2008/5/30 金曜日
面屋 :子どもの本売り場
絵本つれづれ
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きょうは久しぶりにパパに会う日。
ホットドックを食べて映画を見て、
久しぶりに会ったって、ふたりの息はぴったりのまんま。
パパがとなりにいるっていうだけで、すごくすごく満ち足りた気分。
会うひとごとに、自慢のパパを紹介せずにはいられない息子のティム。
でも、たのしい時間にも、終わりがやってきます。
刻々と迫る夕闇。パパは暗くなると帰らなくちゃいけないのです。
パパと別れた後、さみしさをこらえて、ティムは言います。
「線路は、どこまでもつづいているから。(中略)だから、いつかきっと電車はもどってくるだろう。ぼくのだいすきなパパをのせて―」
仲良しだったパパとママが離婚して、一緒に暮らさなくなることもあります。
でも、離れていたってパパはパパ。
大好き同士だってことさえわかっていれば、大丈夫。
『パパはジョニーっていうんだ』は、ちょっぴりせつない話ではあるけれど、
全体を通して漂う静かな力強さに、元気をもらえる1冊です。

『パパはジョニーっていうんだ』
ボー・R・ホルムベルイ/作
エヴァ・エリクソン/絵
ひしきあきらこ/訳
BL出版/刊
1,260円(税込)
2008/5/29 木曜日
山本 :子どもの本売り場
絵本つれづれ
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おとうさんにも読んでもらいたい絵本としてご紹介したい一冊。
なぜって!?
ふだん子どもとの絵本の時間をママにおまかせのパパでも、
この絵本を読むと、きっと絵本を声に出して読むってたのしいなー
なんて気がついてもらえそうだから。
「これは のみの ぴこの すんでいる ねこの ごえもんの しっぽをふんずけた あきらくんの まんが よんでる おかあさんが おだんごを かう……」
どんどんことばがつながっていき、
最後のページはちょっと息つぎなしでは読めないほど!?
この絵本がおもしろいのは、読み手によってたのしみ方がいろいろなところ。
わたしの中にもいろんなひとのたのしい読み方がインプットされています。
以前、某女性アナウンサーさんが読まれ、思わず拍手してしまった完璧な読み方。
美しいお声と、美しい発音、最後のページはスーッと息を吸い込んだかと思ったら、
一気にラストまで。聞き惚れました!
かと思えば、こんなたのしい読み方にも出会いました。
お店の売り場で棚に向かい、
競争するように声を合わせてこの絵本を読んでいたきょうだいふたり。
どんどんヒートアップして声が大きくなるもんだから、
おとうさんが「お店の中だから静かにしなさい!」と注意すると、
読むのは止めずに、申し合わせたように声のトーンが下がった……
かと思えば、読んでいるうちに再びボリュームアップ。
その夢中に読んでいるふたりのかわいい後ろ姿に、思わず笑ってしまいました。
そして、強烈な記憶は、作者である谷川俊太郎さんが
ミニイベントでお店に来てくださったときのこと。
お客さまから「これはのみのぴこ、読んでください」
というリクエストに応えて読んでくださったあのときの読み方。
落ち着いた声でありながら、ちょっとユニークな飛ばし読み(?)をされ、
会場は笑いの渦。さすがっ!
ことばを声に出して読むって、こんなにたのしいことなんだー
と、親子で体感してください。
「子どものために、読んであげよう」なんて思っていたはずが、
必死にたのしんで読んでいる自分に気づくはず!
それから、かならず和田誠さんのユーモラスな絵もちゃんと見せて(見て)くださいね。
この絵本のおかしさをぐっと引き出してくれるので。
「きょうはいっぱい絵本をよむぞー」
というパパの「口のウォーミングアップ」にもおすすめです。
2008/5/28 水曜日
村山 :ブッククラブ
英語絵本
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「子どもの本の定期便」 ブッククラブ・絵本の本棚から、
5月の洋書コースのご紹介です。
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P3コース:チキンくんの見た夢は、山のようなトウモロコシ
Gimme Cracked Corn & I Will Share
◇Kevin O’Malley/作
Walker & Company/刊 ◇2,142 円(税込) |
「トウモロコシをちょうだい、そしたら山分けするよ」という表題。これだけで「?」とつい手に取ってしまいます。
開くとのっけから、ロケットのようなダイナミックなトウモロコシの一群や、翼をつけたブタなど、不思議な図が目に飛び込みます。
「チキン」という名のニワトリと相棒のジョージが、チキンの見た「美しい納屋にいるピンクのブタの下に、トウモロコシが山ほど埋まっている」という夢を信じて、それを探す物語。
満載のダジャレ、いくつわかるかな? |
今月のP3コース(どきどきコース)は、
まさにダジャレ好きなおとうさんと読むのにぴったり!
笑ってたのしめる絵本なんです。
「夢で見た宝をさがしに旅に出る」
「しかしその宝のありかは実は……!」
というのは、昔ばなしの王道ですが、ひと筋縄ではいかないのがこの絵本。
なにせ主人公はニワトリ!
宝はおいし~いトウモロコシ!!
ことばの使いかたもとってもゆかいなんです。
例えば、example(例)という単語は、「egg-sample」に!
(主人公がニワトリだけに、卵にかけています)
comedian(道化者)という単語は「comedi-hen」に!
(henはめんどりという意味です。)
うーん、なんともちゃめっけたっぷり。
ことばあそびがたのしいのは、万国共通なんですね。
2008/5/27 火曜日
揚石 :編集部
絵本つれづれ
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クーヨン6月号の絵本特集は「パパとたのしむ絵本」。
おとうさんと一緒に読みたい絵本をたくさんご紹介しています。
ここでは、クーヨンではご紹介しきれなかった、読者のみなさんによる「おとうさんと読むおすすめ絵本」をご紹介しましょう。
●『いないいないばあ』
松谷みよ子/作 瀬川康男/絵 童心社/刊 735円
【読者コメント】
わたしが読むより、おとうさんに読んでもらったほうが、子どもはよろこんでいます。リアクションが大きいからか、ちょっとくやしいです。
●『はなちゃんおふろ』
中川ひろたか/作 長新太/絵 主婦の友社/刊 735円
【読者コメント】
夫が読むとおもしろくなり、娘のお気に入りです(とくにおふろをあがるときの数え歌)。
●『さつまのおいも』
中川ひろたか/作 村上康成/絵 童心社/刊 1,365円
【読者コメント】
養護学校で教員をしているパパが、何度も読み聞かせをして暗記してしまったというこの本を、子どもとお風呂に入るとき、毎日話して聞かせていました。
おもしろいセリフに、キャーキャー笑う息子の声、いつも何してるんだろうと思ってました。
●『ながいかみのラプンツェル』
グリム/作 フェリクス・ホフマン/絵 瀬田貞二/訳 福音館書店/刊 1,365円
【読者コメント】
グリム童話系は、パパの低めの淡々とした語り口が合います。
わたしまで聞きたくて、「読んで読んで」とお願いしてます。
ホフマン自身も娘や息子のために描いた絵本だから、父親の愛にあふれているから合うのかしら。
●『うさんごろとおばけ』
瀬名恵子/作 グランまま社/刊 1,155円
【読者コメント】
わたしが子どもの頃、父に読んでもらっていた絵本です。
●『恐竜リトルホーンと巨大翼竜』など恐竜シリーズ
黒川みつひろ/作 小峰書店/刊 1,365円
【読者コメント】
父親にとっては、けっこう読んでいてたのしかったそうです。
などなど。
でもきっと、子どもにとっては何を読んでもらうかよりも、
「おとうさんに読んでもらう」ことそのものが、うれしいんですよね!
2008/5/26 月曜日
三富 :東京店
絵本つれづれ
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パパに読んでもらうと、いつものお気に入り絵本が、
またちがって聞こえるから不思議です。
わたしの大好きな絵本、『ムニャムニャゆきのバス』は、
パパにもおすすめです!
はるかかなたから、ムニャムニャゆきのバスがやってきます。
バス停に止まるたびに「ベエーベエー」という音。
降りてくるのは、さかなや三角定規……ひとではないものばかり!
次は何が降りてくるかな………?
ページをめくるのがたのしい絵本です。
降りてきたものたちのひとことに、思わず笑ってしまいます。
ナンセンスの中に新しい発見や、新鮮なたのしさがいっぱいの長さんの絵本は、
読めば読むほど深い味わいがあります。
行き先は…ムニャムニャ…わからないからおもしろいんじゃないの。
こんなバスに乗ってみたい!!
パパに読んでもらったら、一緒にお出かけするのもいいですね。
ムニャムニャゆきのバスに乗って、どこにあそびに行きますか?

『ムニャムニャゆきのバス』
長新太/作
偕成社/刊
1,470円(税込)
2008/5/21 水曜日
山本 :子どもの本売り場
絵本つれづれ
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大阪店でも、「パパ、えほんよんで!」コーナーをつくりました。
パパの声が似合う絵本、パパが活躍する絵本……
いろいろ考えながらつくっています。
さて、なかでもわたしのお気に入りは、やっぱりコレ!
『パパが宇宙をみせてくれた』です。
ある冬の日の夕方、パパが息子のウルフに
「いまから宇宙をみせにいってあげよう」と声をかけ、ふたりで出かけます。
しっかり手をつないで、ぶらぶらとウィンドーショッピングをしながらたどり着いたのは、見慣れた原っぱ。
「これが宇宙?」
ちょっぴりがっかりするウルフに、空を見上げるように声をかけるパパ。
空には満天の星。
パパは必死で星座の説明をしてくれるのですが、どれがどれだかよくわからない……
と思いつつも、がんばっているパパをがっかりさせたくないからうなずくウルフ。
さらに調子に乗ってきたパパは、
「空の上では、すべてが、きよらかで、おだやかで、きちんとしているんだ。どうだい、気持ちがおちついてくるだろ?」
そんなすてきな話をしながら、少しでもウルフを星に近づけたいから抱き上げ……と、
そこまではよかったのですが、どこからかくさい臭いがただよってきて、
ふと下を見ると犬のフンを踏んでしまっていたことに気がつくパパ。
かっこよく決まらなかったことに落ち込みますが、
ウルフは「今夜のこと一生わすれないよ」と。
ウルフの視点で書かれていて、パパのあふれんばかりの息子に伝えたい思いを、ちょっぴり冷静に、でも親の愛情をいっぱい感じながら受け止めている息子のようすが、とても自然に、ほほえましく伝わってきます。
ときどき読みたくなって、読み終わった後はいつもこころのどこかがポカポカしてきます。
「ことば」そのものが大切なのではなく、その「ことば」を伝えようとしている「気持ち」が相手のこころに届いたとき、それはきっと忘れられない記憶としてそのひとのこころのどこかに焼きつくんだろうか……そんなことをぼんやりと考えてしまいます。
スウェーデンの作家、ウルフ・スタルクの作品は、
絵本でも読み物でも、なぜかキュンとして涙がこみあげてきたり、
ちょっとしたいたずらなんかに笑いがこみあげてきたり、
「わかるわかる!」と思わずうなずいたり……とにかく読ませてくれます!!
『おじいちゃんの口笛』(ほるぷ出版)や『シロクマたちのダンス』(偕成社)なども是非ご一読を。

大阪店の「パパ、えほんよんで!」コーナーです。
2008/5/21 水曜日
絵本town
絵本つれづれ
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鈴木まもるさん
すずき・まもる

『ぼくの大きな木』
鶴見正夫/文
1980年/偕成社
●デビュー作の思い出
絵を描くのが好きなので、ひたすら毎日、絵を描いていました。
大学生のころで、最初は昼間に土建業のアルバイトをしながら絵を描いていたのですけど、危険が多いので、水商売の仕事に変え、夕方から深夜まで働いて、朝から夕方まで絵を描きました。
山の中で暮らす男の子の話で、自然の四季をモチーフにして、何しろ画面を葉と木で埋め尽くしたくて描いていました。“言葉”という表現手段をまだそのころ持っていなかったので、ストーリーを大体作って、詩人の方に文章化してもらうことになりました。
その時は気がつかなかったけれど、ちゃんと鳥の巣も話に関わっていて、やはりそのころから、無意識にでも鳥の巣を求めていたんだなと、あとからわかりました。
●作家を目指す方々への応援メッセージ
自分の好きなことを、自由に続けてください。
●鈴木まもるさんのページ
ホームページ http://www.i-younet.ne.jp/~basaract/
ブログ http://blog.livedoor.jp/nestlabo4848/
フェイスブック https://www.facebook.com/mamoru.suzuki.5
●鈴木まもるさんの最新作

『ニワシドリのひみつ 庭師鳥は芸術家』
岩崎書店/刊
>> 絵本townで購入できる著作
>> デビュー作特集 作家一覧を見る
2008/5/20 火曜日
admin
絵本つれづれ
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東京・青山の絵本屋クレヨンハウスです。
スタッフブログ「絵本の日々」では、6/15(日)まで
「父の日企画;パパとたのしむ絵本」を開催中です。
●「パパとたのしむ絵本」大賞募集!
「こんな絵本を子どもとたのしんでいます!」というおとうさん、
また、「この絵本は、パパでないとダメみたい!」というご家族のみなさん!
絵本のタイトルとエピソードを、絵本ブログにお寄せください。
もちろん、どんな絵本でもOKです。
選考のうえ掲載させていただき、その中から1名様に、
すてきな父の日プレゼントをお届けします。
賞品は、パパが読んで楽しいと評判のクレヨンハウス出版絵本5冊セット!
ぞんぶんにお楽しみください。
■募集期間:6/12(木)まで
■応募方法:お名前、ご住所・電話番号、をご記入のうえ、
下記アドレスへ、メールでお送りください。
※ニックネームでの掲載をご希望の方は、お書き添えください
※写真もどしどしお待ちしております!
★エピソード送付先:post@ehon.crayonhouse.org
2008/5/20 火曜日
吉原 :編集部
イベント
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こんにちは。いつも絵本ブログのご愛読、ありがとうございます。
さて、6月15日は「父の日」ですね。
絵本ブログでは、きょうから「パパとたのしむ絵本」フェアを開催します!
週末のクレヨンハウスには、絵本を選ぶおとうさんの姿がたくさん!
忙しい毎日、子どもと絵本を読むときには、
ふっと肩の力が抜けてリラックスできるというおとうさんも、多いのではないでしょうか?
そんな「絵本のひととき」が増えるほど、
世の中がもっとたのしく、やさしくなりそう……
というわけで、クレヨンハウスは「おとうさんの絵本時間」を応援します!
●「パパとたのしむ絵本」紹介!
6/15(日)までの絵本ブログでは、
パパの「読み聞かせ」におすすめの絵本、
すてきなパパが登場する絵本、
パパに贈りたい絵本……
クレヨンハウスのスタッフが、あれもこれもとご紹介します。
●「パパとたのしむ絵本」大賞募集!
「こんな絵本を子どもとたのしんでいます!」というおとうさん、
「この絵本は、パパでないとダメみたい!」というご家族のみなさん、
絵本のタイトルとエピソードを、絵本ブログにお寄せください。
選考のうえ掲載させていただき、その中から1名様に、
すてきな父の日プレゼントをお届けします。
■募集期間:~6/9(月)
■応募方法:お名前、ご住所・電話番号、をご記入のうえ、
下記アドレスへ、メールでお送りください。
※ニックネームでの掲載をご希望の方は、お書き添えください
※写真もどしどしお待ちしております!
★エピソード送付先 : post@ehon.crayonhouse.org
またはクレヨンハウス子どもの本売り場(東京・大阪)に設置の
アンケート用紙をご利用ください。
■大賞:パパと絵本を読みたくなるエピソードで、
ブログをもりあげてくださった方・1名様
■副賞:クレヨンハウス出版部から
「パパと読みたい絵本」を5冊セットにして、父の日にプレゼント
■選考:クレヨンハウス絵本ブログ〈パパとたのしむ絵本〉プロジェクト
■発表:6/15(日)の絵本ブログにて
みなさんのご応募、たのしみにお待ちしております!

店頭フェアも好評です(写真は東京店。大阪でも開催中)!
2008/5/19 月曜日
admin
絵本つれづれ
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tupera tuperaさん
ツペラ・ツペラ

『木がずらり』
最初は自費出版 → 2005年/PIEBOOKS → 2011年/ブロンズ新社
●デビュー作の思い出
ジャバラ絵本「木がずらり」は、当時住んでいた場所が見晴らしがよく大きな木がたくさんある場所で、その風景を眺めていてアイデアを思いつきました。
雑貨制作をメインに活動していた初期は、手作りをした商品をお店に直接卸して販売していました。絵本も同じように自分達で作って販売しようという流れが自然にあり、自費出版にしました。
せっかく作るのなら、まずは本作りを全て自分達で体感して学びたいという気持ちも強かったと思います。100万円の予算をかけ、印刷屋さん、製本屋さんに何度も足を運び、現場の方からたくさんのことを学びました。
また、その後の流通でも、販売してもらったお店の方や買ってくれた人からの感想などを直接聞く事ができたことが、とても励みになりました。
この本に関る全ての人とじっくりと向き合って作品を作る事ができた事が一番の思い出で、自分達の絵本作りの原点になっていると思います。
●作家を目指す方々への応援メッセージ
作る時は自分らしく楽しく。
作品が出来上がったら、気の合う人と目一杯分かち合う。
気に入ってくれた人を大切にする。
自分達が大事に思うことです。
●tupera tuperaさんのページ
ホームページ http://www.tupera-tupera.com/
フェイスブック http://www.facebook.com/officialtuperatupera
ツイッター https://twitter.com/tuperatupera
●tupera tuperaさんの最新作

『おめんワークボックス』
コクヨS&T/刊
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