<絵本town特集>神沢利子さんのデビュー作

特集・あの作家さんのデビュー作! No Comments

神沢利子さん
かんざわ・としこ

『ちびっこカムのぼうけん』
山田三郎/絵
1962年/理論社

デビュー作の思い出
主人公の名「カム」は、物語想定の舞台、カムチャッカの「カム」です。『カムチャッカ探検記』(ステン・ベルグマン/著)という本の中に出てきた、火山に棲む山霊ガムリイが夜な夜な、海のクジラを捕えて火山の火であぶって食うという、わずか3行の記述から、この物語が生まれました。山田三郎さんの生き生きとした挿絵をいただいて喜びました。

●作家をめざすひとへのメッセージ
まず好奇心を持つこと。不思議がる心を失わずにいてください。

神沢利子さんの最新刊

やさいのともだち
石倉ヒロユキ/絵
ひさかたチャイルド/刊


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■お風呂に入らない言い訳は……?

英語絵本 No Comments

こんにちは。ブッククラブの高橋です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
英語絵本P2コースで7月にお届けする絵本を紹介します。

★お風呂ぎらいのハトさんの言い訳にご注目★

◆『The Pigeon Needs a Bath!
Mo Willems/作
Hyperion/刊
2,479円(税込)

今月お届けするのは、Mo Willemsさんのたのしいシリーズの最新刊。
内容をご紹介すると……。

ちょっと汚れているハトさん。
お風呂に入ったほうがいいんじゃない、と指摘を受けます。
ところが、先月入ったからとか
人生をそんなくだらないことでムダにしたくないとか、
自分のにおいはハトとしては普通だとか、
あれこれ、へ理屈を並べ、お風呂に入るのをしぶります。
あげくの果てに、飛んできたハエにまで「くさい」と言われ
ついにお風呂に入る決心をしたハトさん。

すると今度は、バスタブの前で
熱すぎる、ぬるすぎる、お湯が少ない、多い
おもちゃがなくちゃ、おもちゃ多すぎ……と行ったり来たり。
いったいいつになったら入れるの~?

ちょっとヘンテコで、でも憎めないかわいさにあふれた主人公のハト。
このハトのキャラクターは

第1作目の『Don’t Let the Pigeon Drive the Bus!』が
出るやいなや旋風を巻き起こし、
たちまち人気のシリーズになりました。

めっきり蒸し暑くなってきたきょうこの頃。
ぷはっと笑って、暑さをふき飛ばしちゃってくださいね。

■行って帰れる宇宙旅行!

英語絵本 No Comments

こんにちは、ブッククラブの横山です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から、
7月の英語絵本「P1コース」でお届けした絵本を紹介します。

◆『A Long Way Away
Frank Viva/作
Little, Brown/刊
2,479円(税込)

★夏休みは宇宙旅行? それとも海底探検?★

今月の絵本の主人公は宇宙人。
広い宇宙に浮かぶ、玉ねぎみたいな不思議な形の宇宙人の子どもです。
両親(こちらはちょっぴりタコ似です)や友人に囲まれてたのしそうにくらしていましたが、ぷかぷかと宇宙を漂っていると、いつの間にか上へ下へと宇宙の道を辿って遠い遠い真っ暗闇の中に……
その闇を抜ければぽっかりと浮かぶお月さま!
そのままぐんぐん地球へ向かい、今度は海の中を進んでいきます。

実はこの絵本、終わりまで読んだあとはひっくり返してうしろからも読めるのです。
うしろから読みはじめれば、深い深い海の底から、はるか遠い家族の待つわがやへ帰る旅に。
同じページでも行きと帰り道ではなんとなく趣が変わって見えるのも不思議です。

作者のFrank Vivaは、雑誌『New Yorker』のカバーイラストも手がけるイラストレーターでデザイナーです。
シンプルな線と色で描かれたページは、おしゃれですがどこかユーモラス。
文章はとても少ないので英文をたくさん読みたい方には物足りないかもしれませんが、そのぶん、一つひとつの単語をたのしみながら、ぜひとも宇宙旅行のムードたっぷりに読んでみてください。

それでは、よい夏休みを!

■M.W.ブラウンから時空を超えた贈りもの

英語絵本 No Comments

こんにちは。ブッククラブの早崎です。
「子どもの本の定期便」ブッククラブ・絵本の本棚から
英語絵本P3コースで7月にお届けする絵本を紹介します。

「P3コース」
◆『Goodnight Songs
Margaret Wise Brown/文
Jonathan Bean、Renata Liwskaほか/絵
Sterling/刊
2,624円(税込)
*CD付き

★夜を主題にした詩を12編★

作者のM・W・ブラウンは米国を代表する国民的絵本作家です。
代表作のひとつ『Goodnight Moon』(邦題『おやすみなさいおつきさま』)は、
60年以上読み継がれ、いまでもたくさんの子どもたちに親しまれています。

1952年、42歳の若さで亡くなったブラウン、
作品はすでに出尽くしたと思われていました。
ところが1990年代、ブラウンの妹が保管していたトランクから、
未発表の原稿が編集者によって発見されます。
その多くは子ども向けの詩だったそうです。
まるで時空を超えたブラウンからの贈りものみたいですね。

本書ではその中から選りすぐった、夜を主題にした詩12編が収められています。
挿し絵は12人の人気イラストレーターが1編ごとに担当。
さらに付属のCDでは、詩に合わせてつくられた歌を収録。
男女ツインボーカルの紡ぎ出す美しいハーモニーが、
ブラウンの詩の世界をよりいっそう広げてくれます。

CDを聞きながら絵本を開けば、いつの間にか夢の中……
なんてこともありそうですね。
寝苦しい夏の夜のおともにいかがでしょうか。

<絵本town特集>にしかわおさむさんのデビュー作

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にしかわおさむ
さん

にしかわ・おさむ

tobe.jpg

『とりかえっこをしたトーベルとヤーゲル』
1977年/フレーベル館
*現在お取り扱いできません

デビュー作の思い出
生まれて初めての自作絵本とは言え何と未熟きわまりない作品でしょう。
今ながめても赤面冷や汗の流れる思いです。当時はただうれしいばっかりで苦労をしたと言う実感はありませんが、こんな作品でも出してくださった出版社や担当の編集の方にはあらためて感謝をもうしあげたいですね。

●にしかわおさむさんの最新刊


こねこのレイコは一年生
ねぎしたかこ/作
のら書店 /刊


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<絵本town特集>今井彩乃さんのデビュー作

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いまいあやのさん
いまい・あやの


『The 108th Sheep』
2006年/Bloomsbury

『108ぴきめのひつじ』
2011年/文溪堂

デビュー作の思い出
この絵本のもとになった作品は、2003年にボローニャ絵本原画展に入選した絵で、当時は5枚しかありませんでした。その時、原画展をイタリアで見たという、イギリスの編集者が連絡をくれて本にすることになりました。ストーリーはおおまかに決まっていたので、そこから一緒に練り上げていき、絵本作りについて何も知らなかった私は場面割やデザインのことなど、教えてもらいながら場面を描き足していき、3年かかって出版されました。原画は黄土色の背景に鉛筆画というシンプルなものだったので、デザイナーが入れてくれた赤の枠や文字、選んだフォントや紙によって、こんなに本にしたときに印象がかわるのかとびっくりしました。自分の生まれたイギリスで、初めての自分の絵本が形になった事は、とにかくうれしかったです。

●作家をめざすひとへのメッセージ
自分のことを思い返してみてもそうですが、子ども時代に読んだ読みものは、そのひとの記憶に深く関わることになるので、そういった仕事に携われるのは大きなことだと思います。その気持ちを忘れずに、いつもできるだけ良いものを作ることを目指して頑張りたいですね。

いまいあやのさんの最新刊


ベルナルさんのぼうし
BL出版/刊


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<絵本town特集>かとうあじゅさんのデビュー作

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かとうあじゅさん
かとう・あじゅ

『じっちょりんのあるくみち』
2011年/文溪堂

●デビュー作の思い出
数ミリの小さな主人公と人間の暮らしを同時に描く事の難しさや、想像の町を一から作り上げる事などなど。苦労は沢山ありますが、壁にぶつかった時、きっと数日後の自分が何とかしてくれてる、と思ってやっていました。
制作過程で新しい描き方など、楽しい発見も多く、この作品は私の原点になりました。

●作家をめざすひとへのメッセージ
未だ自分をプロだとは思っていませんが、絵本作家を目指してる時点で、プロだったらこうするだろうって、プロ意識を常に持つようにしていました。なんといっても自分自身はごまかせませんからね、今 楽をしようとしたでしょ? とかバレバレですから。
作り上げるものと向き合い突き進むかっこよさに、プロの方も、そうでない方も、大差はないと思います。

かとうあじゅさんの最新刊


じっちょりんのなつのいちにち
文溪堂/刊


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<絵本town特集>下田昌克さんのデビュー作

絵本つれづれ No Comments

下田昌克さん
しもだ・まさかつ

『そらのいろみずいろ』
2001年/小峰書店

●デビュー作の思い出
最初の絵本は、『そらのいろみずいろ』(小峰書店)です。
絵本をつくりたいけど、どうしていいかわからなかったので、最初から最後までの絵を描いて、カラーコピーを製本して1冊の本を作って、それをもって出版社をさがしました。出版社の電話番号をさがして、いきなり電話して、全滅でしたが、広瀬弦さんに紹介してもらって小峰書店がやっとつくってくれました。
でも小峰書店でその絵本を作っている時に(最初の打ち合わせから2年くらいかかってしまいました)出版社の方が、ウーリー・オルレブの『羽がはえたら』という本の原稿をよませてくれて、その挿絵を描きたくて、絵を描いてお願いして描かせてもらいました。この『羽がはえたら』(小峰書店)のほうが、先に出版されました。だから最初の本はこっち? 本が出来上がった時は不思議な感じで、うれしくて最初の日はいっしょにふとんに入って寝ました。

●作家をめざすひとへのメッセージ
まだまだなにもいえません。すいません

下田昌克さんの最新刊


あーん
谷川俊太郎/文
クレヨンハウス/刊



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<絵本town特集>とりごえまりさんのデビュー作

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とりごえまりさん
とりごえ・まり


『月のみはりばん』
2008年/偕成社

●デビュー作の思い出
絵本作家をめざして会社をやめた後、あとさき塾へ通っていた時に、このラフを描きました。「日産絵本と童話のグランプリ」に応募したり(佳作でした)、自らいくつかの出版社に売り込みに行ったりしましたがなかなか出版にはいたらず、その後なんどもなんどもラフを手直しして、数年後やっと出版できました。うれしくてうれしくて、本が並んでいるお店に行ってはドキドキしながらながめていました。

●作家をめざすひとへのメッセージ
絵本やお話を作るのがたのしいと思える間は、いつでも、何歳であっても、あきらめないで作りつづければいいと思います。

とりごえまりさんのページ
ホームページ  http://torigoe-mari.net
フェイスブック https://www.facebook.com/torigoemari
ツイッター         http://twitter.com/torigoemari/

とりごえまりさんの最新刊


ぼくのへやのりすくん
ブロンズ新社/刊


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<絵本town特集>鈴木のりたけさんのデビュー作

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鈴木のりたけさん
すずき・のりたけ



ケチャップマン
2008年/文芸社ビジュアルアート ⇒ 2015年/ブロンズ新社

●デビュー作の思い出
会社勤めでグラフィックデザインの仕事をしている時に描きためていた絵を、どうにかして世に出したいと考えた末にできた本です。描きたいシチュエーションをつなげて、世界観を伝えるために文字を添えたら、「あ、これは絵本なのかな」と、そんな成り立ちでした。文芸社ビジュアルアート出版文化賞に応募し、受賞を経て、書店に並んだのを見た時には、「こんなシュールな絵本があってもいいのか」と、業界の懐の深さを感じました。

●作家をめざすひとへのメッセージ
自分の中に旺盛な探究心が芽生えているかどうか、どうしても絵に描きつけたいという対象に出会えるかどうか、それが肝心だと思います。そうなるために、いろんな経験をしていろんなところに顔を出していくべき。芽生えてしまえば、出会えてしまえば、あとはオートマチックに作品は生まれるでしょうし、面白いものを血眼になって探している編集者さんが、それを放っておかないでしょう!

鈴木のりたけさんのページ
ホームページ(ブログ) http://noritakesuzuki.com
フェイスブック https://www.facebook.com/noritake.suzuki.9
ツイッター https://twitter.com/noritakesuzuki

鈴木のりたけさんの最新刊


とんでもない
アリス館/刊


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