2008/8/19 火曜日
日景 :編集部
絵本つれづれ, 絵本作家さん
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今森光彦さんの写真展「里山」に出かけてきました。
ちょうど作品を前に、ご自身がお話されるギャラリートークがあり、
ちいさな子から、そのひいおばあちゃん・ひいおじいちゃんにあたる世代まで、
たくさんのひとが、今森さんのトークに、写真に、魅入られていました。
ご本人のお話を伺っていると、草も虫も、湖も森も、ひとも……
レンズを向ける対象への、あふれんばかりの愛情があるからこそ、
あのすごい写真が撮れるのだと、つくづく感じさせられます。
質問コーナーもあり、それに答えたことばが、強くこころに残りました。
里山を守るには、自然景観の保護というだけではない難しさがあるのだと。
いまは、里山に住む子どもも自然とあそぶことがなくなっている状況で、
その地に根ざしたひとびとの暮らしを守り、次世代に伝えていくことの難しさ。
でも、難しく、たいへんなことだと身構えるのではなく、
自分の身近にある、ちいさないのちに目を留めることからはじめよう、と
今森さんも、その写真も、教えてくれます。
この夏休み、東京では3つの写真展が重なり、大活躍の今森さん。
昆虫、里山、伊勢。3つのテーマで、それぞれ展開されています。
写真展「里山」は、大丸東京店・ミュージアムにて9/1まで。
次の週末(8/23・24)も、ギャラリートークがあるそうです。
お近くの方は、ぜひ。
行きたいけれど、行けないという方へ。
おうちにいながらにして、今森さんの仕事を堪能できるあれこれを
ピックアップしてみました!
どれでも、全部でも、ためしてみてください。
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1) 今森さんの写真絵本『わたしの庭』にひたる!
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目の前にあるのに、気づかずにいたことに、ハッとさせられます。
今回の「里山」写真展でも、先の「昆虫4億年の旅」(~8/17で終了)でも、
『わたしの庭』でおなじみの写真も、いくつかありましたよ。
▼『わたしの庭』

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2) クーヨン連載中「いきもの万華鏡」の切り絵にチャレンジ!
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はさみひとつで、摩訶不思議な自然のかたちが現れます。
9月号は「クズ」。花も、ツルに生えた微毛も、葉の虫食いまで表現。
本誌では写真で紹介している切り絵の型紙が、ダウンロードできます。
▼切り絵の型紙のダウンロード
http://www.crayonhouse.co.jp/home/cooyon/thiscooyon.htm
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3) 掲画家・熊田千佳慕さんとの対談から、今森さんの思いを知る!
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ふたりの「昆虫少年」の満面の笑顔に癒されます。
花や虫の生態画や絵本で知られる熊田さんは、今森さんの憧れ。
クーヨン9月号の[スペシャル対談]に登場しています。
▼クーヨン9月号

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4) 今森さんの世界を、もっともっと知る!
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里山塾や、昆虫ジャンボリーなど、参加・体験できるイベントも開催。
各地での展覧会の情報、絵本・写真集などのリストも。
▼今森光彦ワールド
http://www.imamori-world.jp/
2008/8/15 金曜日
村山 :ブッククラブ
英語絵本
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「子どもの本の定期便」 ブッククラブ・絵本の本棚から
8月の洋書「P2:じっくりコース」のご紹介です。
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P2コース:「猛牛」フェルディナンドは花が好き!
The Story of Ferdinand
◇Munro Leaf/文
Robert Lawson/絵
Penguin Group USA/刊
◇2,268 円(税込) |
1936年の出版以来、60か国語以上に翻訳されている国際的な人気絵本。
体格は闘牛にぴったりの「猛牛」なのに、コルク樫の木の下で、草花を愛でるのが好きな優しい心の持ち主、ウシのフェルディナンドの物語です。
熱気と期待に包まれたマドリッドの大闘牛場。そこに「猛牛」が登場!ところがフェルディナンドときたら、その真ん中でどっかと腰掛けて、大好きな花の香りに鼻をくんくん。そんな牛ってあり?
読者の顔に笑顔が浮かぶことでしょう。 |
みんなとちがってもいいんだよ。大きな牛が花を好きでもいいんだよ。
みんなをほっとさせてくれる、度量の大きい絵本です。
マイペースなフェルディナンドの理解者である、
「うしとはいうものの、よくもののわかったおかあさん」
(英語では「an understanding mother, even though she was a cow」)。
そのやさしさもこころをじんわりとあたためてくれます。
1ページ1ページの、絵に対する文が短いので、
英語だということを忘れてスラスラ読めてしまいそう。
絶対に手元に置いておきたい名作をぜひ原書で!
2008/8/12 火曜日
吉原 :編集部
クレヨンハウス出版の新刊, クレヨンハウス出版の絵本
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こんにちは! 編集部の吉原です。
クレヨンハウスの翻訳絵本、第2弾の2冊が、
ようやく校了(印刷所に最終原稿を渡すことです)しました。
どちらも、お・ば・けの絵本です。紹介させてください。
まず一冊目は、スウェーデンの絵本『おばけのめをみて おとうとうさぎ!』。
こわがりの「おとうとうさぎ」が森で出会ったおばけは、
目を見ないと、どこまでも追いかけてくるのです!
逃げ帰ったおとうとうさぎでしたが、その夜、ドアをノックする音が……。
キャーキャー言って、おふとんをかぶりながら、
でも何度も読んじゃう子どもたちの姿が目に浮かぶなあ……と思って選んだら、
スウェーデンでは、子どもたちが選ぶ本の人気投票で、
0~6歳の「2007年のお気に入りベスト1」になったそうです。
さすがです、子どもたち。
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『おばけのめをみて おとうとうさぎ!』
ヨンナ・ビョルンシェーナ/作
菱木晃子/訳
クレヨンハウス/刊
1,470円(税込)8月25日発売 |
そして2冊目の「おばけ」は、『いとしのおばけちゃん』。
こちらはフランスの絵本です。
この絵本、シールが100種類もついています。
それを絵本に貼ったり、絵を描いたり、色をぬったりして、
「あなただけの絵本」をつくっちゃおう、という絵本なんです。
「ママおばけ」が「かわいいあなた」に、
家族のおばけたちを紹介する……というポエティックな文章に、
チャーミングなおばけたち。
画家のバンジャマン・ショーさんをパリに訪ねたインタビューを、
[クーヨン]10月号に掲載します。
バンジャマンさんによれば……
この絵本が、いまの子どもたちに必要な「理由」があるんですヨ!
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『いとしのおばけちゃん』
ラモーナ・バデク/文
バンジャマン・ショー/絵
石津ちひろ/訳
クレヨンハウス/刊
2,100円(税込)8月25日発売 |
2008/8/7 木曜日
村山 :ブッククラブ
英語絵本
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「子どもの本の定期便」 ブッククラブ・絵本の本棚から
8月の洋書「P1:ようこそコース」のご紹介です。
まだまだ暑い日が続きますが、みなさまいかがおすごしでしょうか?
プールに遊園地、おばあちゃん・おじいちゃんのおうちなど、
夏休みに行きたいところはたくさんありますが、
この絵本を読めば、さっそく動物園におでかけしたくなりそう!
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P1コース: 踊る活字と繰り返しで、らくらく英語でリードアラウド(音読)
Monkey and ME
◇Emily Gravett/作
Simon & Schuster/刊
◇2,016 円(税込) |
鉛筆の美しい線とシックな色合いが個性的な本書は、子どもだけにじゃもったいない1冊のアート。ぬいぐるみのサルと一緒に、ヒロインが次々と動物たちを見に行く趣向ですが、リズムのある言葉と繰り返しが、英語のハードルをやすやすと越させてくれそうです。タイトルであり、本文で繰り返されるフレーズ、Monkey and meなど、口癖になりそう。
踊る活字に合わせ、Let’s read aloud! 心もうきうきしてきます。
「We went to see some・・・」でページをめくると、
あらわれるいきいきとした動物たち!
このくり返しがとってもたのしいんです。
「We went to see some・・・」のページでは、
サルと女の子が元気いっぱいに動物のまねをしているので、
思わずつられてからだが動いてしまいそう。
次にどんな動物が出てくるのか・・・、
あてっこするのも、もりあがりそうですね。 |
2008/8/6 水曜日
面屋 :子どもの本売り場
絵本つれづれ
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夏休みに入って、早2週間が過ぎました。
予定表どおりに過ごせていますか?
夏休みに入ったらしたいこと「裏リスト」なるものがあれば、
まちがいなく第一位に輝くのは、やっぱり「朝ねぼう」ではないでしょうか?
この絵本の主人公スーザは、夏休みではなくても毎日おねぼうさんなのです。
なんてったって、一緒に住んでいるマリアおばさんに、
耳元でフライパンをガンガンガンと10回たたかれて、やっと起きるのですからね。
そんなねぼすけスーザがひとりで早起きをして向かった先は、丘を5つ越えたまち。
露店や商店街のお店を一つひとつ見て歩きます。
大好きなマリアおばさんの誕生日プレゼントに「とっておき」を見つけるために。
おばさんは何が似合うかな?
おばさんは何が好きかな?
おばさんは何をほしがっていたかな?
おこづかいの袋をにぎりしめ、それはそれは一生懸命にプレゼントを探すスーザがとってもかわいい一冊です。
読み終わったら、あなたもきっと、大好きなひとのために早起きをしたくなりますよ。
2008/8/5 火曜日
武田 :出版販売部
クレヨンハウス出版の絵本
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千葉・市川市にあるニッケコルトンプラザにて開催中(7/19~8/31)の
『絵本パラダイス』に行って来ました。
今年で10年目になるこの絵本のお祭りに、
今年はクレヨンハウスが協力しています!
たくさんの絵本の中でも強烈な個性を放っていたのが、『ぶたのぶたじろうさん』。
今回はイベントパンフレットのイラストの中にもナント、ぶたじろうさんが!
ぶたじろうさんにはじめて会う子どもたちにも、覚えてもらえるかな。
展示コーナーでは、普段なかなか見ることができない
『ぶたのぶたじろうさん』の原画も展示しています。
最終日の8/31(日)にはスズキコージさんのワークショップ&サイン会もありますので、
夏休みのお出かけにぜひ足をのばしてみてくださいね。

2008/8/4 月曜日
田村 :東京店
英語絵本, イベント
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夏真っ盛りですね。店内にも、早くも日焼けした子どもたちが本を選びに来ています。さて、いまクレヨンハウス東京店子どもの本売り場では、半年に一度の洋書バーゲンセールを開催中です。
●会期:2008年7月26日(土)~8月8日(金)
期間中は、クレヨンハウス「洋書クラブ」にご登録いただくと店内の洋書がすべて10%OFFに!(クレジットカードでお支払いの場合は5%OFF)
「洋書クラブ」は、入会費年会費無料、その場ですぐにご登録いただけます。またバーゲン期間以外でも、いつでも洋書が5%OFFになる、大変お得なクラブです。 |

期間中はコルデコット賞受賞作品を集めたコーナーも!
名作を、お手にとってご覧ください。洋書が好きな方だけでなく、児童書で英語を学んでみたい方、洋書のデザインに興味のある方、未邦訳の絵本をお探しの方も、ぜひこの機会にクレヨンハウスにお越しください。
お探しの本が店にない場合は、お取り寄せもいたします。
お気軽にお問い合わせください。お待ちしております! |
お問合せは、クレヨンハウス東京店・子どもの本売場まで
〒107-8630
東京都港区北青山3-8-15
TEL:03-3406-6492
FAX:03-3407-9568
e-mail: ehon@crayonhouse.co.jp
2008/7/30 水曜日
日景 :編集部
クレヨンハウス出版の新刊, クレヨンハウス出版の絵本
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みなさん、熱い夏をお過ごしのことと思います。
ご存じのあのひとも、夏の昼下がり……
いつものように、のんびり昼寝中のところを、
炎天下の海へと駆り出されました。
そう! あのひと!「ぶたのぶたじろうさん」です。
そして、今度は……
『ぶたのぶたじろうさんは、クジラをたすけにいきました。』
嵐で浜辺にうちあげられた大きなクジラを前に、困り果てた面々。

「クジラさんが あまりにも おもいんでねえ。
まあ、はやいはなしが、うみへ おかえりいただきたくても
おかえりいただけない というわけなんです」とクマさん。
みんなの期待が、集まります。
「もう だいじょうぶだ。 ぶたのぶたじろうさんが きてくれたんだから」
「きっと いいちえを だしてくれるぞ」
熱い陽射しが、かーっ!とクジラに照りつけています。
「このままだと しんでしまう!」
さあ、クジラをたすけることができるのか?!

と、おはなしは、いつものごとく、スリリング。
今回の絵も、またまた、すごいです。
上に紹介した2点は、本文の中に出てきます。
じつは、本文は黒1色の原画に、印刷で色をつけています。
そして、表紙は、おなじみのコラージュ。

表紙は、スズキさんも「情熱的だねえ」と、納得のできばえですが、
ただいまデザイン調整中につき、しばしお待ちを!
『ぶたのぶたじろうさんは、クジラをたすけにいきました。』は、
夏休みの終わりごろ、お目見え予定です。
どうぞ、たのしみにお待ちください。
>>現在発売中の『ぶたのぶたじろうさん』シリーズ5巻はこちら
2008/7/24 木曜日
村山 :ブッククラブ
英語絵本
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「子どもの本の定期便」 ブッククラブ・絵本の本棚から
7月の洋書コース「P3:どきどきコース」のご紹介です。
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P3コース:芸術の香り、ドラマティックな「3匹の子ブタ」
Big and Bad
◇Etienne Delessert/作
Houghton Mifflin/刊
◇2,142 円(税込) |
ルーブルで回顧展が開催されるなど、
著名なアーティストによる「3匹の子ブタ」の再話。
洗練されていて、どこかヨーロッパの香りがします。
オオカミと言えばbig bad wolf、
『Big and Bad』だけでオオカミの話だとわかる……洒落ています。
ページからは、その特徴的な光や炎の橙と、その他の色使いによる、
深みとミステリアスな雰囲気を感じます。
オオカミからは悲しみが漂い、すべてにドラマチック。
大人も愛蔵したくなる一冊です。 |
「3匹の子ブタ」というと、なんだかドタバタゆかいな雰囲気を思い浮かべますが、
このバーションはちがいます!!
ざっとページをめくってみても、
「これって3匹の子ブタ……だよね??」。
どことなくアバンギャルドな香りに、
なんだか哲学的な気分になってしまいます。
とはいえ、内容は誰もが知っている「3匹の子ブタ」の再話!
英語アレルギーの方もとっつきやすいはずです。
まだまだ暑い日が続きますが、ひとあし先に
「芸術の秋」気分を味わってみるのもいいかもしれませんね。
2008/7/17 木曜日
村山 :ブッククラブ
英語絵本
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「子どもの本の定期便」 ブッククラブ・絵本の本棚から
7月の洋書コース「P2:じっくりコース」のご紹介です。
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P2コース:索漠とした都会に少女が咲かせる花は……
The Gardener
◇Sarah Stewart/文
David Small/絵
Farrar Straus & Giroux/刊
◇2,142 円(税込) |
アメリカが貧しかった1930年代、田園の少女が都会に移り住み、街角と叔父の人生に、文字通り花を咲かせる物語です。園芸好きのヒロイン、彼女のお父さんは失業し、生活苦から彼女は大都会でパン屋を営む叔父に引き取られます。ヒロインは、叔父さんのしかめ面に笑顔を浮かべさせようと、ある計画を立てます……。
物語の文章量は多少多めでも、ヒロインが祖母を始め家族へ書く手紙形式なので、読みやすいはず。英語読み物入門にも最適。 |
主人公のリディアは逆境にあっても、
「I’m small, but strong」なんて言ってしまうような、たのもしい女の子。
どんなときでも明るさとユーモアを忘れないリディアを
誰もが好きになってしまうことうけあいです。
周りのひとびとがその魅力にひかれていくのに呼応するように、
殺風景だったページのそこここに花の姿が・・・!
ラストにさわやかな感動をあじわったあと、
自然と前向きな気持ちになれます。
大恐慌のさなかのアメリカが舞台ですが、
どこかすさんで寂しいひとびとの気持ちなど、
いまの世の中と、共通する部分もあるのでは?
読み直して元気をもらいたい絵本です。