とっておきのプレゼントを見つけるために

絵本つれづれ No Comments

夏休みに入って、早2週間が過ぎました。
予定表どおりに過ごせていますか?

夏休みに入ったらしたいこと「裏リスト」なるものがあれば、
まちがいなく第一位に輝くのは、やっぱり「朝ねぼう」ではないでしょうか?

ねぼすけスーザのおかいもの 『ねぼすけスーザのおかいもの』
広野多珂子/作
福音館書店/刊
840円(税込)

この絵本の主人公スーザは、夏休みではなくても毎日おねぼうさんなのです。
なんてったって、一緒に住んでいるマリアおばさんに、
耳元でフライパンをガンガンガンと10回たたかれて、やっと起きるのですからね。

そんなねぼすけスーザがひとりで早起きをして向かった先は、丘を5つ越えたまち。
露店や商店街のお店を一つひとつ見て歩きます。
大好きなマリアおばさんの誕生日プレゼントに「とっておき」を見つけるために。
 
 おばさんは何が似合うかな?
 おばさんは何が好きかな?
 おばさんは何をほしがっていたかな?
 
おこづかいの袋をにぎりしめ、それはそれは一生懸命にプレゼントを探すスーザがとってもかわいい一冊です。
読み終わったら、あなたもきっと、大好きなひとのために早起きをしたくなりますよ。

30年前の「ドレス」!

絵本つれづれ No Comments

編集部の天田です。
GWまっただ中ですね! みなさんいかがお過ごしですか?

ただいま編集作業をすすめている「月刊クーヨン」7月号(6/3発売)では、
読者のみなさまの声を集めた石井桃子さんの翻訳・創作絵本の小特集を予定しています。

クーヨン読者のみなさまから
「親子2代で同じ絵本を一緒にたのしんでいます!」などのお声をいただいています。
このブログを読んだ方もぜひ、石井さんの絵本にまつわるエピソードをお聞かせください。
cooyon@crayonhouse.co.jp

さて、70年代生まれのわたしも、石井さんが携わられたたくさんの本を読んで育ちました。
そして、数ある作品のなかでも「これは読まなくては!」と思って読み逃していたのが、
50年ぶりに石井さんが改訳された『百まいのドレス』(2006年)です。

もとは『百まいのきもの』というタイトルでした。
写真の左は子どもの頃に読んでいたもので、1975年4月25日発行の12刷、380円!

百まいのドレス 『百まいのドレス』(写真右)
エレナー・エスティス/作
石井桃子/訳
岩波書店/刊
1,680円(税込)

このお話を読むたびに、ワンダをからかっていた少女たちのこころの変化にすなおに気持ちを重ね、その後のワンダがきっとすばらしい才能のつぼみを大事に育てたのではないかなぁなどと想像します。
改訳版もそれは変わりませんでした。

2冊を比べると、改訳の『百枚のドレス』は章立てがされていて、
ページ数も厚く装丁も異なります(表紙をはじめ絵が逆版になっているところがあります)。

出だしの文章も、言い回しや表現が違っていて、
百歳を目前にした石井さんが、すべての文章にあらたな息吹を吹き込まれたことに感銘を受けました。
改訳版のみに掲載の訳者のあとがきも必読です。

この連休中に旧訳、改訳両方を読み比べてみたいと思っています。

絵本の森で深呼吸

絵本つれづれ No Comments

こんにちは。大阪店の上田です。

春風が心地よい季節になりましたね。
毎朝通勤時に通り抜ける江坂公園の木々も、
つい先日までは幹と枝だけのはだかんぼうで寒そうにしていたのに、
今や枝という枝に明るいみどりの葉をつけて、
太陽の光を浴び、生き生きと輝いてとてもうれしそうに見えます。

そんなみどりのトンネルを毎日くぐり抜けてクレヨンハウスにやって来ると……
今、大阪店では木や草花の本を集めた「森の中で深呼吸」の絵本フェアを行っています。
フェア台に並んだ絵本は、どれもこれもみどり、みどり、みどり!
なんだかそれだけでマイナスイオンに包まれているような気持ちになります。

きょうはその中からおススメの1冊をご紹介。
『木はいいなあ』という、30年以上も前に出版され、
今も変わらず愛され続けている絵本です。

都市化が進むにつれ、子どもと自然との生活が失われていくのを嘆いた作者が、
幼い日に経験した木との素晴らしい生活をそのまま絵本にしたものです。

木に登ると遠くの方が見えます。枝に座ってじっと考えごとをすることもできます。
ことりや虫たちも棲む場所をつくります。
暑い日には木陰を作ってくれて、そこで休むこともできます。
木っていいなぁ……。心からそう思わせてくれる絵本なのです。

みなさんは木をじっくり見たことはありますか?
両手で幹を抱いたことがありますか?
木の名前を知っていますか?

木や草花のことをもう少しだけ知ってみることで、
毎日見る風景も少しだけ変わって見えてくるかも。
自然を楽しむ絵本を読んで、ぜひ本物の木や草花にも触れてみてください。

木はいいなあ
『木はいいなあ』
ジャニス=メイ=ユードリイ/作
マーク=シーモント/絵
西園寺祥子/訳
偕成社/刊
1,050円(税込)

石井桃子さんの本

絵本つれづれ No Comments

クレヨンハウスでは毎月たくさんの新刊の中から、
おすすめしたい本やブッククラブでお届けする本を新刊会議で選んでいます。

いち早く読めるうれしさもあり、会議にむけて休憩時間や仕事後にみんなであれこれ言いながら楽しんで読んでいるのですが、宿題をかかえているような気もすこしあったり…。
なので会議が終わるとちょっとした開放感で、
「さあ、なに読もう!」となるのです。

先日その新刊会議があったので、さっそくもう一度読もうとずっと思っていた
『幼ものがたり』を本棚から引っ張りだしました。
今月初めに亡くなった石井桃子さんの幼い日々の回想記。
石井さんの世界をふたたび味わうのはこの本からにしようと決めていたのです。

お店で石井さんの本のコーナーを整理していると、いろんな声がきこえてきます。
「この本持ってる」「あの本すごく面白いよ」「これ好きだったなぁ」。

あなたの好きな1冊はなんですか?
今度おしえてくださいね。

幼ものがたり 『幼ものがたり』
石井桃子/作 吉井爽子/画
福音館書店/刊
788円(税込)

もう一度、ゴッホに出会う。

絵本つれづれ, おすすめ新刊 No Comments

こんにちは! 編集部の揚石です。

きょうは最近のおすすめをご紹介したいと思います。

わたしがゴッホの絵と出会ったのは小学生のとき。
分厚く塗られた絵の具と情熱的な筆の動きが印象的で、
「絵」を越えて、ゴッホのひととなりが気になったことを覚えています。

3月に発売された、いせひでこさんの絵本『にいさん』は、
画家ゴッホと弟テオの物語です。
「変わり者」で世間から冷ややかな目で見られていた不遇のゴッホを、
最期まで支え続けたのがテオでした。

この絵本は、ふたりの間にある深い絆を描き出しています。
ゴッホとテオが“生きていた”ぬくもりが、なぜかとても身近に感じられ、
思わず涙がにじみました。

もう一度ゴッホの絵に出会いたくなるような、そんな絵本です。

にいさん
  『にいさん』
  いせひでこ/著
  偕成社/刊
  1.575円(税込)

ちなみに、原画展もあるそうですよ。

いせひでこが魂をこめて描く ゴッホとテオの物語
『にいさん』出版記念原画展
2008年4月30日(水)~5月6日(火・振)
場所:丸善丸の内本店ギャラリー
9:00~21:00(※最終日は16時閉場)

トーク&サイン会
5月3日(土・祝)
トークショー14:00~
サイン会14:30~

↓丸善のサイトです。
http://www.maruzen.co.jp/Blog/Blog/maruzen02/P/2366.aspx

今年のいちごもおばあさんの傑作?

絵本つれづれ No Comments

この季節、フェア台にこの絵本を置いていると、
必ず「あっ! いちごばたけのおばあさんだ!」と、
見つけた子どもたちのうれしそうな声が日に何度も聞こえてきます。

主人公のちいさなおばあさんは、タイトル通りいちごばたけの下に住んでいて、
いちごにあかい色をぬるのが仕事です。

ある年、小春日和のぽかぽか陽気に反応したのか、
いつもよりずーっと早くいちごがなりだしたから、さあ大変。
おばあさんは急いであかい色をつくり、
ちいさな手をせっせせっせと動かしていちごをぬり始めます。

冷たい風が吹いてくる日暮れまでに、
畑のいちごを全部ぬり終えることができるのでしょうか……?
「あと少し!」とおもわず声をかけたくなってしまいます。

只今、クレヨンハウス野菜市場に並んでいるいちごは、とてもすてきなあか色です。
ひょっとしたら、これもおばあさんがぬってくれたのかも……。
今年もおばあさんの仕事ぶりに拍手!

いちごばたけのちいさなおばあさん
『いちごばたけのちいさなおばあさん』
わたりむつこ/作
中谷千代子/絵
福音館書店/刊
840円(税込)

ボローニャブックフェアに行きました。

絵本つれづれ No Comments

3月31日~4月3日まで開催されていたボローニャ国際児童図書展へ行ってきました。
翻訳出版できる作品を探すのがおもな目的で、
あらかじめアポイントを入れてもらっていた出版社のブースをたくさんまわりました。

一般書も含まれるフランクフルトのブックフェアほどではないまでも、
広い展示場で30分ごとのミーティングをこなしていくには、なかなかタフさが必要です。
とくに方向感覚に乏しいわたしなどは、会場案内を手に走りまわり、
トイレに行くならいましかない! みたいなことに。

でも、これだけたくさんの洋書を集中して見る機会はそうありません。
まだ本になる前の、ラフ段階のものなどを見せてもらえるのも、わくわくします。
同じ気持ちで子どもの本をつくっているひとたちと出会うと、
わたしもがんばろう、と思います。

ホテルからのシャトルバスが遠~いところに停まったり、
お昼に食べたいものが食べられなかったりしても(イタリア語だから!)、
なんとなしに平和な気持ちでいられるのは、チルドレンズブックの魔法かな?

bookfair.jpg

金曜日は、大切なあのひとと……。

絵本つれづれ, おすすめ新刊 No Comments

絵本を読んでいて、ときどき驚くほど自分にピッタリ合う本が見つかることがある。

何気なく開いて読みはじめ、読み終えた瞬間、
きょうという日はこの絵本に出会うためにあったのかもしれない……と思うほど。

 最近のそんな一冊がこの新刊。
この絵本は、実際にある親子がおこなっているちいさな行事をもとにつくられたものだそうです。

 金曜日、いつもパパとぼくは一緒に、ふだんより早く家を出ます。
寒い日も、晴れの日も、雨の日でも。歩いているとお店が少しずつ開きはじめます。
周りのひとは急いでいるけれど、ふたりは決して急ぎません。
歩きながら、犬と何匹出会ったかなんて数えたりします。

 そしてふたりが到着した場所は、カフェレストラン。
ここでゆっくり朝食を食べながらおしゃべりをするのです。いろいろなことを。
食べ終わるとそれぞれ会社と学校へ向い、そしてまた次の金曜日をこころ待ちにするのです。

 一週間に一度の親子のちいさな行事。
おそらくこの時間だけは、親子だとか年齢の差だとか、そんなことは関係なく、
ふたりは友人として対等に向き合って話をしているのではないでしょうか。
なんて豊かな時間なのでしょう。

 少しこころのゆとりと、少しの工夫とでこんなにすてきな時間をつくることができるのだということを、この絵本は教えてくれます。

親子だけではなく、友だちや恋人……
大切なひととの時間をこんなふうにつくってみてはいかがですか?


『きんようびはいつも』
ダン・ヤッカリーノ/作
青山南/訳
ほるぷ出版/刊
1,470円(税込)

永島正人さん展に行きました。

絵本つれづれ No Comments

昨日までだったので、「行けなかった~」という方には悪いなァ、と思いつつ。
ビリケンギャラリーでやっていた、永島正人さん展にお邪魔しました。

何年か前、『きらい』を見たときには、「おっ」と思いました。
今回も、レモンをかじったような気持ちに。

永島さんの絵は、すべてクレパスで描かれたものなんだそうです。
いまは青に凝っていらして、青いクレパスばかり減るらしいと、
ギャラリーの方が教えてくださいました。

そうそう、それで『きらい』が好きだったことを思い出して、
また読み直しました。
右のくつが左のくつをきらいな理由とか、
すいかがフルーツキャンディーをきらいな理由とか、
アハハ、そうでした、そうでした。

「きらい」もいいじゃん。 
……って、バレンタインデーに何かあったわけではないんですけども。

『きらい』
二宮由紀子/文 永島正人/絵
解放出版社/刊 1,470円(税込)

神沢利子さんのお誕生日なので……

絵本つれづれ No Comments

ふと「絵本カレンダー」(『絵本town』付録)を見たら、
きょうは神沢利子さんのお誕生日でした。

何か神沢さんの本を読みたいなあとしばし考えて、
『いいことってどんなこと』に決めました。
外は寒いし! そろそろ春が待ち遠しいな、そんな気分なので。

雪解けの頃、たのしそうなようすの小鳥や小川や風に、女の子が聞きます。

「どうしてそんなにうれしいの」
「いいことがあるからよ」

「いいこと」を探して、女の子が雪の中で見つけたのが……
ウフフ。すてきなんですよ。
言っちゃうのはもったいないのですが、金色の福寿草なんです。

もやし育ちのわたしにとって、福寿草はあこがれです。
お恥ずかしいのですが、いまだに本物を見たことがありません。たぶん。

神沢さんは、子どもの頃、樺太で福寿草を探した思い出がおありとのこと。
そろそろ咲く頃ですよね? 

福寿草を探しに行く春休みもいいな、なんて……

イケナイイケナイ、仕事中でした。


『いいことってどんなこと』

神沢利子/作
片山健/絵
福音館書店/刊 840円(税込)

« Previous Entries Next Entries »