりの子どもたちの胸に染み込んで、そして夜になると星までとどき、星はすてきな出来事をおこしてくれるんです。 |
絵をちばちかこさん、文章はたかどのほうこさんによる、この絵本は、
やさしい色とあたたかいストーリーで、店頭でも多くのお客さまに喜ばれています。
ところで、ちばさんとたかどのさんは、実は姉妹だということをご存知でしょうか?
いままでも『ココの詩』『時計坂の家』などのたかどのさんの作品で、ちばさんが挿絵を描かれたことがありますが、
今回はおふたりでつくるはじめての絵本となりました。
そんな記念の絵本の原画展を開催する事ができて、とてもうれしく思いました。
クレヨンハウスのテーブルでゆっくりとにこやかにおしゃべりしているおふたり。
その様子をながめていると、おふたりの子どもの頃の姿がふっと浮かび上がるようでした。
絵本や童話をはさんでおしゃべりしているおふたりのちいさい頃の姿です。
そして、こんなふうに時間を経て、一冊の絵本を作ったこのこと自体が、
まるで絵本のようなすてきなお話のようだなぁと思ったりしました。
ありがとうございました。